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365日、すべての君に「好き」を告げよう〜17歳の高校生、女神の呪縛を乗り越え試練に挑む  作者: 明けの明星


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4か月目~第1週~敵

敵襲、どうする岳?

「チャミュ?」

岳の部屋に姿がない。


隠れているのか?

声をかけるが返事はない。


いつもなら、毎晩この部屋で眠るチャミュ。

たまにリビングで母や真帆に捕まっているが、隙を見て岳の部屋に入り込む、これが日常と化していた。


日が変わる直前に来た、玲奈からのメールも気になる。


「何か起きているのか」


外に様子を見に行きたい衝動に駆られる岳。

しかし、家には両親も姉の真帆もいる、そして庭には犬のセバスチャン。

誰にも知られずに、家から出るのは難しそうだ。


仕方なく、スマホを握る岳。

そしてキキョウにメールを送る。

チャミュの姿が見えない事、玲奈から意味深なメールが来たことを伝えた。


しかし、そのメールには反応がない。

普段なら、「眠っているんだろう」くらいにしか思わないが、その日は何故が胸騒ぎがする。

何かが起きている、そう直感していた。


カーテンの隙間から外を見るが、特に変わった様子はない。

庭のセバスチャンも静かだ。

しかし、岳はこの変にソワソワする感覚に違和感しか感じない。


その時、

ピロン、とスマホからメールの着信を知らせる音がした。

見ると、キキョウからの返信だ。


「いまさ、とりこみちう」

と一言。


なんだこれは。

意味が分からん。

考え込む岳。

が、何かが起きている、これは確信へと変わった。


しばらくして、再びスマホに着信音が。


「ごめんねー、取り込んでてさ。今、チャミュと一緒に応戦中なのよ。外みて」

とキキョウからだ。


部屋の窓を開け、身を乗り出し外を凝視する。

が、やはり辺りは深夜の静けさで、街灯のあかりだけが周囲を照らしている。


いや、よく見ると。

小さな光が動いている。

岳の目が暗闇に慣れたせいか、その小さな光がいくつもあることに気が付いた。


そして、静寂を破るように、

「ミャアーー」

と猫の鳴き声が響いた。

数匹の猫が争うような叫び声だ。


バタバタと動物の走るがしたと思うと、

「ミャア」という名季語wが遠ざかる。

岳の目に、黒い影が走り去って行くのが見えた。


と、同時に部屋の窓、ちょうど岳が外を覗いていたその窓に、何かが飛び込んできた。

黒い球体だ。

その球体を追うように、白猫チャミが窓から入って来た。


「あーびっくりした」

そう言いながら天使のチャミュに戻る。


「それはこっちのセリフだ」

と岳。


「何が起きたんだ?」

とチャミュに問い詰める岳。


すると、

「我が話そう」

と黒い球体から声がした。


「お前は、イレジウム?」

と岳。

そこにいた黒球体、それはキキョウの使い魔のイレジウムだ。


「おお、そうだ。キキョウ殿の意のままにこれとともにあらん」

とチャミュを見ながら言うイレジウム。


実際、イレジウムは球体であり「目」は存在しないのだが、そのものの言い方で、

何故かそう感じられてしまう、そんな威力があった。


「そっか、でもな、お前、普通に喋れないの?」

と岳。

イレジウムのその話し方はどこか、堅苦しくまるで「時代劇」だ。


「そんなこと言っても、イレだってここの言葉は学習しつつ話してるんだからさ。

大目に見てやってよ、わかりにくいところは僕が通訳するから」

とチャミュが言うと、


「かたじけない」

すかさず、イレジウムが言った。


「で、ここにはキキョウは来ていないんだね?」

そう言う岳に、


「ここはイレに任せて、キキョウ本人は家にいるよ。

彼女の得意技だよ、遠隔操作は」


チャミュが言うには、「異変」を感じたキキョウがイレジウムを偵察に行かせた、

そして同じく異変を察し、外に出ていたチャミュと落ち合った、ということらしい。


「で、その異変って何?」

との岳の問いに、


「だよね、それ知りたいよね」

とチャミュ。


チャミュは次の言葉を出すのを躊躇っているようだ。

それを見たイレジウムが、


「お前を狙う者が現れた」

とはっきりと伝えた。

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