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365日、すべての君に「好き」を告げよう〜17歳の高校生、女神の呪縛を乗り越え試練に挑む  作者: 明けの明星


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4か月目~第3週~「あいつ」と呼ばれた玲奈

縁結び、登場予定?

「あいつかあ」

ため息交じりに言うチャミュ。


「あいつ?」

と岳も思わず聞き返す。


「合宿」の日、どんな奴が玲奈としてやってきているのか、これは大きな関心事だ。

そして、その人材はもう決まっているようだ。

それが、あいつ、と呼ばれてしまってるやつだ。


「なんで、あいつ選んだかな」

とチャミュ。


「だから、あいつって?」

と岳が再度尋ねる。


「あー、前にも来たことがあるよ、特技がさ、縁結びなんだよ」

とチャミュ。


ー思い出した、試練が始まってまだ間もない頃、玲奈としてやって来たあいつだー


「妖精の」

と岳が言うと、


「そうだよ、僕たち天使はライバルだ」


「え、そうなの?」


「あいつら、いやな奴だ。ちょっとかわいいからってさ、贔屓されすぎだよ」


「でもさ、女神に進言したんじゃないの?合宿の日の玲奈に関しては」


「そうだよー、陰キャな男子高校生の思い出作りに協力できるタイプでってたのんだんだけどなあ」


思い出した、縁結びの玲奈。

そうだ、本来の姿は愛らしい妖精だ。


「あいつかあ」

と岳。

その表情がゆるむ。


「あ、岳、にやにやしてる。なんだよお、岳もあいつの方がいいんだ」

食って掛かるチャミュ。


「なんで、そんなに突っかかるの?」

岳は不思議でたまらない。


「そりゃあ、女神たちのお気に入りの座の取り合いをしているからね、僕たち天使と妖精は。

特に、愛情を司る妖精たちは、女神に好かれていて最大のライバルなんよ」

チャミュの説明ではそういうことだ。


「なんだよ喧嘩相手か」

と岳。


通常なら玲奈とチャミュが会うことはめったにない。

それが、長く一緒にいる可能性大なこの日に、その「あいつ」を寄こすなんて。

何か、意図でもあるのだろうか。


「あいつさあ、」

とチャミュが言いだした。


「あいつ、キキョウの背中を押すつもりだよ」

と。


「背中を押す」

そうだ、前も見た。

それで恋が始まるんだ。


「キキョウに?」

と岳。


「そうだよ、それ以外考えられない」

とチャミュは言い切る。


「いやいや、相手はキキョウだろ?そんな姑息な手が効くのか?」

と岳。

キキョウは女神になる身、妖精のそんな技が有効とは思えない。


「通常なら、キキヨウには通じない。でも、あいつは特別なんだよ。あいつの能力はすべての理をこえてしまうんだ」

とチャミュが言う。


「でもさ、よく考えて、キキョウがどんな反応をしようと、要は雄太が思い出を作れればいんじゃん、

だからさ、キキョウが恋をする必要なくない?」

と岳、岳にとってもキキョウが雄太と恋に落ちる、それは何とも複雑な心境だ。


「そりゃ、両思いの方がいいじゃん」

しかし、チャミュの思いは違うようだ。


「おい、お前がそう言ったのか?」

と岳が言うと、


「あの、あの、あの

キキョウと雄太にひと夏の恋をさせてやれる奴、って言った。

かも」

となんとも歯切れの悪い言い方をするチャミュ。


「そうか、それであいつか」

岳はそういうと、


キキョウはどこか、表情がかたくなで寂しそうなところがある。

たまに彼女が漏らすあっちの世界出の生活。普通の女の子とはかけ離れている。

それなら、


「じゃ、仕方ないな、女神公認ってことで、キキョウと雄太。いい思い出作ってやろうじゃん」

と先ほどとは変わって、いや少し渋々とではあったが岳がこう言い放った。

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