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答え
第六話
その騒動の後、俺達はまた別の草むらで、深い眠りについていた。俺はりんが風邪を引かないように、布団代わりになって上にかぶさって寝てやった。りんが寝返りを打つと、俺はあっけなく落とされた。
目が覚めると、りんがいない。慌てて草むらを出ると、いた。安心したのもつかの間、なんとそこにはあの巨鳥がいるではないか。俺はまた慣れない戦闘態勢に入ったが、りんはそれを止めた。
「この子は―私が飼ってた鳥なの。」
はへぇー。見ると意味がわからないくらい大人しく懐いていた。
「ねぇ。」
とりんは続ける。
「どうしてじいさんは―」
「私を助けてくれたの?」
うっ。一番聞かれたくない質問だ。ただ、気付いたら…なんてのは格好悪い。悪すぎる。
「人助けに、理由なんているのかよ。」
俺は最も格好悪い答えをひねり出した。りんと巨鳥は顔を見合わせる。
「ねぇ。じいさん。私の両親はね―」
そう言うとりんは着ていたワンピースを脱ぎだした。お、おい。という暇もなく、俺は信じられない光景を目にした。
「私の両親は私を見捨てたの。」
全身、なんとも言えない色のアザでいっぱいであった。
続く