篝火が灯るのは3日だけ
2年くらい眠ってたのでそのまま見れるようにしました!
面白くはないけど見せてと言われたいうことで見せます!
"死"とは何か
一度は誰もが抱えたことの在る疑問
その後がどうなるのか全く知る由もない
だから、人間は「天国」や「地獄」などという"世界"を作り出した
でも、もしも自分が、私が、僕が
___いつ死を迎えるか分かるとしたら
あなたなら何を望みますか
ー2019年7月2日ー
「あ、暑いぃ〜」
新しい制服に袖を通して早3ヶ月
梅雨が開け、本格的に夏が始まった
そんな、今迄と何も変わらない日
の、はずだった
「ゴホッ、ゴホッ__」
咳が止まらない
こんな季節の中、長袖を着ている筈なのにも関わらず寒気がする
「ゴホッ、ケホッ__」
誰もいない部屋に響く自信の咳が狭い一室の中で木霊する
「ゴホッ、ゴホッ__」
とてつもない頭痛が時折意識を揺らす
それに連られて揺らぐ視界に吐き気を覚える
「ゴホッ、ゴフッ__」
思わず吐きそうになり、口を手で抑える
「ゴフッ、ゴフッ、ゴフゥッ」
手がやけに生微温く(なまぬる)、変に嫌な感触に包まれる
少し吐き気が収まり、抑えていた手に視線をやった
映ったのは赤黒い手だった
その後も咳と吐血を繰り返し、私はそのまま意識を失った
ー ー
目を開けて最初に入ってきたのは真っ暗な世界を彩る一面の紅色
「彼岸花?確か花言葉は...情熱、独立、再会、諦めだけど紅色となると悲しい思い出とか思うはあなたひとり、また会う日を楽しみにだったかな」
どれが今の状況に合うかというと独立かまた会う日を"楽しみ"にかなと呑気に心の中で吐き捨てる
只管紅海を歩き続ける
紅と黒、それ以外の色は無い
「まるで私の人生の色、だね...」
口遊んだ言葉は誰にも拾われることなく、私は歩を進め続ける
どれだけ歩いただろうか
一向に変わらない景色に苛立つ
ずっと歩き続けて、もう足も限界に近い
やっと暗闇の中に新しい色が見えた
「白い光、もう歩かなくていいんだ...」
不安や恐怖よりも先にあるかなくても良いという喜びが押し寄せる
そんな思いを胸に最後の力を振り絞る
「あれ?ここだけ、どうして白いんだろう」
着いたと同時に先程まで歩いてきた筈の場所は見当たらず、紅と黒の世界が白一色の世界に変わった
そこには何もなく、ただただ立ち尽くす
その数秒後
光に吸い込まれるような感覚と伴に、過去の記憶が目の前に蘇る
「これが走馬灯か〜」
そんな呑気な言葉が口から自然と溢れる
が、本当は
「もう少しだけ生きてたかったな...」
お世辞にも良い人生ではなかったし、学校でもいじめられていた
親は疾うの昔に事故で亡くなっていて、兄弟もいない私は一人暮らし
たった一人の友達も別々の高校になり、連絡すらも来なくなったため、禄にいない
特段裕福でもなければ、彼氏のような恋愛対象もいない
なら、何故、私はそう思ったのか
答えは簡単だ
「今、死んだらお姉さんの手料理を食べれなくなるぅ...」
これは一大事なんてものじゃない
死活問題...、死ぬか生きるかじゃないから死々問題
普通に死ぬか死んでから死ぬかという問題だ
今、何故私がお姉さんの手料理を食べれるんだ?って思ったやつ!
炙り出して干すからな!
私は君たちと違って下心がない、寧ろ、下心しかn...ゲフンゲフン、つまり、そういうことだ!!!(何が?)
「...脱線しすぎた」
話を戻そう
そう、私は未成年で身寄りがないか弱い高校一年生の女の子である
が、その代わりに、近所に住むお姉さんが数日に一度お手伝いに来てくれる
彼女は私が幼い頃、独りで公園で遊んでいた際に話しかけて遊んでくれたのだ
そこから、両親が亡くなって私は何時しかお姉さん無しでは生きていけないダメ人間にされてしまったのだ
私がダメなんじゃなくてお姉さんがダメ人間製造機過ぎるのがいけないんだからね?
そんな彼女は大抵の家事を卒なく熟すのだが、唯一苦手とする家事があった
それが料理だった
そのため、練習して上手く作れるようになったら食べさせてくれるという約束をした
そして、それが今日から3日後の約束のはずであった
「私がお姉さんの初めてをもらうんだぁ!!!」
初めての手料理の相手は一生私だ
それだけは絶対に譲れないし異論は認めない
「あと3日だけでいいから生きれたら...」
そう呟いて私は目を閉じる
次に目を開くと光が一層強くなり、また視界が黒に染まった
ー2022年7月3日ー
ピー ピー ピー
現実ではあまり聞き慣れない機械音が聞こえ、ゆっくりと瞼を開く
何度か瞬きをして、漸く視界が安定する
「知らない天丼,,,じゃなくて天井」
寝起きのようなまだ回らない頭は気にせずに辺りを見回す
そして、最初に目に入ったのは一人の女性であった
私の手を握り、スー スーと安定したリズムで寝息をたて寝ている
「結婚したい...」
思わず口に出してしまった
「ん”っん〜」
どうやら起こしてしまったらしい
「オハヨウゴザイマス、アナタハワタシノオンナデス」
緊張と欲望が混ざりあった結果、とんでもないことを言ってしまった
「えっ、あっ、起きるの、遅すぎ、だよ...」グスン
と心配するような声音で言われる
「取り敢えずナースコール押すね」
どうやらここは病院らしい
あれ?病院ってことは生きてるってことだけどここに連れてこれる可能性があるのは私の知る限りお姉さん以外は存在しない
つまり、目の前にいる美女はお姉さんってことになる
「お、お姉さん?」
違うかもしれないという恐怖から震えが止まらない
「そうだよ、私はあなたの、篝のお姉さんだよ」
そう言いながら優しく抱き締めてくれる
少しして放してくれた
コンッ コンッ コンッ
入ってきたのは白衣姿の女性
「垂水さん、あなたはあと今日を入れて3日しか生きられません」
恐らく私は今笑っているだろう
だって、私は
__3日生きればお姉さんの手料理を食べれるのだから
「先生、私は何となく知ってたので」
だって、さっき見渡した時に視界の右下に書いてたんだから
___残り時間:2日13:26
って
「家に帰ってもいいですよね?」とだけ聞き、承諾を得てお姉さんと我が家へ向かう
ー垂水家到着ー
早い?
まぁ、小説だし?車の移動なんて需要無いでしょ?っていうメタ発言を言ってメタ発言はやめたほうがいいよっていう乗りが見れるとでも思った?
移動シーンがない理由はなぁ!私がお姉さんとイチャイチャしてその思い出を独り占めしたいからだよ!
どう?クリぼっちだったりカレカノいない歴=年齢な君たちには嘸羨ましいことだろう
家の中に入り、リビングへ行く
後ろでドアを閉めるお姉さんの方を向き
「お姉さん大好き」と言いながら抱き着く
もし、家族が増えるなら誰が欲しいかという質問を小学生の頃にされたことがある
その質問をされる度に姉が欲しいと答えてきた
あまり記憶はないが、両親が家を空けることが多かった
そのため、趣味の合う同性であり、甘えられる年上という部分から姉を欲しがった
しかし、私が生まれている時点でそれは叶うことのない妄想となってしまった
だから、お姉さんという存在は私にとってとても大きな存在となっている
「取り敢えず、お昼ごはん食べようね?」
その言葉に私は
「うん、でも、今日はコンビニ弁当にする」
3日後にお姉さんの手料理を食べる約束だ
もちろん、家に帰ってくる途中で買ったものだ
それを机に並べる
「いただきまーす!」
お姉さんは先に食べていたようで自分の家へ荷物だけ取りに行った
この家が静寂に包まれて数分が経っただろうか
「えっ...」
私はある事に気がついてしまった
「私、3年も寝てたの?!?!?!」
そう、1日だけだと思っていた時間は3年という365倍の更に3倍という時間であった
気づいたきっかけはご飯を口へ運びながらSNSを投稿し、他の人の投稿を見ていたときだった
最初はそれこそ違和感だけだったが"2022年"というところに目が行き、自分の投稿を見返す
先程投稿したものが2022年だというのに、その一つ前の投稿は2019年と書かれていたのだ
「ただいま〜」
どうやらお姉さんも帰ってきたようだ
詳しい話を聞こうと思い、声をかける
「お姉さん、私って3年間も寝てたの?」
恐る恐る聞くと
「...そうだよ、3年間ずっと寝てたんだよ...」
悲しそうな顔で言われ、息が詰まる
だが、それよりも気になってしまったのだ
「3日後に手料理作ってくれるって言ってたのはお、覚えてる...?」
私の頭の中にはそれ以外の問題はどうでもいいというようなほど浮かんでは来なかった
お姉さんの顔をそっと見上げた
すると、
「覚えてるよ、3年後の3日後にはなるけど7月6日作るから楽しみにしててね?」
如何にもお姉さん頑張っちゃうと言いたげな顔でこちらを見つめながら腰に手を当て、胸を張っている
「やったー!!!」
今だけは子供と言われてもいいくらいにははしゃいでしまう私はおかしいのだろうか
ただ、7月6日という日付に何故そうまでして拘るのかと思う人もいるだろう
この日は私こと垂水篝の誕生日である
敢えてこの日を選んだお姉さんは策士だろう
誕生日だから好きなものだけを作ってくれるという典型的なメニューを選ぶだけで私は満足してしまう
つまり、練習する料理のレパートリーをそれだけ絞れるということだ
みんな私の好きな食べ物のこと気になるよね?
気にならないって思ったやつは取り敢えず気になるって思うまで一番最初から読み直しだー!
コホン、私の好きな食べ物はオムライス、ハンバーグ、ショートケーキだ
後々はお姉さんの手料理が追加される予定だけどねぇ!
あれ?味がわかんない?
皆は食べたこと無いもんね?ごめんねぇ〜?
「かがり〜、おーい」
お姉さんに呼ばれて戻ってきた
「ハッ、私としたことがマウントを取るのに必死で気付かなかったか...」
いつもとは違い、真剣な顔つきでお姉さんは話し始める
「かがりは余命あと3日なんだよね?何かしたいことない?
本当はもっと一緒にいて、生きて幸せになってほしかったけど...、暗い話でごめんね」
私はそれを黙って聞いていられるほど大人じゃないのだ
声こそ出てはいないが涙が止まらない
自分のことをこれ程想ってくれていると解った瞬間から涙腺は仕事する間もなく崩壊した
「ううん、謝らないで」
一つ一つの言葉を噛み締めながら
「私はお姉さんがそう想ってくれてるだけで嬉しいよ...]
本当の気持ちを
「私もお姉さんとずっと一緒にいたいし、生きてたいよ...」
あなたにだけ伝えたい
「でも、これだけは変わらないから、せめて最後までずっと一緒にい”でぼじい”...」
最後の方は声にならない声ではあったが何とか言い切ることができた
伝わっただろうか、どうせ死ぬのだからと捨てられないだろうかと不安な気持ちが募る
でも、一切そんな必要はなく
ただ
__静かに抱き締められていた
お姉さんの目には涙が溢れていた
そして、私に言葉じゃない何かを確かに与えてくれる温もり
2人泣き止むまで1時間くらいかかり、またいつもの笑顔に戻った
「お姉さん、明日デートしたい...」
子供が母親に我儘を言うような口調で言う
それに対して、子供をあやすように
「デート行こうねぇ〜」とだけ言い、これからの過ごし方について話した
それから色々とあり、時間は過ぎていき、夕食にお風呂など寝るために準備をした私はすぐに寝てしまった
ーー
続き書くかわからないけど待ってたら出るかも?です