積算温度とデジタルアメダスアプリ
地元紙に気象庁がリリースしたデジタルアメダスを利用するアプリの記事が乗っていたので、早速入れてみた。
デジタルアメダスはアメダス観測点(道内は226地点)データに気象衛星やレーダーのデータを重ねて1キロメッシュで気象情報や予報を表示するもので、ここまでであればWeathernewsのアプリが既にやっていたように思う。
デジタルアメダスアプリの特徴は、日照時間や気温の積算値を確認できるところである。気温の積算値(積算温度)なんて何に使うんだ?となるが、これがこのアプリを北海道先行リリースした理由でもある。
植物の生育や結実にはいろいろな気象条件が関係するが、稲を含むいくつかの作物では、開花してから実が成熟するまでの1日の平均気温を毎日足して求める「積算温度」が重要に指標となる。水稲の場合は1000度とされている(生産地や品種によって若干の違いがある)。
今までは(というかこれからもだが)農家は経験則で、また営農指導で気温や他の気象条件を記録し、生育状況を推定していたが、このデータをアプリで確認できるようになった。
ただ、プロの農家なら当然行っていることなのでアプリの必要性は低いかもしれないが、「家庭菜園でスイカを作っています」なんて場合には必要な情報かもしれないし、プロでも田んぼが何箇所にも分かれている、とか、隣町の10キロ20キロ離れた所に離れている、なんて場合、第二種兼業農家で田んぼの様子を見回るのも時間が取れない、なんて場合には役立つかもしれない。
積算温度は農業だけのものと思っていたのだが、ググった時に「積算温度 コンクリート」というのが出てきて「ん?」となった。が、コンクリートか固まるのは化学反応で温度も当然関係するし、固まる経過でコンクリの強度に関係するから、デジタルアメダスのデータもコンクリ施工現場で有用なのかもしれない。
経験知をITでサポートする話でした。