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折れんなよな

作者: XI

*****


 良く出来た作家様、あるいは気の利いた作品に突き当たってしまうと、どうしても対抗心を燃やしたり、いっぽうでへこんだり……いろいろだと思います。


 私は他者様に嫉妬を覚えることがとても多いです。隠してもしょうがないことなので、その旨、きちんと前もって提示しておきます。


 どうあれ投稿という活動を気長に継続するには、それなりにパワーが要ります。たとえばポイント重視になってしまうと、それが得られないとなると、執筆するにあたり必死になってしまい、その行為自体が苦しくなってしまう――ということを、とりわけ大きな声で、すなわち謳いたいわけです。


 必死さは良いです。あっていい。否定するようなことではありません。諸々あって、ある種、神格化される書き手様がいても、それは成り行きあっての帰結です。力量的に人格的にめちゃくちゃ持ち上げられていいヒトはいるし、そこに意味がないとは言いません――ですが、誰しも同じニンゲンです。必要以上に羨むことはそれこそつらさに繋がりかねない。自らにとってマイナス因子として働くのであれば、そういった感情はとっととパージしたほうがいい――難しいことなのですけれどね。


 何を述べたいのかというと――。


 評価が得られないからといって、筆を折ってしまうことはもったいないかもしれないということです。きっとね? というかやっぱり、多少飛躍した物言いですけれど、自身が描いた物語がペーパーメディアにされたら、それはみんな嬉しいと思うんだ。


 流行りは流行りだからこそ強いわけですが、といいますか、「白い結婚」っていったいなんだ? と思ったりもする昨今ではありますが、特に「異世界の恋愛モノ」に軸足を置いてがんばる作家様は、めちゃくちゃ評価されて良いのだと思います。評価されるべきなのだとも考えます。市場の流れを追うのはあたりまえです。書きたいものが時勢に則していれば、それほど幸せなことはありません。量産は質の低下に繋がりかねませんが、ニーズそのものはあるのですから、彼らを馬鹿にすることはできません――と、偏った見方を述べてみた。供給過多による質の低下――極論です。そのへん、じつはそうでもないと考えています。「異世界の恋愛モノ」にあって上位層とでも呼ぶべき方々のご作品は、ほんとうに上手です。飽和状態だからこそ目立つのだろうとも思います。ほんと、「人気あるからウザっ、敬遠してやろう」などという感情は、学びの場を自ら放棄しているに相違ありません。私はそう思います。


 到底、流行りにのっかることができない作品を残す作家様は少なからずいて、「長いタイトル」をうまく考えられないヒトも一定数いて、私もその一員なのですけれど、所詮この世は弱肉強食、ネームバリューは絶対だし、それがあればのし上がれる方も、あるいはいらっしゃるのだと思います。どの小説投稿サイトにおいても「読み合い」なる悲しきファクターは重要視されているように感ぜられます。他者の作品を評価すれば、自身の作品へのキックバックに繋がる――あたりまえのことなのかもしれませんけれど、そういった文化はちょっとつまらなく思えてしょうがありません。読んであげたから読んでもらえた。それはバズるきっかけになるのでしょう。バズれば飛び跳ねたくなるくらい嬉しいはずです。バズったことがないからそう言えます――なんてね。


 私はいったい何を主張したいのでしょう?


 ただ、当該エッセイのタイトルとさせていただいたとおり、やっぱり「おまいら折れんなよな」とは、力強くお伝えしたい。


 ポイントは欲しいです。欲しいからいろいろ手を尽くします。――が、それでも得られないのがポイントです。「書籍化作家」になりたい方はほんとうに絶対に多くいらして、だったらやっぱりポイントがあったほうがあらゆるヒトの目に留まりやすいわけで、となるとヒトはポイント厨になってしまうわけで、しかし他者様からなんらかリアクションがあればそれは執筆意欲に繋がるわけであり、だからこそ、作品をリリースした以上、何も得られないと次をしたためるモチベーションも得られないわけであり――。


 ポイントが得られない、得られない得られない――。


 ――しかし、そのことばかりに執着するのであれば、私はとっくに消えています。どれだけ手を尽くしても獲得できないものはあって、それでも未来像として「なりたい自分」があるのであれば、こつこつやっていくしかない――その愚直さが楽しくて、だから私は今、この場で好きなことを素敵に言い放っていたりします。


 無意味に無闇に折れなければ、ネットに小説を投稿するという行為はそれなりに楽しいはずです。「俺の(私の)作品はどうして評価されないんだ!?」なる感情は反骨に繋がったりするかもしれませんけれど、そういった解釈が己の首を絞めてしまうことはままあることだと考えます。その事実は普遍的です。不変的とも言えます。


 他者からの評価ほど愛おしいものはありません。だけど、めちゃくちゃしつこくて恐縮なのですが、望んでも得られないものって、絶対にあります。承認欲求はあって当然ですが、私も偉そうに言える立場ではないのですが、ヒトからのリアクションが得られないからという理由で筆を折ってしまう方がいらっしゃるのであれば、それは悲しくて虚しく心苦しくてしょうがありません。他者様の作品をめちゃくちゃ拝読しているのかと問われれば「そうでもない」とお答えするしかないのですが、価値ある作家様のご作品には必ず目を通すことにしています。どれだけお気になり逆お気になりがいようが、自身が認める書き手は限られているのではないでしょうか。コスパの問題もあります。その作品は時間をかけてまで読む価値があるのか――そのへんはドライにやっていきたい――と酷いことを申し上げておきます。


 私も連載、がんばろうと決めたのですけれど、今、がんばっているのですけれど、何か反応をいただけないと、やっぱり息苦しいです。それでも「やってやんぜ!」とイキれるのは、自分の描く物語だってそう捨てたものではないだろうという思いがあるからです。


 研鑽を積み、若干でも小説が上手になることは決して無駄ではないことですし、私自身は結果を出せないクソベテランに過ぎませんが、だけど何も諦めていません。ヒトのお金で作品を商業化してもらう。下衆なことですが、それはかなり望ましい展開です。


 物を書くことに描くことについて折れなければ、いつかポジティブな報せが届くかもしれない。


 折れるのは簡単ですから、とりあえず、折れないでおきましょう。


 好きなことをやっているはずなんだから、くり返しくり返し、「折れんなよな」と自らに言い聞かせたいですし、みなさまにもひたすらにそうお伝えしたい――というわけなのですよ。


(*`・ω・)ゞ~★


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― 新着の感想 ―
[良い点] 興味深く拝読しました。 私はテンプレ書けないポンコツなイセコイ作家ですが、イセコイの上位層の方を見ると、仰る通り、質がすごくいいですよね!!!(笑) まじで上位層の方の作品は面白いです!!…
[良い点] 「折れんなよ」という強いメッセージが伝わってきました! [一言] 私はやっと落ち着いて小説を書くことができる状態になったので、これからだと思っています。 長い話を書くのは元々が熱しやすく…
2024/03/12 13:32 退会済み
管理
[良い点] 共感しました。 連載やってて何度もへこたれてます。 『いいね』がつかないだけで簡単に折れるやつです。 でもやっぱり続けていくしかないんですよね。←エタってる連載多数のやつのいうセリフで…
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