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365日、すべての君に「好き」を告げよう〜17歳の高校生、女神の呪縛を乗り越え試練に挑む  作者: 明けの明星


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4か月目~第2週~情報戦

「戦闘態勢だって?」

岳のスマホを覗きながら、皆が声をそろえて言った。


「雄太?あのオタクかあ」

とヘラ。

以前、来た時の印象だ。


「そう、あのオタク。でもさ、最近は随分と打ち解けてきたよ。

4人で誕生日祝ってもらってしね」

と岳。


「そうだよねー、愛しのキキョウちゃんのおかげかな」

とチャミュまでが言う。


「なによ、それ」

とキキョウ、不機嫌そうだ。


「そうなんだってねー、キキョウに色恋バナシなんてね」

とヘラ。


「あのさあ、私とあんた、別に知り合いとかじゃないでしょ、あっちじゃ。

踏み込んだことまで言わないでよ」

とキキョウが苛立ちながら言う。


「でも、ここでは仲良しでしょ、クラスメイトの彼女だもんね、私は」

とヘラが言うが、キキョウはしかめっ面のままだ。


「雄太はいいやつだよ、それになんたって、女神伝説のゆかりの選ばれし者だからね」

とチャミュ。


「で、戦闘態勢って、何か情報でもつかんだのか」

と岳が言うと、


「雄太には情報収集をお願いしてるのよ。

スマホに探知アプリを入れたっことにしてあるから、岳の力を狙うものをいち早く察知できるわ」

キキョウの説明に、


「それで、あいつはゲーム感覚で嬉々として情報を集めてるってわけね。

どこまで理解してるのか、わかんない奴だね。不思議君だよ」

とヘラ。


ヘラも申し送りで、雄太の情報は把握している。

この事態を知っても、動じることのない雄太、これは大物なのかそれとも鈍感なのか、


「そう言うやつなんだよ」

とキキョウはあっさりと言うが、ヘラにとっては不思議な存在、それが雄太に対する印象だった。



「それでだ、雄太からの提案なんだけど」

と岳が再びスマホを見せた。


「これは情報戦だ。いち早く敵の動きを知り先回りをする。

その為には皆の信頼関係の上の連携が不可欠だ。そのため合宿をしたいと思うのだがどうだろう」

と雄太からのメールの追記を見せた。


「まあ、まんざら間違いではないかな。情報戦ってのは」

とチャミュ。


「そうだよね、いち早く情報をつかむ、これは重要よ」

キキョウも言う。


「情報収集、それに関しては雄太の意見に賛成だわ」

ヘラも同意した。


「でもさ、なんで合宿が必要なの?」

とキキョウ。


「信頼関係だって」

とチャミュ。


「あいつに言われてもね」

と岳が言うと、


「おい、岳、少しはあいつの事を考えてやれよ。

キキョウと一緒にいられるいい機会じゃん。合宿って要はお泊りでしょ。

雄太なりに考えたんだろうね、どうすればキキョウとお泊りできるかって」

とヘラが岳に言った。


「お泊りって」

と岳。


「あらあら、私たちもお泊りしてもいいのよ。付き合ってるんだから。

今時の高校生、お泊りくらいするでしょう?」

とヘラは続ける。


「俺、お前が玲奈の日は断固として拒否する」

と岳が言うと、


「いいの?そんなネガティブなこと言って。今日の試練、まだクリアしてないんだよ。

私のいい事、ほら、探して探して、好きだよーは?」

とヘラがまくしたてるが、


「試練は試練だ、まじめに取り組む。お前じゃなくて、本物の玲奈を思えばクリアできるさ」

と岳は言うが、


「おい、玲奈」

その先が出てこない。


「ほら、動揺してるね」

とヘラがからかう。


「なんの、これしき」

とムキになる岳、しかし肝心の「好きだ」と言う言葉が言えない。

本心からそう思えないからだ。


「ほらほら、がんばれえ」

とヘラがますますおどけて言う。


「おい、楽しんでるだろう?」

岳がヘラを見ながら言うと、


「そうかも、すごい楽しいよ。困ってる岳見てるの」

とケラケラと笑いだすヘラ。


「お前ねえ、そう言うの性格悪いって言うんだよ」

と岳はそう言いながらも、


「その笑顔、いいじゃん、好きだよ」

とさらりと言った。


「あ、やだ、クリアしちゃった?

もっとじらしてやろうと思ったのに」

とヘラ。


またも満面の笑みだ。

「ここはいいよね、笑いたいときに笑えるんだもん」

そういうヘラの顔が少しだけ曇った。


「あのさ、合宿、やろうよ。うちの庭で」

と岳が言いだした。


「いい案かも」

とチャミュ。


「じゃあ、俺んちの庭でキャンプしよう」

と岳が雄太に返信した。


「私も行きたいなあ、そのキャンプ」

と寂しそうにヘラが言った。

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