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365日、すべての君に「好き」を告げよう〜17歳の高校生、女神の呪縛を乗り越え試練に挑む  作者: 明けの明星


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4か月目~第2週~翌朝

いつのまにやら、それぞれ寝落ちしていた。

バッドの上に玲奈と朝陽、ソファに萌。

床に敷かれたふかふかのラグにキキョウが寝転がっている。


外はもうお日様が照り付けており、そろそろ昼になろうとしている時間だ。

しかし、まだ皆起きる様子はない。


そんな中、ただ一人部屋を出て行く者がいた。

萌だ。


自分の部屋を出て階段を降りてキッチンへと向かう萌。

そして、冷蔵庫をあけ、食材を取り出し何かを作り始めた。

しばらくして、香ばしい匂いが漂い始めていた。


「いい匂いだね」

そう言いながらキッチンに現れたのは玲奈だった。


「おはよう。昨日夜更かししたからまだ眠たいね。でも朝ごはんはきちんとたべないと。

今作ってるから、ちょっとまっててね」

と萌が言う。


玲奈が食器を出したり、出来上がった料理をテーブルに運んだり手伝いを始めた。


しかし。


「あ、玲奈ちゃん、スプーンだけじゃなくてナイフとフォークも出してね。

あと、お皿はあっちの平らなの、出してもらえるかな」

と萌がやんわりと玲奈に指示をした。


「玲奈ちゃんはおうちのこと、やったりするの?」

と萌が聞く。

このわずかな手伝いをみても、玲奈がこういうことに慣れていないことは明らかだ。


「え、どうして?」

と玲奈。

玲奈にはその意図がわからないようだ。


「だってさ、あんまりやったことがないようだから」

と笑う萌。


「そうかも」

と玲奈が言う。

その日の玲奈、戦闘民族のヘラ。

もちろんこんなことはやったことがない。


そのうち、朝陽とキキョウも起きだしてキッチンへとやって来た。

二人とも、寝ぼけた顔をしている。


「さあ、座って。朝ごはんたべよ」

と萌が声をかける。


ダイニングテーブルには、こんがり焼いたトーストやベーコンが添えられたスクランブルエッグ、

サラダにヨーグルト、そしてオレンジジュースと温かい紅茶が並んでいる。


「すごーい、萌。

いいお嫁さんになれそうだねえ」

感心しながら朝陽が言う。


「お嫁さんって、ていつの時代よ」

と萌は笑う。


「いつも、萌ちゃんが作ってるの?」

キキョウが聞くと、


「いつもはママだよ。お手伝いはするけど。でも私もお料理大好きで、

ママに頼んで作らせてもらうときもあるんだよ」

と萌。


昨夜、遅くまでおやつを食べていたにもかかわらず、皆の食欲は良好でお皿の料理は

からっぽになっていった。


朝食を終えると、もうお昼に近い時間だ。

キッチンの後片付けを申し出たキキョウだったが、萌がやんわりと断った。


「もうすぐパパとママが帰ってくるから」

と。

どうやら、それより前に帰った方がよさそうだ。


身支度を整え、萌の家を後にする3人。

萌が玄関先まで見送ってくれた。


最寄り駅で、違う路線の電車に乗る朝陽と別れ、キキョウと玲奈が二人で同じ方向に電車を待つことに。


「駅まで、岳が来ているそうよ」

とキキョウ。


「え、それをなんでキキョウに伝えるの?

私に言うのが先でしょ」

と玲奈。


「まあ、そうなんだろうけど。あんたには重要な役目がまだ残ってるしね」

その日の試練をまだクリアしていない。


駅に着き、改札口を出ると宣言通り、岳が待っていた。

背中には猫用キャリーバッグ。


「あらら、あいつまで来てるわよ」

そのキャリーのなかから、白猫になっているチャミュの姿をみて玲奈が言う。


「ああ、おかえり。楽しかったの?」

と岳。

いつもと様子は変わらない。


3人で歩きながら、駅近くの公園に行った。

雑草が生い茂り、遊具はさび付いている誰も遊んでいる子供はいない。


キャリーから出してもらった白猫チャミが、するりと妖精のチャミュになる。

そして、


「ねえ、説明して」

と語気を強めて、キキョウと玲奈に言った。




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