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4話 1日の終わりと女の戦い

 



「グレンさん、凄いです! いい飲みっぷりです。憧れるなぁ」


 いつのまにか、味山達の席には空いたジョッキやグラスが広がっている。



「え!? マジすか?! おっねえさーん!! ビールまた一杯おかわりー!!」



「はーい、ありがとうございます!!」



「 私、強い男の人が強いお酒を飲むところ見るの好きなんです」



「う、うおおお!! お姉さん! この席にこの店で1番強いお酒ちょうだい! 酩酊桜の清酒あったすよね?!」




 原因はこの2人。唐突に現れた味山の元チームメンバーの貴崎 凛とそれにおだてられながら酒を煽り続けるグレン・ウォーカーだ。




「お、おい、グレン。やめとけって。クラークから強い酒は控えろって言われてたろ?」



「あははは! タダ、舐めちゃだめすよ! このグレイウルフこと、グレン・ウォーカー、いつまでもあのタチの悪いバケモノ探索者の言いなりになったままの男じゃねえっす! 」



 目の座ったグレンが席に置かれたジョッキを一気に飲み干す。


 見る見る間に消えていく酒、嚥下する喉仏からごっ、ごっ、ごっと音がなる。



「っあー!! 美味い、テレッテー!! ……」



 一際大きく叫んだ瞬間に、グレンがガクリと首を垂らし机に顔を突っ伏した。


 がちゃん、大きな音が鳴ったが幸い皿やジョッキは割れていない。



「あーあ、言わんこっちゃない。おい、グレン起きろ、寝るなって」


「ぐー、かー。むにゃ、リンちゃーん、どうすか、むにゃ」



「ふふ、カワイイですね、グレンさん」



「お前もあんま煽んなよ、貴崎」


 セーラー服姿の貴崎 凛に味山が目を細めながら呟く。


 奇妙な光景だ。御行儀の良い場所とは言えない探索者酒場に、普通の女子高生のような姿をしている少女がいるのは。



「ごめんなさい、あまりにも楽しそうにしてたから混ぜてほしくて」


「……お前、酒飲めたっけ?」





「猫を被る相手が居なくなったんで、最近は飲んでます」


「あ? なんだ、それ」


「……高校の友達が言ってたんです。男の人は自分よりもお酒が飲める女の人があまり好きじゃないって。だから今まではあまり飲んでませんでした」


「へえ、そんなの気にする奴もいるのか。そりゃ大変だな。いちいち人の事まで気にしてたらキリがねえ」



「そう、ですよね。あなたはそういう人ですもんね」



 貴崎のポニーテールがわずかに揺れる。


「……てか貴崎、今更だけどなんか用か? お前、ツレは?」



「……時宗達には組合へ報告へ行ってもらってます。……私、用がなかったら、味山さんに会いにきたらダメですか?」



 貴崎が下から上目遣いで味山を見上げる。


 豊満な胸が押しつぶされ制服の上から形が変わるのがわかる。


 やべ。


 味山はなんとか目を逸らしながら




「あ? いや、別にそんなわけじゃねえけーー」











「ええ、その通りよ。恋人でもない男に向かって用もないのに、会いたいなんて言う女にロクなヤツはいないわ」



 声が降りかかる。


 人々の注目が否応にも高まるのを味山は感じた。


 凄いタイミングですごい奴が帰ってきちまった。



 味山は息を吐き、吸う。やましいことはしていない、なのにこの居心地の悪さはなんだろつか。







「チッ……もう来ましたか」



 え、何、それ。


 貴崎の小動物のように潤んでいた瞳が一瞬で乾き、その瞳から光が消えていた。


「あら、カワイイ舌打ちが聞こえたわ。どうしたの? リン・キサキ。何かプランにない事でも起きたのかしら?」



 そんな貴崎の変化など意にも介していない。アレタが挑発的な笑みを浮かべながら机にその細い腰をもたれかける。



 行事が悪い、なんて注意できるはずもない。


「うふふ、いいえ。くしゃみしちゃっただけですよ。ミス・アレタ。少し耳が遠い…… いや、他人の会話だけはよく聞こえるらしいからお耳は良いのですね」



「ええ、そうなの。耳だけじゃないわ。何処かで嗅いだ、そうね、発情したネコみたいな匂いがしたものだから戻ってきたのだけれど、予想通りね。鼻もいいみたいよ、あたし」



「うふふ、汚い言葉。ご自身の匂いと勘違いされたのでは? 香水だけじゃ誤魔化せないものですよ? 体臭って」



 なにこれ。


 味山は急に店内の温度が数度下がったように感じる。


 ざわざわした喧騒は消え、あるのは張り詰める空気。酒場中の人間が皆一様にこのテーブルを眺めていた。




『おい、あれって、あの推薦組だよな』



『リン・キサキだ…… 半年で上級探索者に上り詰めた推薦組だ』


『おいおい、星屑野郎、アイツどれだけ見境いないんだ? 』


『見ろよ、アレタ・アシュフィールドにガンつけてやがる、上級探索者に過去最速で昇進した女はやっぱいかれてやがるな』



『おっぱいでかいな…… あとあのうなじも』


『ああ……良い。だがアレタ・アシュフィールドは脚と尻だ。2人はそれぞれ頂点の違う山なのでは?』



『くくく、やはりワシの勘は間違えていなかった…… 来おった、1ヶ月ぶりのスイーツ欲の悪魔…… お姉さん、追加…… バベルスイーツバイキング……1人!』




 机の中だけで回される潜めた声を味山の耳が拾う。


 見られてる、見られてるよ、あなた達。お店の人の迷惑になるから落ち着いて。


 心の中だけで、味山が呟く。無理、言えるわけがない。



 普通に怖い。



 アレタと貴崎は互いに微笑みながら、言葉を交わす。


 微笑んでいるはずなのに朗らかな雰囲気は全くない。



 冷えたジョッキの表面、水滴が手のひらを濡らす。



「ふ、まあなんでもいいわ。それよりリン・キサキ、今あたし達、見ての通りチームでの打ち上げの最中なのだけれど? 部外者の参加は断ってるの」



「うふふ、あら、そうだったんですか? ごめんなさい。味山さんとグレンさんしかいらっしゃらなかったものだから…… 味山さん、私、お邪魔でしたか?」




 ここで俺に振るな!! 喉の奥から叫びたい衝動を味山は抑える。



 潤んだ瞳でこちらを見つめる少女に味山はわずかにたじろいだ。



 アレタの顔は見ない。どんな表情をしているか大体予想がついていたから。



 はあ。


 おい、クソ耳。ヒント出せ、ヒント。



 胸中のつぶやきに答えるささやきはない。味山の耳がその声を拾う事はなかった。


 ヒントに頼らずに味山は答えを出す。


「……悪い、貴崎。今日は遠慮してくれ。アシュフィールドが言ったように今はチームで飲んでんだ」



「……そう、ですか。……ごめんなさい、久しぶりに味山さんをお見かけしたものですから、少しはしゃぎ過ぎちゃいました。……うん、今日はこの辺で! グレンさんには悪いことしちゃいましたね!」



 たっと、貴崎が身体を跳ねるように席から立つ。アレタへ視線を送った後、ふわりと身体を動かした。



 うおっ。


 味山はいつ貴崎に顔を寄せられたのか分からない。足運びか、速度か。



 甘い桃のような匂いが味山の鼻をくすぐる。


 味山の耳に避けられた貴崎のピンク色の唇が瞬いた。



「今日は邪魔されちゃいましたけど、また誘いに来ますから。味山さんからも遊びに誘ってくれたら嬉しいです。……話せて良かった」



「あ」



 味山が何やら返事をしようと思った瞬間、桃の匂いは離れる。



「じゃあ、また! 味山さん、おやすみなさい、良い夜を」



 流れるような動作でウインクして貴崎は酒場の出口へ消えていく。軽やかな動作には一切のぎこちなさもない。



 ポニーテールを揺らしながら嵐のように去った貴崎に向かい、味山は小さく手を振った。



「……リン・キサキがいたままの方が良かったかしら?」



「……意地悪言わないでくれよ、アシュフィールド。正直、助かった。いまいち貴崎のしたいことが俺にはわからん、昔組んでた時と最近は雰囲気が違う」


「……人間手に入れたものより失ったモノの方が惜しくなるんじゃないかしら。モノの良さを知ってれば知ってるほどね」



 アレタが小さく息を吐く。味山はアレタの言っていることがよくわからなかったが、とりあえず頷いておいた。



「まあ、どちらにせよお帰り。そこ座れよ。貴崎が座ってたけど、お前の席だろ?」



「……ええ、そうね。この場所はあたしのモノだもの。昔はどうか知らないけど、今と、これからはずっとあたしのモノ……」



 アレタがじとりとした目つきで貴崎が座っていた椅子を撫でる。それから同じ目つきで味山を見下ろした。



 何か怒らせたか?


 あ! まさか貴崎に自分の席座らせといたから怒ってるんじゃ……


 いやでも、あのアレタ・アシュフィールドがそんなみみっちいこと気にするか?


 味山は刹那の間思考を巡らせる。


 何か気の利いたことを言っておかないとせっかく取り直した機嫌がまた悪くなっちまう。



 味山の出した結論はーー




「よ、よくわかんねえけど。やっぱ俺たちのテーブルにはアシュフィールドが似合うな!」



 いやテーブルに似合うって何?



 味山は自分の言葉選びのセンスが地獄的なことに心底驚いた。



 やべえ、わけわからんねえ事言っちまった。



 味山が恐る恐る返事のないアレタをチラリと眺める。




「ーーふっ。なあに、それ。タダヒト、たまに意味分からない事言うよね。ニホンの言い回しなのかしら?」



 朗らかに力を抜いて微笑むアレタ。ふにゃりと弛緩する表情。


 ゆっくりと椅子を引いてアレタが対面に座る。柔らかな所作でスタッフを呼びつけ、新しい酒を注文していた。


 まじか、よく分からないが正解を引き当てたらしい。



 味山ははははと乾いた笑い方で愛想を作る。貴崎がいた時の肌に突き刺さるような殺気はもうない。



「……リン・キサキと何を話してたの?」


「話ってほどじゃない。ほとんどグレンが呑んで騒いでだけだ。貴崎もあまり人を煽るタイプじゃなかったんだけどな」



「ふうん…… なるほどね。邪魔者を酔い潰そうとしてたわけか…… カワイイ顔して女ね、あの子も」


「邪魔者?」



 味山が首を傾げた。どう言う意味かと問いかけようとーー




「くく、たのしい修羅場は終わったみたいだね。見ているこっちが慄いてしまったよ」



 ふらりと離席していたクラークが現れる。遠巻きに様子を眺めていたらしい。



「クラーク、悪い、グレンが潰れた。止めたんだけど」



「ああ、見てたさ。そこの男が身体の豊満なティーンエイジャーに唆されて鼻の下伸ばしてるところはね。グレン、起きたまえ」



 僅かに声色の低いソフィが突っ伏して眠るグレンの肩を揺さぶる。



「う、うーん。でへへ。リンちゃーん、もう一杯…… へへ」



 グレン、お前。お前は、グレン……


 味山はなんとも残念な気分になりながら静かにその様子から目をそらす。


 よかった、乗せられて飲んでなくてほんとに良かった。ソフィのグレンを眺める目つきを見ていると心の底から安心する。



 ふとソフィが赤い髪を垂らしながら突っぷすグレンに顔を寄せた。


 キスしてしまいそうな距離までソフィの端麗な顔が迫りーー



「………い……か?」



「……?!! はい!! 起きました!!起きたっス!センセイ!!」




 なにやらを呟いた瞬間、グレンが息を吹き返した。


 コイツどんな弱み握られてるんだ?


 目を見開き、椅子を倒しながら直立不動のグレンを眺め味山は驚く。



「ああ、起きたようで何よりだよ。助手。……ふむ、アレタ、済まない。今日はこの辺りで我々はお暇させて貰っても構わないかな?」


「ふふ、ええ、もちろん。グレンがその調子じゃあソフィは気が気じゃないものね。また時間が合う時に集まりましょう?」



「済まない、せっかくの祝勝会だったのだが。……助手、しっかりしたまえ、帰るぞ」


「え、うええ、まだ俺は飲めるっすよ、センセイ」



「馬鹿を言うなよ。イモータル薬液はアルコール耐性を一時的に失わせる副作用がある。今日はこれでお開きだ。……ああ、アレタ、アジヤマ、我々に気は使わなくていい。2人で続けておいてくれ、ほら、歩け、バカ助手め」



 身長の低いソフィが美丈夫のグレンの長躯を押しやる。


「うう、わかったすよ…… アレタさん、タダすみませんす。この埋め合わせは早いうちに、うえ、頭痛い」



「情け無い…… ああ、アレタ、御代は置いていく。余ったら二件目に使ってくれ」



 ふらつくグレンを支えながら器用にソフィがパンツのポケットからクリップに挟まれた紙幣を取り出す。


 それをそのまま放り投げた。



「あら、いいのよ、ソフィ。気を使わなくても」



 なんのこともないように、アレタが宙に投げられたクリップマネーを頬杖をついたまま人差し指と中指でキャッチする。



「そう言うなよ。助手の責任は管理者のワタシの責任でもある。では、今日は良い仕事をさせて貰った。報酬の分配や後始末はまた後日集まろう」



「ええ、わかったわ。タダヒトもそれでいい?」


「おう、問題ない。気をつけてな、クラーク」



 味山がひらひらと手を振る。ソフィは片手を振り上げてグレンを半ば引きずりながら店の外へ出ていった。



 さすが指定探索者、見た目なぞ当てにならないほどの膂力。



 味山はソフィの探索での鞭さばきや、銃器の取り扱いの様子を思い浮かべた。




 ぐびり。手元にあるジョッキを呷る、炭酸の抜けた苦くて緩い液体が舌を痺れさせた。


「……苦い」



「タダヒト、甘党だものね。……えっとそのねえ、ソフィたちが帰っちゃったけど、……どうする?」


 長い指をいじいじとくゆらせながら、アレタが語りかける。


 切れ長の瞳、日本人には無い蒼い瞳はアルコールの熱のせいか、とろんと丸くなっていた。



 どうする、と聞かれたらなあ。


 味山はジョッキの底に余った酒液を一気に呷る。



 €TIPS 耳を澄ませ



『あのジャップ…… アレタ・アシュフィールドとサシ飲みするつもりか……?』



『おい、やっちまうか? 別れた後をつけてよ』



 勝手なことばかり言いやがる。ほんと。



 味山は届いてくる陰口にため息をつき、アレタに向けて話しかけた。





「続けようぜ。アレタ・アシュフィールドと飲めるなんて探索者にとっては夢みたいなもんだからな、場所は変えなくていいだろ?」



 陰口だけのクソヤローどもが。誰がおまえらに気を遣うもんか。



 味山はレモンサワーをスタッフに頼み、新しいつまみを注文する。



「あは、なあにそれ。大げさよ、タダヒト」



 言葉とは裏腹に、にへらと笑った。その笑みは盗み見していた者の心臓に男女問わずときめきを無理やりにでも持たすようなもので。



 アレタが相好を崩しつつ、同じく酒を頼む。


 そうだ、周りの連中なんか関係ない。



 味山が未だに届く陰口に向けてニヤリと微笑んだ。


 誰もが知る偉大な人物と酒を酌み交わす。その事について優越感を感じる程度には味山は小物で、凡人だった。



 さて、では優越感に浸らさせてもらいますか。


 味山がふっと、目を開いたそこには。







 現れたのは試験管型のショットグラスに金色意匠が施された高そうな酒瓶。



「……アシュフィールド?」



 味山が怪訝な声をあげる。



「なんでショットグラス2つあんの?」


「2人で飲むからよ?」


「いや、俺レモンサワー……」


「チェイサーでしょ?」


 キョトンとした顔、慣れた手つきのアレタが視線を味山に向けながら首を傾げた。



 トクトクトクトクトクトクトクトクトク。


 小気味好い音を鳴らしつつ、試験管に琥珀色の液が満ちて。




「はい! タダヒトのぶん」


「あ、どうも」



 思わず会釈しながらアジヤマは酒を受け取る。


「ふふ、どういたしまして」


 アレタがいつのまにか試験管に似たショットグラスを酒で満たす。



「あの、アシュフィールドさん。これは、ナニ?」


「ふふ、ストレグスっていう名前の最近出た新しいお酒よ。美食クラブっていう探索者の同好会がお酒メーカーも結託して作ったみたい。許可が出た怪物種の材料も利用してるらしいの。あたしも初めて飲むわ」



 柔らかく微笑むアレタがショットグラスを味山に向けて傾ける。


 楽しくて仕方がない。そんな感情をたたえた笑み。


 ……強い酒は苦手だ。



 味山は覚悟を決めて、グラスを差し出しカチリと乾杯した。



 周りのテーブルからの視線を感じる。


 星屑と星が杯を交わすその様子を、ある者は怨嗟の目で、ある者は、嫉妬の目で、そしてまたある者は好奇の目で監視する。


「あたし達の勝利に」


「俺たちの生還に」



「「乾杯」」



 琥珀色の液体は、想像通りの味で、味山の喉を焼きながら胃に溜まった。



 夜が進み、味山の一日は終わった。




読んで頂きありがとうございます!


宜しければ是非ブクマして続きをご覧ください!



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― 新着の感想 ―
意外と班長知らんやつ多いんやなぁ
改行が多すぎて読むのに疲れる
[良い点] なんかずっと一人だけ場違いな食レポをやってるけど面白いよね、あそこに挟んだのもいい、読みやすくなる、人の悪口ほど読んで面白くないものはなかなかないから。 [一言] 鈍感…というか自分のこと…
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