24話 決着
産まれる、生まれる。
男の溶けた肉体が生まれるのは歪な生命。
『ジュロロロロロロロ』
『キキキキキキキキキ』
『ピョオオオオオオオオオオ』
『カチカチカチカチ』
『ゴボボボボ』
ダンジョンに巣食う異形の生命、食物連鎖の上、人間を喰らう理外の生物。
「産まれろ、化け物共」
『『『『ギョボオオオオオ!!』』』』
怪物種。
味山の肉体から溢れる肉体が産み出すのは、怪物種。
鷲、蛇、蟻、カエル、芋虫。
地上の生命を歪により残酷に、そして何より巨大に変異した生物。
「深淵歩きの異能……!? いや、違う、お前のソレは、……なんだ……!?」
「ギャハハ! 出来たァ! やっぱ人間あれだな、やってやれねえ事はねえや」
「質問に答えろ!! 化け物サル!! 貴様、我が異界に何を、何を持ち込んだァ!?」
現代ダンジョンバベルの大穴の主役、怪物種が神の異界を侵していく。
悍ましい肉の渦から這い出る化け物。
それらはかつて凡人探索者と生存を競い、殺し合った生命達。
「怪物種だ、短い間になるが宜しくな!」
「ふざけるなァァァ!!」
耳男が笑い、神が怒る。
両者の叫びに呼応して、それぞれの眷属が殺し合いを始める。
『薄汚いカスが! 我らの牙と爪に耐えられるか!』
『『『『『ゲラゲラゲラゲラゲラゲラ』』』』
地獄。
赤い大地の中、神獣と怪物が殺し合う。
巨大な狼と巨大な蛇が組み合う。
巨大な鷲と鷲が互いに空で爪を競う。
『おのれ、出来損ない共が! 我らに触れられると思うな!』
『ああ! なんと汚らわしい生き物か! 主よ! 早くこの生き物の湧きどころを潰してくれ!』
神獣が喚く。
彼らが爪を振るうたびに怪物種が蹴散らされる、だがーー。
『ゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ』
怪物種達は止まらない。
1匹がダメで2匹、3匹、それでもダメなら4匹、5、6、7。
ダンジョンでの生態と同じように、青い血の化け物は神話の生き物を襲い続ける。
「なんだ、なんなんだ……ここは、ここは俺の異界だ……! なのに、何故……!? はっ!」
「よお、ペットの心配もいいが、自分の心配を優先した方がいーんじゃねえの」
赤い大地を蹴り、神獣の足元を抜け、一瞬で耳男が神に肉薄。
そのまま手斧を頭めがけて振るう。
「ッ、異界命令、動くな!」
「あっ、くそ!」
びしっ。
耳男の動きが止まる。
電気を浴びたかのように硬直する身体。
神の蹴りが耳男の腹を蹴飛ばす。
「ギャ!? アアアアアアアアア!! 死ぬウウウウウウウ!! よっしゃ! 治った!」
ボロボロと内臓をこぼしながら吹き飛び、立ち上がる頃にはもう全ての傷は治っている。
「……あっ、味山、只人、それは」
「お、鷹井、お前まだ立ち上がれねえのか? 参ったな。アイツやっぱ近接強いわ。んで、タイマンだとクソゲー能力で強制スタン喰らわされるっぽい。めんどくさいペット共は今の所耳の創作で足止め出来てるけど、時間制限はあるな」
「ははっ……手を貸せ、そう言ってくれてるのか?」
「ものわかりがいい奴は好きだ。アレを殺すには人手がいる、手を貸せ、骨」
「……ああ、頭数に入れてくれて光栄だよ」
脂汗を浮かべて笑う鷹井。
特に何もなく普通に笑う味山。
「……なんだ、お前は。何故お前は立てる? 何故死なない、何故動ける? いくら神性の突破が出来たとしても、ここは異界だ……全ての法則は我が管理下にある、なのにお前は……」
「あー? そりゃまあアレだ。気合いと根性でえ」
味山が肩をぐるぐる回しつつ、笑って。
がぱっ。
耳面にふいに、口が生えて。
『ンなァにが〜! 気合いと根性ですか〜!? この化け物がァ〜!! この私! 天邪鬼様の神通力のおかげにきまってんでしょうがよ〜!!』
「お、そういや、お前いたな」
『いたな、じゃねえんですよ〜バカがァ〜!! いいですか? よく聞きなさい〜! 1分です! あと1分なら異界の中和は保ちます! そこの人間も動けるようにしておきますから〜1分であのボケ神を殺しなさい〜!!』
天邪鬼。
味山只人を敵に回し、ついにその肉体の牢獄に囚われた哀れな神が叫び出す。
「お前、今指図した?」
『あ、いえ、すみません。あの、殺してきてください。ぶっちゃけ異界の効果的に中和なしだと普通に殺されるので』
「了解、おい、いけそうか?」
「……世界は広いな。いいね、面白くなってきた。お前とならどこまでも飛べそうだ」
「それ、ちょっとキモイな」
「はは、手厳しいな」
ごり、ごりりり。
鷹井が立ち上がる。
「鷹井、ここで決める、イメージだ。お前の中にいるそいつは味方じゃない。お前の道具だ、そいつに言え、そいつから奪え、戦う為の力を」
「道具……ああ、なるほど。お前のそれはそういう事か……」
鷹井が眩しいものを見るような目で、味山を、そして味山が生み出した化け物達を見つめる。
「まあ、感覚の話だ、今後その力を使うときはそんなイメージでやると、この超最強最高級インテリ能力、耳男みたいな――」
「ああ、なるほど、こう、か?」
「あ?」
めきき、ばきき。
味山はそんなつもりじゃなかった。
ほんの少し、鷹井の出力が上がればいい。
そんな雑な思いからこぼれた要領を得ないアドバイスだった。
なのに。
「これは……凄いな、こういうのもあるのか」
骨の、面。
中世のスリット付きの騎士兜を思い起こさせるデザインの骨の面。
部位保持者が腑分けされた部位から引き出す力の中でも、最高の位置に存在するもの。
化身。
味山只人は100の死を経て、化身の亜種たる”耳男”にたどり着いた。
だが、鷹井空彦、戦争英雄は――。
「ははっ、いいぞ、これならお前の足手まといにならなくて済みそうだ。いろいろ試したい事もある、いい気分だ……」
「あ、そう……ふ、ふーん……へ、へえ~なんか、ちょっと、おしゃれじゃん……いや、でも俺、右腕燃えてるし……左腕骨だし、変形できるし……首からギミック出るし……別に、いいけど……」
凡人の雑なアドバイス。
それだけで、鷹井は部位保持者としてのステージを駆けのぼった。
天才はいる、悔しいが。
ちょっとしょげている耳男、そして骨兜。
深淵からたまたま奪った者、深遠に見出された者
部位保持者が資格を得る。
PIPIPIPIPI
端末が鳴る。
味山のものではない、鷹井の懐からだ。
「おっと、そういえば連絡していなかったな。すまない、味山、少しいいか?」
「あ? いいんじゃね、なんかあの神様、うずくまってぷるぷるしてるし」
「悪いな。ああ、すまない、俺だ。蛇丸か? ああ、そうだったな、悪い」
『鷹井! 今更あなたの独断専行に文句を言うつもりもありません、あの化け物女の指示という事もあります、ですが、定例の報告がないのは困ります! 貴方は我々のエースだという自覚を!!』
「すまなかったって。ああ、そうだ。ちょうどいい、これから神を殺す所だ。配信モードにしておくから録画しておいてくれ、戦闘ミーティングで使いたい」
『は?』
ぶうううううううん。
鷹井の端末が変形。
4つのプロペラ、小型のドローンのような形状に変化して。
『うお!!?? ば、化け物が2人……!? は? た、鷹井なのですか?』
「ははっ、映像は……届いているみたいだな」
『ちょっ、おま、鷹井!? あなたいったい今どこへ!? この赤い空、まさか今トーキョー上空の嵐と関係が……鷹井、状況の説明を、た――』
ぶちっ。
鷹井が指を鳴らしたとたん、端末からの神経質そうな声が消える。
「あ~すまない、電波が悪い、もう声が聞こえないな、だが、了解だ、蛇丸、話はあとで聞くよ。さて、すまない、待たせたな」
「お前、あんま周りを振り回しすぎんなよ? はげるぞ、あの通信相手」
「ははっ、いい育毛剤をプレゼントするさ、さて……」
ふわふわ浮いたドローンが上空へ。
2人の探索者が、前を見る。
「ああああ……! 一匹ならず、二匹も! なぜ、我が異界の中でまだ人間が、下等生物が生きている……!!! あああああああああ!!!! 屈辱だ、屈辱だ! 違う、俺が弱いからじゃない! 俺は、俺は父上の子だ!! 大いなる雷霆の主、高き館の主……!! サル共に、ああ、我が王に種を……ああああああ」
神の異界を探索する資格を得た人間。
異界を支配する神。
変わった世界、Ver2.0”レベルアップ”。
この世界の主題。
ダンジョンを通じて帰還した神話達、そして数億年の進化を経て霊長となった頂点捕食者。
神と人間、生き残るべきはどちらか。
「よし、終わらせるぞ、骨」
「好きに動いてくれ。耳」
「猿ども、がああああああああああああああああああああああああああ!! 神の裁きを受け入れろ!!」
赤い大地が隆起する。
戦争。
神獣と怪物が殺し合う世界の中、神がその戦場へ足を踏み入れる。
銀の槍を構え、雄たけびを上げ。
「邪魔だっ!!」
『ぎょおおおおおおおおお』
醜い血肉から生まれた怪物を蹴散らし、神が戦場を踏み荒らす。
「骨!! 上げて行けよ!」
「ははっ、もちろんさ! ”骨尽くし”」
鷹井、骨兜が地面を踏み鳴らす。
見上げるような骨のオブジェが赤い地面を裂き現れる。
複雑な軌跡を描き、神獣を貫いて。
『がああああああ!? な、なんだ!?』
『人間だ! 主の元に行かせるな!!』
『どこだ! ああ、早すぎる!!』
駆ける、駆ける。
戦場を駆ける、耳男と骨兜。
神獣の牙を躱し、なんか攻撃してくる怪物の頭を殴ったり。
『かちかちかち』
「おっと! あぶねえ! このクソ蟻! 噛んでくるぞ!」
「噛んでくるぞ!? 味山! 君の生み出した怪物、君にも攻撃してくるのか!?」
「そうっぽい!! この辺は今後の課題だ、な!!」
『ぴょおおおおお!?』
上空から攻撃してきた大鷲の爪を受け止め、そのまま振り回し、グライダーのように移動に利用する耳男。
「うおおおおおおおおおお! 味山スペシャルホークグライダーブレスオブザワイルド!!」
「ははっ! ははははっ! なんだそれ! そういうのもあるのか! 面白い! 負けていられないな! 骨滑り!」
骨のスノーボードを作成し、滑るように移動する骨兜。
天から、地から、部位保持者が戦場を抜け、神に挑む。
戦争の神が、ふざけた方法で戦場を抜けた敵を見つめる。
己の異界を、人間に自由に動き回られる。
それは、人間でいえば己の部屋で異様に動きの良いゴキブリがHIPHOPを鳴らしながら跳び回るに等しい光景で。
「神器、解放」
「お、やべ」
「ははっ」
神が振るう銀の槍が光の波になる。
異界そのものを覆いつくさんばかりの光が怪物や、神獣ごと探索者を飲み込んで――。
『バカな! 主、なぜっ! あああああああああああああ』
神獣達の悲鳴も、もうその神には届いていない。
「ははははは、はははははははははは!! どうだ、サルども! これこそが、神の威光、神の裁き、そうだ、ヘラクレス、あの半神も最初からこうすればよかった! 俺が、俺が、人間に負けるはずなどないのだ!! ははははは、は――?」
どろり。
神の嗤いが止まる。
光が過ぎ去った場所、薄汚い血肉がまだうごめいている。
『じゃろおろろっろおr』
『ぴょおおおおおおお』
怪物が、また生まれる。
「ちっ、なんとしぶとい、だが、あとはもう害獣狩りだ、さっさと終わらせて」
「ははっ、おいおい、さすがに戦闘慣れしてなさすぎじゃないか?」
「あ?」
ズッ。
神がひざを曲げる。
地面から生えた腕、それが神の足を握って。
「やあ、ご機嫌よう」
「っ!! 骨サルが!!」
骨兜が、地面から一気に飛び出す。
その腕にはドリルのような骨の槍が。
地面の掘削、地中移動。
腑分けされた部位は、部位保持者のイメージに従ってその性能を発揮する。
「骨サル!!」
「ははっ、神とやるのは初めてなんだ、最期までよろしく頼む」
超高速戦闘。
天才と戦の神の近接戦。
銀の槍と骨の槍が組み合う。
一瞬で砕ける骨の槍、にやける神。
銀の槍が骨兜を貫かんと。
「こういうのもある」
パチン。
骨兜が、銀の槍先を躱す。
同時になる指鳴らし。砕けた骨の槍の破片が一斉に礫となり、神の腹に穴をあける。
「あ、が!」
「骨散弾、これはいろいろ悪さが出来そうだ」
「ふざけ、るなァ!!」
銀の槍がまた光る、異界すべてをさらうマップ兵器のごとき攻撃。
それが、また――。
「やはり、慣れてないな。君は」
「は? ははは、恐怖か? 地面にはもうかくれても無駄だ。地面事吹き飛ばして――」
「いや、そんな話じゃない。君は疑問に思うべきだ。なぜ、俺の攻撃がまだ君に通るのかを。まさか、忘れてしまっているのか?」
「なに?」
『じゃろろろろろろろろろ』
直上。
蛇の怪物が、神を丸呑みにしようと覆いかぶさって。
「舐めるな!!」
骨兜を蹴飛ばし、反動で槍を上に放る、蛇の化け物の首が吹き飛んで。
ずるり。
「ばあ」
「は?」
ぐちゃ、ぼっ。
蛇の首の断面から耳が生えた、耳男だ。
怪物の身体の中に潜んでいた耳男がそのまま神を上殴り、地面にたたきつける。
「あ、ああああああああ!!」
「ギャハハハハハハハ!!」
「ははっ!」
神の叫び、人の嗤い。
神器が何度も振るわれる、そのたび骨が肉が飛び散り砕ける。
だが。
「骨!! 武器!!」
「こうか!?」
にゅっ。
地面から生えたバカみたいにでかい斧。
耳男がそれを蹴り上げ、そのままフルスイング。
「ひっ」
ごりりりりりり。
神の神性、そして天邪鬼の神性が互いに中和し合う。
「ギャハ」
TIPSを、聞くまでもなかった。
弱者たる、味山は見逃さない。
大斧の一撃、その瞬間、神が半歩、退いたのを。
TIPS€ 神はお前達を恐れている
「ははっ」
「あっ」
神の腕を骨兜がいつのまにか生み出した骨の鞭がからめとる。
無限の骨武器の製造、その運用。
戦闘の天才に無限の攻撃リソースを生む部位の最悪な力。
「ああああああああ……死ね、死ね、死ね死ね死ね死ね死ね死ね!!」
神器が神の膂力をもって振るわれる。
当たれば必滅の一撃。
だが、骨兜にはそれは当たらず、耳男は当たっても数秒後には命を取り戻す。
「ははっ、今のは危なかった!」
「ギャハ! いってええな! クソが、これで100回以上死んだぞ!」
近接戦。
生き物が生き物の命を奪う原始の戦闘形式。
TIPS€ 神はお前達との戦闘を恐れている。
神秘種の神性が揺らぎだす。
「ありえない! この俺が、なんで!? なんで! サル2匹を殺せない! なんで死なない!? なぜだ! 俺は神で、お前達は人間なのに! これは神の裁きではないのか!? ここは俺の異界じゃないのか!?」
神の嘆き。
「ぎゃは」
「ははっ」
探索者は笑みを浮かべて攻撃をさらに苛烈にさせるだけ、返答はない。
「あああ、あああああああ!」
「ぎゃはははは。ギャハハハハハハハ!!」
「ははっ、ははははははははははははははは!!」
『あ~、同情しますね~でもね~オリュンポス。わたしも、お前も勘違いしてたんですよ~、人間なんて神にとっては獣、家畜に等しい~当然ですよね、神性も神器もない下等生物、おもちゃにすれこそすれ、脅威に感じる事すらありえない~』
神が、神の血が地面に垂れる。
青い血が、地面に垂れる。
耳男のうちに潜むとらわれた神がじっくり、じっくりアレスの神性を溶かし続ける。
『あ~でもね~、オリュンポス、哀れな神よ、わたしが、そしてきっとあなたが敗れるこの生き物ね~人間じゃないんですよ~生存と繁殖を史上に生きる人間という生き物じゃないんです~』
「ははっ! なんてスリルだ! なんて時間だ! ああ!! このまま永遠にやり続けたい! そんな気分だ!! 骨、動け! まだまだこれからだ! もっと、もっと、もっと楽しもう!」
「ギャハハハハハハハ!! 耳の創作・重複肉放射!! ぎゃははは!! できたァ!! ほい、行ってみよう!!」
骨の槍が、ナイフが、鞭が、縦横無尽に動く骨兜によって操られる武器が神の肉を削いでいく。
まろびた血肉が、耳男の手の中で混ざり合い、反発し、血肉の濁流となって神の身体を侵す。
『殺し、戦い。生存も繁殖も考えない、刹那の瞬間にすべてをかける。人間の、人類の生み出したはみだし者、群れに属さない異常者』
「いい! やはり、戦うのは、命がけの戦闘って」
「ギャッハ! いい気になって調子に乗って他人を好き勝手する奴を殺すのってよお! やっぱァ!!」
「「超たのしい!!!!!」」
『探索者っていう、変態なんですよね~』
ごりりりり。
ぐちゃっ。
TIPS€ 神秘種アレス”神話攻略”完了――戦闘で追い詰める
TIPS€ 神秘種アレスの神性、陳腐化
骨の斧が、神の兜を砕く。
骨の鞭が、神の四肢を縛って。
「全骨折」
「あっ」
ばききききききききき。
神が、苦悶の声を上げ、地面に崩れる。
神は最期の、最後にようやく本気で気づけた。
これは、裁きではなかった。
「ははっ。なるほど、全身の骨が折れたら、立ち上がれないのか。神秘種、神を名乗っているが、君は、やはり――」
「ただの生き物だなァ!! つまり、殺せば終わり、俺と同じ生き物! 裁きじゃねえんだよ、てめえらがやるべきは! いいかァ! あの世で仲間にこう伝えな、腹くくれ、これは、俺とおまえたちの――」
耳男の手斧が振り上げられて。
『生存競争だったんですよね~、あ~キッショ』
ぼんっ。
首が飛ぶ。
あまたの女神を魅了してきた美しい顔が。
くるくる飛んで。
「あ、あああああああ……己、おのれ、おのれ……死ね、死ね、死ね死ね死ね死ね……!」
神の首が、光輝く。
じゅる。
首無しの胴体が立ち上がり、銀の槍を掲げて。
TIPS€ 警告、神体の再覚醒――
「あ、そうだ、お前が探してる神様からの伝言だ。強制種付けプレイはごめんだとよ。ぎゃはは、ふられてやんの」
「あっ、貴様、やはり!! わが王を!! 神秘の胎を!どこだ、彼女はどこに教えっ」
ぶちゃっ。
骨の槍が、神の生首を貫く。
「ははっ、引き際は大事じゃないか? 紳士らしくいこう」
「が、あ……さ、る。が、ああああああああああああああああああああああああああああああ」
「おさるさんでええええす! うききき! ――いいから死ねよ」
骨兜が、首を切り刻む。
耳男が、胴体を怪物の死骸で叩き潰す。
「あああああああああああ……ちちうえ、俺は、ただ、あなたに、認めて……」
ぼっ。
神の身体が崩れる。
ぴしっ。ぴし。
異界が、割れて。
神が、死んで。
「味山只人の探索記録、クソ神、討伐」
「鷹井空彦の定例報告、とても、良い戦いだった」
部位保持者が、生き残った。
◇◇◇◇
~????~
あ、見つけた。
こんな所にいた。
味山只人――ァ――
読んで頂きありがとうございます!ブクマして是非続きをご覧ください!
凡人探索者コミカライズ企画進行しています!
Twitterで限定的にネームの一部公開してます。是非ご覧くださいませ!
凡人探索者4巻決まってます、これを機会に安心してWEB派の方も書籍版にも手を出して貰えれば幸いです。
引き続き何卒宜しくお願いします。
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