最終話:雨の日の約束 ~絶対に逃がさないから~
別の日。
突然の雨に降られて、私たちは東屋に避難した。
「あー、びしょびしょになっちゃった」
千紗が髪を絞った。
──彼女のドレスが、雨に濡れて体に張り付いていた。
白いドレス。
濡れて、半透明になっている。
下着のラインが、うっすらと透けて見える。
そして、胸の形がくっきりと──
ウエストから腰へのラインも、くっきりと浮き出ている。
きゅっとくびれたウエスト。なめらかな腹部。
そして、ドレスが張り付いたお尻の丸みが、嫌でも目に入ってくる。
「蒼真? どこ見てるの?」
「ど、どこも……!」
「嘘。今、私の胸、凝視してたでしょ」
「してない!」
「じゃあ、なんでそんなに顔赤いの?」
「れ、冷えたからだ……」
「ふーん……」
千紗が自分の体を見下ろした。
「あ、透けてる」
「……」
「やだ、恥ずかしい」
彼女が両腕で胸を隠した。
──が、その仕草が、かえって胸の存在を強調していた。
腕に挟まれた胸が、ぎゅっと形を変えている。
控えめな大きさだが、確かな柔らかさが、その動きでわかる。
「蒼真、上着貸して」
「あ、ああ……」
私は自分の上着を脱いで、彼女に渡した。
「ありがと」
千紗が上着を羽織った。
──私の上着を着た彼女は、想像以上に可愛かった。
サイズが大きいから、手が袖に隠れている。
そして、上着の裾が、彼女の太腿の途中まで覆っている。
まるで、私のシャツを着てベッドにいるかのような──
「どう? 似合う?」
「……似合う」
「へへ、嬉しい」
千紗が私の上着に顔を埋めた。
「蒼真の匂いがする」
「そ、そんなことを言うな……」
「好きな匂い」
彼女がにっこりと笑った。
──可愛い。
可愛すぎて、抱きしめたくなる。
「ねえ、蒼真」
「なんだ」
「雨、止むまで時間あるよね」
「ああ……」
「じゃあ、キスしよっか」
「……えっ」
千紗が私に近づいてきた。
「だって、暇だし」
「暇だからキスするのか……」
「違うよ。蒼真とキスしたいから、キスするの」
彼女が私の前に立った。
見上げる漆黒の瞳。濡れた黒髪。ほんのりと赤い頬。
「いい?」
「……ダメだとは、言えないな」
私は彼女の顎に手を添えた。
唇を重ねる。
──柔らかい。
何度キスしても、この柔らかさには驚かされる。
完熟した果実のような、とろける甘さ。
「ん……」
千紗が小さく声を漏らした。
その声に、理性が揺らぐ。
気がつくと、私は彼女を抱きしめていた。
濡れたドレス越しに、彼女の体の線がわかる。
細い肩。くびれた腰。そして、胸の柔らかさ。
私の手が、彼女の腰に回っていた。
くびれたウエストに手を当てると、驚くほど細い。
両手で包み込めそうなほどだ。
「蒼真……」
彼女が私の首に腕を回してきた。
体が密着する。
胸が、私の胸に押し付けられる。
控えめな膨らみが、ふにゅっと形を変えて密着する感触。
そして、私の手が無意識に下へ滑り──彼女のお尻に触れた。
柔らかい。丸くて、ぷにぷにとした弾力。
思わず指に力が入ってしまう。
「あっ……」
千紗が小さく声を漏らした。
「ご、ごめん……」
「いいよ。……もっと触っていいよ」
──いけない。
理性が飛びそうだ。
「ん……んっ……」
キスが深くなっていく。
唇だけでなく、舌も絡み合う。
甘い。熱い。溶けそうだ。
「は……っ、蒼真……」
千紗が息を切らせながら、私を見上げた。
潤んだ瞳。赤く染まった頬。濡れた唇。
──このまま、押し倒したい。
今すぐ、彼女を抱きしめて──
「……っ」
私は彼女から離れた。
「え? なんで離れるの?」
「……これ以上は、ダメだ」
「なんで?」
「結婚式まで、あと少しなんだ。それまでは──」
「また我慢?」
千紗が不満そうな顔をした。
「蒼真、ほんとに真面目だよね」
「……すまない」
「謝らなくていいよ。そういうとこ、好きだから」
彼女が私の胸に顔を埋めた。
「でも、結婚式の夜は、覚悟しててね」
「……ああ」
「絶対に逃がさないから」
その言葉に、私の心臓が跳ね上がった。
──結婚式の夜。
その日を想像するだけで、頭がくらくらする。
彼女の、柔らかい体。甘い声。
全部を、自分のものにできる。
「蒼真、また反応してない?」
「……するなって方が無理だろ」
「あは、正直。でも好き」
千紗がくすくすと笑った。
雨は、まだ止まない。
私たちは、東屋のベンチに並んで座った。
千紗が、私に寄りかかってくる。
私の上着を羽織った彼女は、まるで小動物のようだ。
袖から覗く細い指。上着の裾から伸びる白い脚。
濡れた黒髪が、私の肩に触れている。
「ねえ、蒼真」
「なんだ」
「私の体、どう思う?」
「……は?」
突然の質問に、私は固まった。
「さっき、たくさん触ったでしょ。胸とか、お尻とか」
「あ、あれは……」
「で、どうだった?」
千紗が上目遣いで私を見上げた。
漆黒の瞳が、期待に輝いている。
「……柔らかかった」
「それだけ?」
「……気持ちよかった」
「ふふ、正直」
彼女が私の腕に抱きついてきた。
上着越しに、彼女の胸の柔らかさが伝わってくる。
控えめな膨らみが、私の腕に押し付けられている。
「結婚したら、毎日触っていいよ」
「……」
「もっといろんなところも、見せてあげる」
彼女の声が、甘く震えた。
「お風呂も一緒に入ろうね。背中、流してあげる」
「……」
「それから、毎晩、一緒に寝るの。今みたいに添い寝じゃなくて……ちゃんと、夫婦として」
私の心臓が、激しく脈打っている。
「蒼真」
「な、なんだ……」
「私ね、前世では言えなかったこと、全部言うって決めたの」
千紗が、私の目をまっすぐに見つめた。
「だから言うね」
「……ああ」
「私の体、全部、蒼真のものだよ」
──心臓が止まりそうになった。
「結婚したら、好きなだけ触っていいし、好きなだけ見ていい。キスも、それ以上のことも……全部、蒼真にあげる」
彼女の頬が、真っ赤に染まっている。
恥ずかしそうに、でも真剣な目で、私を見つめている。
「だから……早く、結婚しようね」
「……ああ」
私は彼女を抱き寄せた。
「楽しみにしてる」
「私も」
千紗が私の胸に顔を埋めた。
小さな体が、私の腕の中に収まっている。
柔らかくて、温かくて、いい匂いがする。
「蒼真、心臓すごい音」
「……さっきから、ずっとだ」
「私のせい?」
「君のせいだ」
「えへへ」
彼女が嬉しそうに笑った。
「もっとドキドキさせてあげようか?」
「勘弁してくれ……」
「じゃあ、ちょっとだけ」
千紗が私の膝の上に乗ってきた。
対面で座る形。
彼女の顔が、私の目の前にある。
私の上着を羽織っているとはいえ、その下は濡れたドレスだけ。
太腿の素肌が、私の脚に触れている。
すべすべした、柔らかい肌。
「ねえ、蒼真」
「な、なんだ……」
「好き」
彼女がまた、キスをしてきた。
柔らかい唇。甘い味。そして、彼女の体温。
私の腕の中で、小さな体が震えている。
──ああ、本当に。
早く、結婚式が来てほしい。
この我慢の日々も、あと少しで終わる。
そう思いながら、私は彼女を抱きしめ続けた。
雨が止むまで。
ずっと。
(了)
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
前世で伝えられなかった「好き」を、今世では全力で伝える。
そんな幼馴染ヒロインの甘い攻勢と、それに耐える主人公のラブコメをお届けしました。
結婚式まであと二ヶ月──果たしてクロードは無事に理性を保てるのか?
そして、二人のその後は一体どうなるのか……?
もし、続きを読んでみたいという方がいらっしゃれば、ブックマーク&評価をお願いします!
感想もお待ちしております。皆様の応援が執筆の励みになります。
また次の作品でお会いしましょう!




