表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/39

第一章、⑧


 残念ながら、やりとりは平行線をたどるばかりだったので、シスコ達は先へ進むことにした。

「で、私はここで何をしたらいいの」

「言い伝えでは、ここに夏王朝の秘宝があると」

「どこに」

「さぁ、どっかにあるでしょう」

「もう」

 憤りを越して、シスコは呆れる。

 

 2人はとりあえず、辺りを見渡すが、あまりの眩しさに長く目を開けてはいられない。

「どこ」

「見えませんね」

「・・・・・・」

 シスコはしゃがんだ。

 それから地に手をつけて探り這いながら、辺りを探ってみた。


「全然分からないよ」

 全くの手ごたえなしである。

「ですね」

 モエは気の抜けた声で答える。

「ですねじゃない!」

 シスコは彼女にきつい口調で言う。

「はい、じゃあなんとかしてみます」

 モエはそう言うと両手を広げ、光りを集めるよう念じる。

「・・・あ!」

 モエの手の平に光が集まりだすと、次第に部屋の煌めきが薄くなっていく。


「媛!」

「誰!」

「シスコ様!」

「はい!」

「光を集めてみてください」

「・・・どうやって?」

「胸の前で手を重ね、光が集まるよう念じてください」

「こう?」

「そうです」

 シスコはモエに従い光を集めはじめる。

 手の平が温かくなり、光は大きくなる。

「あれっ?」

 シスコの両腕が勝手に天高く掲げられると、光のすべてが集約され瞬時に収束する。

「!」

「さすが」

 モエは感心する。


「・・・・・・」

 ゆっくりと腕を降ろすシスコの手の平は、しばらく輝いていた。

 それから明滅しながら次第に光が消えると、彼女の手の中に何かがあった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ