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365日、すべての君に「好き」を告げよう〜17歳の高校生、女神の呪縛を乗り越え試練に挑む  作者: 明けの明星


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4か月目~第2週~女子会のスタート

お泊り会のスタートです。

萌の家でのお泊り会の日、

朝早くから、自宅の庭にいるその日の玲奈、ブルー・ヴェスタ。


その日の朝はあいにくの小雨だったが、大型犬の散歩に天候は関係ない。

ウインドブレーカーを着た岳がセバスチャンを連れてやって来た。

いつも通りだ。


「岳、久しぶり」

とブルー・ヴェスタ。


「キキョウの言う通り、今日はお前か。今夜、萌の家に泊まるんだって?」

と岳が開口一番に言う。


「そうだよー、楽しみ」


「まあ、楽しむのはいいんだけど、日付変わるとお前じゃなくなるよな、それは大丈夫なの?」

と岳。


その日の「玲奈」は深夜0時に入れ替わる。今日の夜は萌の家で交代、ということになる。

はじめてのことだ。


「その辺はぬかりないよ。2日連続でいさせてほしいって頼んだんだけど、それは試練の意に反するとかで却下されちゃった。でもね明日の玲奈にはちゃんと伝達してるから大丈夫よ」

とブルー。


前にブルー・ヴェスタと会った時の印象は、

しっかり者の優等生、と言う感じだった。

まあ、心配ないだろう。

と岳は思う。


「岳たちも来ればいいのに。なんで誘わないんだろうね、萌は」

と言うブルー・ヴェスタに、


「あのね、女子と男子が一緒にお泊りとか、ダメなの。高校生なんだから」

と岳。


「へえーそうなんだ。私もさ、こっちの世界のいろんな常識、常に学習してるんだけど

私が習得して知識では、高校生男女のお泊りデートの実態とか、男女高校生のお泊り事情とか、

楽しそうな案件、多かったんだけどな」

とブルーは得意げに言う。


「どんな資料を見てんだよ」

と岳が言う。


「とにかく、俺と玲奈は付き合っている、これは事実だ。

でも、むやみにお泊りしたりするような、えっと、そんな感じじゃない。

これは認識しておいてくれ」

と歯切れの悪い岳だ。


「まあ、萌ちゃんの家に男女混合がお泊りはないかな。気絶しちゃうよ、あの子。

まあ、女子トークってやらを楽しんでくるよ」

と言うブルー・ヴェスタの目は輝いている、とても「楽しそう」だ。


その顔を見た岳、

そう言えば、キキョウが言ってたな。


「私たちって、そういうお楽しみ、ってやったことがないのよね」

と。



その日の午後、萌の家にキキョウ、朝陽、玲奈が集まった。

それぞれ、お菓子や飲み物、その日の食事などを持参して。


「いらっしゃいー」

とうれしそうに出迎える萌。

さあ、女子会のスタートだ。


萌の自宅は、玲奈やキキョウの自宅とは違う路線の電車に乗って行ったところにある。

閑静な住宅街にある西洋風な一軒家だ。


「相変わらずきれいだよね、萌の家」

と朝陽が玄関を入りながら言う。彼女は何度かここに来ているようだ。


「だってママがいつもおうちにいて家の中みんなピカピカにお掃除してるのよ」

と萌。


「で、今日はパパとおデイトってわけね、仲いいよね、萌の両親」

そう言う朝陽に、


「そうなのよ、今日は温泉だって。

私を一人にするのが心配だって、家政婦さん雇おうかって言われたんだけど、

お友達に来てもらうって断ったのよ」

と萌が言う。


「萌ちゃん、お嬢さまなんだね」

と口を挟む玲奈。


「お嬢さまじゃないよ、一人っ子だしパパとママが心配症なだけだよ」


「でも、旅行には一緒に行かないんだね。一人残すのが心配なんでしょ?」

とキキョウ。

その言葉に、少し動揺がみえる萌。


「私、乗り物酔いが酷いから、行きたくなくて」

と萌が小さい声で言う。

乗り物酔い、は言い訳なのだろう、しかし置いて行かれた、とは思いたくない、それが本音のようだ。


「ご両親は、お二人の時間も大切にして、萌ちゃんも大切にする。

いいご両親ね」

と玲奈がいうと、萌も周囲も安堵したようにうなずいた。


「もう、空気読みなさいよ」

と玲奈=ブルー・ヴェスタがキキョウを肘でこずきながら言った。


萌の家の、リビングでお菓子を広げお喋りを始める女子4人。

リビングには、毛足の長いふかふかのラグが敷かれており、そこにガラスのローテーブル、

壁には大型のテレビモニターが付いている。


作り付けの飾り戸棚には、きれいな調度品が並べられており、キッチンカウンターに置かれている

生花と共に、リビングを彩っていた。


「居心地いいよね、萌の家」

と朝陽が言う。


キキョウとブルー・ヴェスタも、この家の暖かい雰囲気を感じていた、

自分たちが味わったことのない、安心できる空間だ。


4人はそれぞれ、好きな恰好でくつろいでいた。

キキョウはテーブルに肘をついて座り、玲奈は寝転がっていた。


「今日のキキョウちゃん、なんか目がトロンとしてるよ、もう眠いの?」

と萌が言う。


そういえば、いつもの張り詰めたような緊張感がない、この世界でもあっちの世界(ファンタジーワールド)でも、いつも少しの異変も見逃さないように、警戒しながら周囲を見ていたのだ。

それが、今は全くそんなことがない。


「そうかな、眠くはないよ、まだまだみんなと話したいし」

とキキョウ。


「ねえ、せっかくだから」

しばらく、お喋りが続いた後、急に朝陽が言った。


「ねえ、レイラタウンに行かない?」

と。



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