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大夕張のこと  作者: うた
2/7

2.あたしンち

わくわく炭住生活

うちは三菱大夕張炭鉱の社宅、炭住って言ってたけど、に住んでた。


夕張市鹿島千年町桜荘2。

木造二階建ての長屋だった。


玄関は引き戸で、ゴールデンカムイの門倉が看守時代に住んでた官舎の玄関みたいだった。外からかける鍵はあったけど、中からは細長い板でつっぺかってたよ。


防犯とは。



玄関はわりと広くて2畳くらいはあった。左から入って右に下駄箱と自転車が置いてあった。

上り口が高くて30センチくらいあったかもしれない。こどもには上がるのが大変だった。


左が廊下で右が階段。


廊下をまっすぐ行くと左側に台所と居間で、右側の階段下をくぐって奥がトイレで、階段下に物を置いてた。焼酎入ってたポリタンに山葡萄の汁が入ったのとか。


廊下と台所と居間は障子で仕切られてた。

壁はベニヤ板で隣のおじさんのくしゃみとか聞こえるくらい薄っぺらくて風通しの良い家だった。冬になる前に窓の外からビニールを細長い板で押さえて釘を打ち付けてた。社宅なのに。


台所の奥に作り付けの食器棚みたいのと物置兼石炭庫があった。

暖房が石炭ストーブだったからね。

秋になると家の前に石炭1トン?とか置いてかれて、石炭庫に移すと言う作業がある。

下手に中学生とかだったら絶対自分の仕事になってたから、こどもで良かった。


それで炊事はプロパンガス。

ガス台の下にボンベ置いてた。

もちろん室内よ。

焼き魚の時は玄関前で七厘に火を起こして焼いたりもした。


あと卓袱台の真ん中に穴が開いたのがあって、その穴に七厘入れて鍋したな。冬は。

隙間風ひゅーひゅー住宅ならではのグルメ。



一酸化炭素中毒なんて考えてないもん。





火事にでもなったら凄い勢いで燃えそうな家だね。





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