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第三章、⑪
「・・・それは、あなたが正しい者ではないから」
シスコは歯をくいしばり立ち上がる。
闇人が視線をシスコに向けた瞬間、彼女は男の手に握られている玉璽に向かって、両手をかざす。
「何を」
シスコは唱えた。
「光を持って闇を滅せよ!」
彼女の言葉に玉璽は答えた。
闇人の手の中で、玉璽は金色に発光し彼を飲み込んだ。
「ぐはははあああははあああっ!」
苦悶の表情で絶叫の雄叫びをあげる闇人。
「光・破・滅・破!」
シスコは気力を振り絞り光破を放った。
光が闇を打ち払う。
勝負は決した。
武台の真ん中で大の字に倒れる闇人。
シスコは闇人の首筋に光破刃をあてた。
「ふ」
闇人は観念した。
「さぁ、殺せ」
シスコは刃を一閃した。
「!」
闇人が見上げると、光破刃は握られておらず、シスコは右手で闇人を引っ叩いた。
「何故・・・」
「それは、あなたが考えることよ」
シスコはゆっくりと武台場を降りた。
戦いはシスコの優勝で幕を閉じた。
空は何処までも続く青空が広がっていた。




