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目覚め
第二話
「何なんだ貴様!俺様と会話できるのか?」
もう一度意思疎通を図るが、少女は寝てしまった。俺は呆気にとられた。だが同時に、守ってやらなければいけないと、本能で察した。聞きたいこともたくさんある。俺はとりあえず近づいてきた警察官は威嚇し、
「ごめんね〜」
とか言うアホな声を聞いた。そうして一夜を過ごした。
朝になると少女は目覚めた。俺は一睡もしていない。俺を見るやいなや、
「わっ!」
と驚いた。こっちのセリフだよ。
「あなた、名前は?」
と聞いてくる。
「ない。」
そう答えると彼女はそっかーと相槌を打った。やはり少女は俺様と会話できるらしい。
「貴様の名は」
と聞くと少し考えて、
「りん」
と答えた。りん、か。いい名前じゃないか。と褒めると嬉しそうな顔をしていた。
人間と会話するという初めての経験。彼女にとっては日常なのだろうか。それも気になるが…
「えっと、りん、一つ聞いていいか?」
「なぁに?自尊心の猫さん?」
「ご両親は…」
その瞬間、俺は初めて気まずいという言葉を感覚した。
第一章 完