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365日、すべての君に「好き」を告げよう〜17歳の高校生、女神の呪縛を乗り越え試練に挑む  作者: 明けの明星


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4か月目~第2週~騒ぎとおしゃべり

深夜のレイラタウンで、男たちが突然倒れ、数名が意識不明となっている。

スマホにそんなニュースが流れて来た。


「え、私たち、さっきまでいたところじゃない」

と朝陽。


萌が部屋のテレビをつける。

深夜だがニュース番組をやっていた。


ちょうど、その件について現場からの中継をやっている。

「これって、さっきの人たちだよね」

と萌がテレビの画面を見ながら言った。


画面には、さきほど絡んできた男たちが救急車で搬送されていく様子が映し出されていた。

そのほとんどが、ピクリとも動く様子もない。


ニュースでは目撃者だと言う通りすがりの通行人が、

「数人の男性同士が、女の子をめぐって口論となりもみ合っている間に次々と倒れていった」

と証言していた。


「その女の子って私たちのこと?」

と朝陽。


「でもさ、あの時のことは頭がぼーっててよく覚えてないけど、

玲奈ちゃんがなんか言ってなかったっただけで、小競り合いなんかしてないよね?」

と朝陽が続けた。


「わ、私たちは関係ないよね、それにみんな回復してもう帰宅している、ってニュースで言ってたし、

私たちが、その女の子だったとしても、もめたのは私たちが帰った後なんじゃないの?」

とキキョウ。


「そ、そうだよ。私はもう帰るから、って言ってあいつらをかき分けながら、

萌と朝陽を連れ出したんだから」

玲奈も言う。


「だよね、私たち、関係ないよね」

と萌が言うと、朝陽も同意するようにうなずいた。


「まあ、あの子たちは無関係ってことで大丈夫よ」

と玲奈がキキョウにささやく。


「でもね、私たちは」

玲奈がそう言ったところで、


「ばっちし、怒られるってことね」

とキキョウがこっそりスマホを見せた。


チャミュからの「連絡」が山のように送信されていた。


「今回の事態について」

という題名で。


「あんたが来るから」

そういうキキョウに、


「仕方ないじゃん万一の時のために戦闘能力だけで選ぶ方が悪いんだよ」

と玲奈。


その日の玲奈、戦闘民族だ。

戦うこと、これに特化し、日々、戦うことだけに明け暮れる生活を送っているのだ。


「私だって、本当はこんふうに、友達とおしゃべりしたりしたいんだよ」

とポツリ言う玲奈に、


「気を付けて、そんなこと言ってるのが聞かれたら、あんた生涯幽閉されるよ、

異端者として」

とキキョウ。


「お互い、苦労の多い人生だよね」

とポツリ言うキキョウ。


「一緒にされても困るけどね」

と玲奈が言うが、その言葉はあえて聞こえないように小さな声で言った。


「私もだよ」

とキキョウが言う。

これは、友達とのおしゃべりが楽しい、という玲奈の言葉への返事だ。




「だから、できるときは、楽しみたい」

と続けるキキョウ。


「あんたがそんなこと言うなんてね」

と玲奈は内心思ったが、萌と朝陽に囲まれて楽し気なキキョウの姿に、

その言葉を飲み込んだ。


レイラタウンでの騒動のことは、その後話題になることもなく4人の女の子たちは、

ただただ、たくさんの話をした。たわいもないお喋りがいつまでも続いた。


いつの間にか、一人、また一人、眠りについていった。

最後まで起きていたキキョウは、


「ほんとに楽しいね。いい思い出ができたよ」

と一人つぶやく。

そのキキョウが、ようやくウツラウツラとし始めたころには、もう空が白み始めていた


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