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★★★要らないフラグが起ったっポイ★★★

 城内へと入って案内された場所はどうにも客室である模様。しかも俺だけポツンと一人だけ。


「何で俺だけ?いや、マリは侯爵様に連絡を入れないといけないからそっち方面で何かと手続きが必要かもしれないし?ジェーウ達もなんだカンだ言っても殿下の手引きで直接に王様と会う事にしてるだろうから、そこは部外者とも言える俺が居る必要は無いかもしれんけども?」


 俺はそんな事を豪勢なソファーに深く沈みこみながらぼやく。

 部屋の入口、扉の横には「御用が御座いましたら何なりとお申し付けください」と言ってきたメイドさんが立っている。

 恐らくこのメイドさんは俺の見張り役なんだろうなと薄っすらと感じる。

 俺が何かしら変な事をし始めたりしたら大声を上げて周囲に異常を知らせる為の人員だろう。


「それにしてもアレだな?西洋風の巨大な城ってスゲエもんだな。迫力って言うか、近くに寄れば寄るほどに

「壁」にしか見えなくなるって言うね?遠目で見るのが良いもんだな、これは。」


 宵闇と言っていた暗殺者集団の事が済んでその後に城門を通ったのだが。

 その後は物凄く遠くにその西洋建築なお城が遠目で見えたのだ。そう、めっちゃ遠い。

 え?と俺は思った。門から遠過ぎねぇ?と。しかしそこで門からその城へと向かう為の専用馬車が用意されてる時点で俺は何も言えなくなった。

 王と言う存在、権威ってここまでしなきゃ保てないモノなのか?と。ファンタジー物ラノベではあっさりと読み飛ばしていた様な光景は自身で体験してみると本当に呆気に取られるモノなのだなと、物語の中にある主人公の感想と同じ気持ちになって唖然とさせられるのだなと、そう分かった。


 で、中に入ってみたら俺だけ案内人が付いて「こちらです」などと言われてホイホイと付いて行ったらコレだ。隔離された。

 城内の凄い装飾やら美術品などを眺めて「ほへ~」と間抜け面を晒してボーっと歩いて行けば部屋の中へとスルスルと入ってしまった。

 そして俺は「こちらで暫くお待ちください」と言われ、茶と菓子を即座に出して来たその案内人は即座にその後は部屋を出ていたのだ。引き止めたり質問を飛ばす隙もありはしなかったその素早さに俺は思わず「プロかよ」と溢している。まあ何がプロなのかも自分で言っておいて分からなかったのだが。


「御用なんて無いからメイドさんに話しかけるのもどうかと思うしなぁ。茶と菓子は頂くけどね。んぁ~。今後はどうすっべ?また試練場に行くか?一応は一か所くらいはどんなもんかとクリアしておきたいんだけどな。」


 試練場を攻略する以外にも何かしら「神様と会える」と言う方法があればそちらを試して行くと言うのもアリだ。

 しかしそう言った情報はきっと出て来ないんだろうなと言った何となくな気持ちもある。

 その根拠は「この世界がどうにもソレで動いているから」だ。

 俺をこんな目に遭わせている神様ってのの目的もソレなんだろうと何となく自分の中では腑に落ちていた。


「何せマジック小袋だよ。コレだよ、コレ。きっと俺を使ってこの世界の現状をどうにか変えようとして派遣されてるよな?コレは。」


 今回の試練場でのあれこれで俺はそんな納得を得た。神様がそう言った目的を教えてくれないのであれば勝手にこっちがソレを決めつけて動いた方が楽チンだ。

 不安で漠然とした中を歩き続けられる人間じゃ無い俺は。なのでそこら辺を無理やりにでも悟ったフリでもして前に進む。コレを空元気と言ふ。


 俺はここで教会騎士たちの死体は何処で何時出せば良いんだろうか?などとボーっとしながら考えた。


 そこに飛び込んでくる闖入者。


「ふはははっはははっははは・・・げふぉ!げふぉッ!・・・ふー、貴様だな!?兄上に対して暴言を吐いても許されていると言う人物は!」


「・・・何だこいつ?」


 正直言って何と言って良いか分からない。金髪ロリでドリル巻き毛な豪勢なドレスを着た人物がこの部屋に突撃して来たのだ。

 しかも登場の仕方が非常に決まっていない。ダサい。高笑いしたかと思えばソレにむせてゲホゲホである。アホかと。


「おい!貴様その目を止めぬか!ふん!あの兄上が気を許しているなどと面白い話を聞いたからこうして来てみれば抜けた顔の何処から見てもしょぼい挑戦者では無いか。見に来る価値もこれでは無かったか?」


 多分コレは俺を挑発し、バカにしているセリフだと思うのだ。そしてこれに反応して来る俺に対して色々と追加で話を広げていこうとしている態度であると俺は思った。


「は!私が直々に見物しに来てやったと言うのに自己紹介もせぬてか?野蛮人はコレだから使えぬ。おっと、野蛮人なら私の事を全く知らぬから挨拶もせぬと言った可能性を忘れておったわ。」


 俺はジッと黙って心の中で「オチは何時になったら出すの?」と思っていた。

 こういったキャラのパターンだって俺の読んできたラノベでは暫し見かけた。

 だから思うのだ。ここで余計な口を出すと倍返しで余計に煩くなるか、より面倒な展開になるに決まっていると。

 だから言いたいだけ、喋りたいだけ思う存分に相手に口を開かせる。

 そしてふんぞり返ってそのお嬢様は言う。


「私はこの国の王女だぞ?控えろこの愚民めが。幾らきさまが蒙昧であろうとも私の名を聞いては跪かずにはいられんだろう!私は第一王女ラナーシェであるぞ!」


 多分この国では男と女を分けて第一から数えるんだろうな、と俺は思うだけだ。生まれた順番で男女混合で上から数えていく方法とかとごっちゃに時々なりそうになるからここ大事。

 さて、結局は俺の予想から外れないお約束な人物だったと言うだけだ。王女、本当に面白くも無い。

 俺はソファーに座ったままでふんぞり返って偉そうに自己紹介をするラナーシェを見上げて動かずにいた。

 この態度にこういったキャラは次にどんな言動をするかを俺は良く理解している。

 そのパターンの内、このラナーシェが取った行動はまだ大人しい方であった。


「きいいいいい!?何だその態度は!無視か!おい!こやつを牢にぶち込め!今後私の名を聞けば悶え苦しむほどの拷問を加えてやるわぁ!」


 怒りに燃える少女。そんな性格で王女など務まるの?と言ってやりたい所をグッと堪えて俺は待つ。

 何を待つって?この王女が呼ぶ部下たちをだ。俺を牢にぶち込めと叫んだのだからそいつらがここにやって来るだろうと思っていたが、しかし一向に来ないでは無いか。


「・・・何故来んのだ!?おい!誰かいるだろうが!私の命令が聞こえんのか!」


 ここで部屋に入って来た者三名。しかしその動きは俺を捕まえると言った行動では無かった。


「!?何故私を拘束する!?私では無い!こやつを捕らえよと私は言っているのだぞ!?放せ!離さぬかぁ!?」


 連行されたのはその王女だった。入って来た者の内二人が王女の両脇を抱えてズルズルと部屋を出て行く。

 ここで残りの一名がここで王女に一言。


「ラナーシェ様、オイタが過ぎますと国王陛下にお叱りを受けますぞ?そう興奮されていると今度は何時までお部屋での待機を命じられるか分かりませんよ?」


「ドルーシェル!?貴様!私を裏切る気かぁぁぁぁ・・・!」


 遠く離れていく王女の叫びは何処までも廊下に響く。

 そのドルーシェルと言われた若い執事はどうやらこの王女付きの側近の様子。


「申し訳ございませんお騒がせ致しました。」


 綺麗な一礼を俺にしてからそのドルーシェルは部屋をサッと出て行った。王女がこの部屋に突撃してきた理由も説明無しである。ソレを引き留める程の間も無かった。


「何やねんこの茶番?」


 俺はそれだけしか口に出す事は出来ない。今後に今回の事が何かしらのフラグになるのか?と言った事を思ってみたりもしたのだが。

 この先の事なんて俺には読む事などできやしない。俺の脳みそはそこまでの高性能じゃ無いのだ。

 だがこれだけは思う。面倒なフラグが起ったな、と。


「絶対に今後であの王女様が絡んでくるじゃんコレ?だとすると絶対に邪魔してくる性格してるよな?今のあの言動だし?うっわ、メンドクセ。」


 その可能性は濃厚だ。これに俺は「そんな事がありません様に」と祈るしか無かった。


 さあ、ここでどれだけの時間待たされただろうか?茶も菓子も堪能したが、それ以上はやる事が無い。

 部屋の中の調度品を眺めては「高いんだろうなぁ」などと思うくらいしかやる事が無かったので少々眠くなってきた。

 流石に俺を暗殺などと言った事をする為に睡眠薬が茶と菓子に入っていた訳では無いだろう。

 だがそれでも自然と眠くなって瞼が重くなっていく事を俺は止められなかった。


「ここで寝ちゃうと絶対に何かしらあるんだろうなぁ。でも、もう僕疲れたよパト◯ッシュ・・・」


 ソファーに横になって眠りかけたその俺の意識を覚醒させたのはドアをノックする音だった。

 そしてそしてその人物はマリであった。


「お邪魔するよタクマ。あ、もしかして眠り掛けていた所だった?ごめん、起こしちゃったのかな?」


「んあぁ~?いや、良いよ。退屈が限界で寝そうだっただけだ。で、何?」


「父上がこちらに来るそうだよ。国御陛下とそこで相談もするって。タクマが差し出したマントの数の多さが問題っぽいね。」


「え?何それ俺のせいじゃ無くね?あ、いや、俺のせいか?で、試練場での事情の件は?」


「そちらは父上が城にやって来て陛下との話し合いの場で私も説明をする事になってる。ジェーウもその場で話をする事になってるからタクマも一緒に同席してね?一応は殿下が先に暗殺の件は話をざっとしてあって、そこでタクマが力を貸してくれた事も説明はしてる。そこで陛下が「直接その者に会いたい」って流れになってるんだ。」


「その王様、酔狂が過ぎません?だって、俺の正体って不明だぞ?どこぞの魔物の骨とも知れないそんな輩が王様と謁見とかあり得なくない?」


「ああ、公式の場では無いから良いんじゃないかな?あくまでも個人的に会いたいって事だから。」


「いや、それ余計に問題。秘密裏に王様と会うって事でしょ?ああ、まあ、国を継ぐハズの王子の命が狙われたんだからある程度は最初の内は内緒にしておくのは普通なのか?あれ?こういうのは大々的に臣下や大臣とかに知らせて直ぐに対応を取れと命じるのが本来じゃね?」


「そんな事をしたらタクマの事がきっと城中に知れ渡る事になっただろうけど、それでも?」


「えー?まさか王様、俺の事に配慮してくれたの?うわー、何その大物感。凄い不安。有無を言わさずに俺って巻き込まされる形になりそうじゃん?」


「タクマの力を直接目にした私から言わせて貰えば、別に断っても良い案件だと思うよ?タクマがコレを断っても陛下は御怒りにはならないと思う。もし無礼者としてタクマを害する手段を取ろうと陛下が為されようとすれば私たちがソレを全力で止めるつもりでいるから安心してよ。あんなの見させられたらタクマを敵に回そうなんて思わないから。」


「・・・あ、そう?でも会わないとやっぱダメじゃんね?王様に悩みの種を持たせたままにしておくのも、そっちの方もやっぱ不安だよ。俺のいない所で俺への処遇を勝手な事決められても嫌だしな。」


「そうだね。そうした方が良いと私も思う。じゃあまだもう暫く時間があるだろうし、タクマの事をちゃんと教えてよ。何でそこまでタクマは強いの?」


「あー、まあ、ここまで来たら教えても良いか。別に信じる信じないは本人が決めれば良いだろ。時間つぶしには丁度良いか?・・・よくねえな、良く考えなくても。それでもどうにもこれからマリとは長い付き合いになっちゃいそうだし?まあ、しょうがねえか。」


 俺はこうしてマリに自分の事情を説明してしまう事にした。

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