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生贄
第四話
どれくらい経ったろう。俺は目を覚ました。そこには三匹の俺の三倍くらいの大きさの猫。
「よぉ新入り。」
俺は恐怖に支配され、声が出ない。
「野郎ども、今日は宴だ!生贄もいることだしなぁ!」
生贄―俺のことか。だがその予想ははずれだった。
その声とともに猫が大勢集まり、しばらく宴は続いた。
俺はその様子を二匹の猫に監視されながら見守った。だがやがてその二匹も宴に参加しだしたので、俺は逃げるチャンスができ、その場を離れると、
「生贄の登場だぁ!」
という声が聞こえる。ん?そういえば俺じゃなかったのか。じゃあ誰なんだ?まさか―
引き返して見に行かざるを得なかった。
そのまさかはあたりだった。
そこには鎖で繋がれた少女の姿があった。
りん―だが俺は今、逃げなくてはならない。得体のしれない少女より、自分のほうが心配だ。猫たちはりんにタックルを仕掛け始めた。
「やめて!」
彼女の叫び声。お前、俺達と話すのかと言わんばかりに激しさを増す攻撃。俺は何が何だか分からず、逃げ出そうとしたその時―
俺の体の30倍くらいの巨大な鳥が森を襲った。
続く