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365日、すべての君に「好き」を告げよう〜17歳の高校生、女神の呪縛を乗り越え試練に挑む  作者: 明けの明星


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4か月目~第4週~合宿スタート

合宿、どうなることやら

「いい、包丁と火は使っちゃダメよ」


「お風呂入るなら、男子は最後よ」


「テント、出しておいたから組み立ててね」


「真帆、頼んだわよ」


とその日の朝、母はいつにも増してお喋りだった。


「はいはい、大丈夫だって」

と真帆が適当にあしらう。


その後も、あれやこれやと多岐にわたり指示を出しまくり、

そして、やっと、


「じゃあ、行ってくるわね」

と言い残し家を出て行った、母そして父。


高級ホテル、「ロイヤル・パレス」のスイートルームに宿泊し、ティナーはホテル内の高級イタリアン、そして、翌朝はホテル自慢のモーニングバイキングの朝食。

母にとっては夢のような時間になるはずだ。


朝から、念入りに身支度をし嬉々として出かけて行った母。

父と並んで歩く姿は、まあ、どこかの仲睦まじいい夫婦と言った感じだ。


出がけに、白猫のチャミを抱きあげ、撫でる母。


「チャミちゃん、今日はね、ママたちはお出かけなのよ。いい子にしててね」

そう声をかけながら。


「にゃご」

とチャミが喉を鳴らす。


そして、チラリと岳の顔を見た。

その目は、「どうだ」と言っているようだ。


両親が出かけてしばらく経っと頃、玄関のチャイムが鳴った。


「こんにちわ」

そう言って現れたのがその日の玲奈だ。


「あれ、一番乗り?」

そう言いながら家に上がりこむ玲奈。


「お邪魔しまーす、今日は楽しみにしてたのよ」

と玲奈。


「おい、おまえ」

と岳が声をかける。


「あのさ、おまえじゃなくて、私は妖精フィールズよ」

と玲奈が言う。

もちろん、傍に真帆がいない事を確認して、だ。


「フィールズっていうんだ」

と岳。

ちょうど、窓ガラスにその姿が映っていた。

愛くるしい容姿のフィールズ。

透けるような白い肌に、大きな青い瞳、白に近いサラサラの金髪が、背中の羽にかかっている。


「あ、おまえ」

とチャミュが近寄って来た。

敵対心むき出しだ。


「まあ、天使さんのチャミュ。今日はよろしくね。私は使命を果たすために来てるんだから、

今日くらい友好的にしてくれないかな」

とフィールズ。


「おい、使命ってのはホントなんだから、協力しろよな」

岳に言われて不機嫌そうにうなずくチャミュ。


「わあ、岳、ありがとう。そう言ってもらえるとがぜんやる気が出るわ」

とフィールズが眼をキラキラさせながら言う。


「なんだよぶりっ子しやがって」

どチャミュ。


「まあ、仲良くしてくれよ。雄太のためにも」

と岳がとりなす。


「え、あんた?」

背後で声がした、キキョウだ。

玲奈の事を見ながら、その場に「固まって」いる。


「なんで、あんたがいるのよ」

とキキョウ。


「あ、今日の玲奈、知ってるの?」

と岳が聞く、少しだけわざとらしい。


「知ってるわよ、こいつはさ、縁結びの力があるとかで誰とでもくっつけるのよ。

いい迷惑な奴よ」

とキキョウが玲奈を指さしながら言う。


「そんなことないわよ、モジモジしてる子の背中押してあげてるだけじゃない。変な言いがかりはやめてよね」

とフィールズ。


「まあ、今日のメンバーじゃあんたの力の出番はない思うけど」

そういうキキョウに、


「ほらね、彼女、ほんとに天然。全く分かってない。今日のターゲットは自分だって」

とフィールズが岳にこっそりとつぶやいた。


そんな話をしている間に、玄関に雄太が到着していた。


「遅くなりました、今日はよろしくお願いします」

礼儀正しく挨拶をして家に上がる雄太。


「これ、祖母からのお土産です」

と包みを差し出した。

どうやら、どこかの郷土土産らしい。


「あら、全員そろったのね。じゃあリビングに来て」

と真帆が声をかける。


リビングのダイニングテーブルに、人数分のプリントが用意されている。

真帆が作った

「合宿のタイムテーブル」だ。


「じゃあ、これからチーム白崎の合宿を開催いたします」

と真帆が声高らかに宣言をした。



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