鑑G御喰

『 ピシャッ』

何かが擦り切れるような音がした。

ほとばしる痛みを感じた。

つかさず目を見開く。

まただ。また、あれだ……

目が覚めるとそこには果てしなく白い世界。

いや、色なんて概念自体が存在していなかったのかもしれない。

つかさず目を閉じる。

あぁ、目眩がする。

それも、とっても気持ちのいいもの。

ずっとこうしていたい。

『 リリィ！』

誰かが叫ぶ声が聞こえる。

目には見えないが、確かに「それ」は私の手首を強く握りしめている。