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★★★どれを選んでもダメなら一番ダメージの小さい物を選ぶのが当たり前★★★

「見張りを立てていたはずなのに何で俺たちがこの場に現れたのか全く考え様ともしていなかったな、こいつら。」


 二人の女性たちは怯えている。まあ当然か。いきなり俺たちが現れたと思えば自分たちを襲ってきている男たちがいきなり死んでいればそんな態度にもなると言うモノだ。


 彼女らは男たちが倒れた時には何が起きたか分かっていない様子で呆けた顔をしていたが。

 しかし男たちにその息が無い事に気付いた時には揃って同時に「ひッ!?」と恐怖に陥っていた。


「あ、あ、あ、あ・・・あんたら、い、一体何をしたの?と言うか、な、何者、なの?」


 赤髪少女がそう聞いて来る。当然の疑問だ。だけど俺はそれ所じゃ無い。


「なあ?こっちの先にいた六人もコイツと同じ悪者と判断しても良いのか?あ、その前に四人組もいたからそいつらもこの死んでる奴の仲間って事でオケ?」


「・・・は?お・・・け?」


 十五人の集団、しかも女性を狙った下衆、外道の類である。

 ゴミ掃除しておいた方が良いかな?とか思ったりしたのだが。


「まあいっか。そこまでする気も無いや。そいつらをどうにかする気なら君たちが組合?ギルド?に取り締まりと処分を申請してくれ。それじゃあ俺たちは行くから。」


 助けた二人は無視だ。もう別に危険は排除したし、これ以上の面倒は見ないでも良いだろう。

 後の始末は彼女ら自身がやれば良い話である。俺はこれ以上関係無い。いや、関わりたくないが本音か。


 しかしここで声を上げる赤髪。これに「そう言う展開になるのが当然だよね」と思ってしまう。


「ま!待って!私たちも一緒に連れて行って!このままここを出るんでしょう貴方たち!」


 引き止められた。赤髪の方に。神官らしい娘の方はジッとベラから視線を離さずに怯え続けている。


「あーあ、そんなこったろうと思ったよ。思い切りが良いのね、君の方は。それと・・・ベラ、お前なんか放出とかしてたりする?注目されてっぞ?」


「うむ?別に普通にしておるだけだが?・・・ああ、そう言う事か。多少多めに漏れ出ていたかもしれんな。ホレ、これで良いか?」


「いや、これで良いかと言われても俺にはサッパリ判らんが?・・・良いみたいだぞ?」


 ベラを見ていた神官少女の目が見開かれた。ソレは普通にしていただけと言っていたベラから出ていたのだろうの何某かが直ぐにその言葉の後には引っ込んだからだと思われた。

 ソレをどうやら神官少女は感知出来たらしかった。


「なあ、お前の事、バレて無いかコレ?」


「いや、ソレは有り得んだろう。だって我、この見た目ぞ?幾ら何でもソレは無い。まあ愚かなる種族のお前たちとは違う高位なる存在だと言うのは察したかもしれんの、そこなる小娘は。」


「おい、それだけでも大問題じゃね?」


 俺たちのやり取りを赤髪の方は理解できていないと言った感じで「ぇ?え?どういう事?」とオタオタとしている。

 一緒に連れて行ってと頼んだのにいきなり始まった俺たちの会話がその答えとは全く掛け離れているからだろう。


「この後の展開、何とも嫌な予感しかしないんだが?ああ、それじゃあ勝手について来ると良いよ。」


 俺は赤髪の方にそう言ってから歩き出す。別に付いて来たかったらそうすればいい。拒否はしない。だが、積極的に付いて来いとも言わない。

 この二人が俺たちの後から付いて来るだけなら何らの労力も使わないのだから。


 そうしてこの場を後にして先へと進む俺たちである。二人の少女は怯えを見せつつも俺たちの後を付いて来ている。


 しかしここでやはりと言った感じだ。俺がしていた予想通り。道を塞ぐ奴らが居た。


「・・・おい、お前ら何者だ?どうやってそっちからやって来た?ゴソクたちはどうした?その娘どもとお楽しみだったはずだろうが今頃は。」


 こっちの道にも見張りが居た。三名。さっきの死んだ奴らの仲間と見て良いんだろう。組織的犯罪と判断を下して間違いはない。


「胸糞悪いなぁ・・・別にこの娘たちの事情とか知る気も無いし、知りたくも無いけどさぁ?お前らみたいなのは只々不快なだけだよな。うん、気持ちを切り替えよう。あんたら、死にたく無かったらそこを退け。」


「おい、何を偉そうに。取り合えず男のお前は死んどけ。そこのガキは上等な部類だな。高い値が付く。女どもは縛って拠点に連れて行くぞ。ったく、ゴソクどもめ、しくじりやがって。間抜け共がこんな奴らに後れを取ったってのか?油断のし過ぎだろうが。」


「ベラ、やっちゃって。」


「お前、自分で動くのが億劫になっておらんか?まあ我にとっては魔石を食えるのならば別段構わんがな。」


 次の瞬間には三名の男は息を引き取る。もちろんこれはベラの邪眼の効果だ。物凄い便利。


「殺しの証拠が残らないってヤバいな。完全犯罪出来そう。それじゃあ行くか。」


 また目の前で人が突然死したら一般人は驚くに決まってる。

 そしてその例に漏れず俺たちに付いて来ていた少女二名はまたこれに「ひッ!?」と小さい悲鳴を上げるのだった。


 そして当然聞いてくる訳で。


「ど、どうなってるのこれ!?あ、貴方たちがやっているのよね?何をどうしたら何も無く突然に人が死ぬの?いや、殺せるの?」


 赤髪の方が体を恐怖で縮こませつつもそう聞いて来る。

 だけどもそんな事を聞くのをやめる様にと言いたいのだろう。神官は赤髪の腕を掴んで無言で引っ張っていた。


「安心しても良いよ。君たちは死なない。それだけ知っておけばいいさ。さあ、もうちょっとで出られるし、さっさと行くか。別にビビッていても良いけどさ。付いて来るのはそっちの勝手だけど。ここに残るのもそっちの勝手な?」


 俺たちは二人の少女のそんな怯えには一切配慮しないで通路を先へと進む。


 ここで俺たちの事を詳しく説明する意味は無い。少女たちに理解して貰いたいとも、理解して貰おうとも思わない。

 この試練場を出たら赤の他人だ。関わるのは今だけ。その後は関知しない、する気も無い。


(だってこのままこの二人と仲良く成ったらそれって「ハーレムルートまっしぐら」じゃねーの?そんなの勘弁な?)


 元の世界に戻りたいのに、こっちの世界に情を移した女が出来るとか最悪である。


 その逆に、ましてや女の方が俺に惚れて来て四六時中付いて来るとか鬱陶しく無いか?そんな展開は真っ平だ。


 そう言ったルートに踏み込まない為にも、フラグを建てない為にも、俺はこれ以上にこの少女二人に気を遣う気は一切無い。


 有難い事に神官の方はベラに怯えていてそれどころでは無いと言った感じなのでフラグもルートも折れたと思う。


 赤髪の方も俺たちを「得体の知れ無い化物」と言った感じで捉えている様に見えるので別段心配はなさそうだと思う。


 俺の中で気がかりな対象なのはマリなのだ。何だかんだと下らない会話を重ねている事でマリに対しての警戒心と言うか、拒否する気持ちが少々下がってきていると自覚がある。

 俺の中である程度受け入れている部分が出来てしまっていた。


(最終的にその時になってみなけりゃ分からんよなぁ。今気にするだけ無駄ってやつだな)


 マリが俺の事を気に留めているのは「友人」と言ったカテゴリであるはず。

 恋愛感情などと言った形では無いと思いたいのだが。


(今後にどういう変化を起こすか分かったもんじゃ無いってのは、俺がどうのこうのと出来る所じゃねーからなぁ)


 考えてもどうしようも無い事なのでここでこの思考を止める。ちょうど一階層に戻って来れたから。


 此処までの間に試練獣は俺が倒している。もちろんサーチアンドデストロイ。

 で、やはり倒した後に出て来る魔石はベラが拾い食いである。


 この一連の繰り返される光景に、俺たちに付いて来ている少女たちは「信じられ無い・・・」と漏らした後は沈黙し続けた。


 一階層では別に他の挑戦者たちに絡まれたりする事も無く穏便に進めた。

 そのおかげで試練場を出る事に成功する。


「むふぅ~・・・ん!娑婆の空気はやっぱ美味いぜぇ~。」


 俺は背伸びしながらしっかりと深呼吸をする。

 今はどうやら朝の時間帯らしく少々の冷えが空気の中にある。

 そんな冷たさが俺の肺を満たした事でスッキリとした気分にさせてくれる。


「で、お二人さんはコレから挑戦者組合に行くのか?」


「・・・その件なのだけど、証人として付いて来てくれない?私たちだけで証言するより信用性が上がるから。報告した事で褒賞金もちょっとは出るから、どうかしら?」


 俺はここで少々悩んだ。どう言った展開が今後に良いか?と言う点で。


 その1


 このまま一緒に組合に行って証言をした場合、そのままの流れで何かしらの厄介事か面倒事に巻き込まれる。


 その2


 断わった場合も場合で俺の預かり知らぬ所でどんな事になるのかサッパリ読めない。

 特にベラの事を何と報告されるか分かったモノじゃ無い、神官少女のあの怯え様だと。


 その3


 ベラの邪眼の件を口外させない為にこの二人の少女の保護を侯爵様に頼む。その場合はハーレムルートに突入の可能性が微レ存。それは御勘弁。

 一応は試練場内での出来事もセットで報告となるのであのクソ共が犯罪者として取り締まり対象として逮捕される流れになるはずだ。後始末は侯爵様がやってくれそうである。


 その4


 この少女二名に組合に報告に行かない様にさせる。その場合は俺が責任を持って安全の保障をしないとダメだろう。

 試練場でまだ気絶しているクソ共がまだ残っているので後々で襲撃を仕掛けて来る可能性が極めて高いから。

 そうなればまたコレもハーレムルート突入微レ存になる。

 俺は仲良くする気は無いのだが、向こうが勝手に、何が切っ掛けで「ハートマーク胸キュン」になるか分かったモノじゃ無い。


(どれを採っても超面倒なのでは?・・・一番マシなのは・・・)


「よし、二人ともちょっと良いかな?」


 俺は向こうの警戒心を解く為にニッコリ笑顔でそう話しかける。


 しかしこれに物凄く引き攣り笑顔になられたのは解せない。


 この時ベラから「目が笑っておらん」と横からツッコミを入れられたが、コレを無視して二人に俺に付いて来る様に言った。


 命の恩人の言う事には容易に逆らったりは出来ないだろう。いや、根性があれば「だが断る」と言って付いて来てくれなかったかもしれない。

 そうならなかったのは面倒が省けて良い事であると思って気にせずに歩く。


 街へと入れば微妙な視線を浴びる。奇妙な四人に周りの人たちには見えていただろう。


 冴えない恰好の挑戦者の男に、小っちゃい北欧系美少女、活発そうな赤い髪の少女と、お淑やかそうな金髪ロングの神官少女の組み合わせ。

 何処からどう見てもおかしいと俺だって思う。


 けれどもそれを気にしたら負けである。話が先に進まないのだ。


「ど、何処に行こうって言うの?ねえ、ちょっと、答えてよ・・・」


「良いから良いから、悪い様にはしないから。ちょっとだけ、ちょっとだけ歩くけど、ソレも少々の辛抱だから。」


「お前、怪し過ぎて逆に心配させるだろう、その言い方は。で、何処に向かっておるのだ?我にも教えよ。何時まで歩かせる気だ?」


 赤髪からの質問に俺は「もうちょっと」と返したが。

 ベラからは「怪しさ満点」と評価される。納得がいかない、とは言わない。自分でも怪しいなと思っている。


「この先は・・・」


 しかしここでいち早く神官少女が目的地が何処なのか察した様だった。

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