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凡人探索者のたのしい現代ダンジョンライフ 【書籍6巻作業進行中、書いてて凄いたのしかったです、読者の皆にはごめんね】  作者: しば犬部隊
部位戦争、"耳対脳みそ、内臓

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121話 バベル島防衛戦、及び部位戦争、戦果発表 都市伝説と戦場伝説

 



 ………

 ……

 …




 〜人知竜討伐後、2028年11月26日、午後16時21分頃


〜バベル島、表層、アメリカ街中央広場にて〜



「おぉうい、タテガミさん、これ、店の奥にあったぞ!! なんかの肉の塊!」




 鮫島竜樹が、布に包まれた大きな肉塊を抱えて、その場に現れた。




「くく! ナイス! 鮫島さん! 鉄火大鍋、火力中火!」



 廃墟の街並み、死の雰囲気がまだ残り香として香るその場所に、大きな火が灯っている。



 熱せられた大きな鉄鍋、踊る油に、肉の焼ける音。




「石沼、和川!! 一角オオブタの塊を鮫島さんが見つけた!! すぐ捌いてくれ!!」




「はい!! 料理長!」




「うめえ、うめえよ…… こんな状況なのに。うめえ」



「これ、怪物種の肉らしいぜ。一部のマニアだけの食品と思ってたけど、なんか、うめえ、沁みる」



 その炊き出しの周りには生き残ったものたちが集まる。みな、瓦礫やなにかに腰掛け、振る舞われた料理を頬張る。





「くく! 食え! むさぼれ! 餓狼の如く! 生き残ったのさ! ならば食って、生きるのだ! 生きるということは食べること!」




「くううう、うめええええ!! 料理長の怪物種料理沁みるわぁ」



「あ、おい! お前! つまみ食いすんなよ! ……もぐ、うめえええ」




 タテガミの周りに人が集まる。いつしか生き残った人間たちが集まり、タテガミの料理する怪物種の肉に舌鼓を打ち始めた。




 鮫島竜樹は、受け取った木皿に盛られたスープを飲む。




 暖かく、美味い。



 生きている、自分が生き残れたことがようやく実感出来た。




「はあ、うめえ……」



「お隣、いいですかな、鮫島さん」



 ベンチに座っていた鮫島に声をかける男がいた。



「ああ、タテガミさん。おつかれさんです。いいんですか、もう炊き出しは」



 鮫島の空けたスペースにタテガミがゆっくりと座り込む。




「スタッフに交代したので問題なし。……うむ、美味い。……なんとか生き残れましたなあ」



「……なんだったんすかねえ。連中、突然数が少なくなって、いきなりバタバタ倒れ始めて…… はあ、頭、痛くなんなぁ。……結局、あの野郎も探しに行かれなかったですしぃ」



 スプーンを動かしながら鮫島がぼやく。





「生きておりますよ、味山さんなら」



 ぼやきに、短く、しかし力強く、タテガミが言葉を返した。



「なんでわかるんすか?」




「炊き出しに集まったもの達がみな、噂をしています。この混乱の最中、島を駆け巡り、怪物を殺して回っていた化け物の話を」



 タテガミがスープを噛み締めるように、言葉を滲ませる。



「化け物ぉ?」



 化け物が化け物を殺して回ったんすかあ? と鮫島が眉を潜ませる。



「くく、耳男、耳の面を被り、右手に火を灯して、左手の骨から刃をくり出し、首には腕が生えるエラを持つ化け物。それは耳男と呼ばれていたそうです」




「……ヒデェ」



「くく、ですね。彼は自分のことをこう呼んでいたらしいですよ、アレフチームの、アジヤマタダヒト、だと」




 どこか、その話し方は誇らしそうに。




「……なんかぁ、あの馬鹿ならあり得そうなのが笑えるっすねえ」




「ええ、まったく、その通り…… だから、大丈夫ですよ。少し、遅刻しているだけですとも」




「……タテガミさん、皿ァ、1つよけてもらっていいですか? アイツが遅れて現れるかもしんねえ」



「くく、もちろん、さあて!! では次の品を! 生き残った我々はお腹を一杯にしなくてはなりません、生きているのですから!」



 タテガミが自分の膝をパァンと叩き、ノシノシとまた広場の中央に戻っていく。



「ボケがぁ、死んでたら容赦しねえぞ。遅刻は不問にしてやるからよお、さっさと顔出せっつうのぉ」




 高く、蒼い空。



 冷たい風にさらされる身体に、怪物種のスープはよく沁みる。



 友を思う、味山只人やグレン・ウォーカー、バベル島で出来た新たな友人達はみな無事だろうか。



「はっ、らしくねえ…… 無事に決まってる」



 スープを身体に入れながら、つぶやく。殺しても死にそうにないあの頭の程度の低い、気のいい彼らのことを。




「うめえ……」



 脂のよく染み込んだスープを味わう。



 祈る、食べる、味わう。



 鮫島竜樹は生の特権を静かに愉しみながら、空を見上げた。




 天高く、空は青い。多くの人が死んだ、それでも空は青く、スープは暖かくて、美味しい。




「うめえ」




 鮫島竜樹は、確かに生きていた。




 人知竜戦EDナンバー41


 "生の特権"








 条件達成!



『バベル島防衛戦においてアレフチームとの合流前に"人知竜端末の数を50%"以下まで減らす』



 端末の間引き、及び"人類軌跡、慈愛"の早期殺害により、タテガミ、鮫島の防衛していた陣地"美食倶楽部"の防衛に成功!



 鮫島竜樹、立神悠太郎、店舗スタッフ、全員生存!






 ………

 ……

 …



〜同時刻、あめりや、中庭にて〜



 死の気配が消え去る。



 2人の古き神仙が敷いていた結界がその役目を終えて剥がれていく。



 私は、それをお父様と並んであめりやの中庭園から眺めていた。



「雨桐、どうやら、終わったみたいだ。彼は、事を成したのだな」



「はい、お父様」




 呼べる。呼べる。本来なら最期の別れの時にのみ伝えれていたこの言葉を、向けられる。



 それはあの方のおかげ。ひどく、個性的な姿をしていたあのお方。




「ふふ、王の坊やがー、一丁前に親の顔になってて面白いね、ね、夕顔」



「そうだね、朝顔。血相変えてあめりやに滑り込んできた時は胸のスク想いだったね」



 ふわり、そよ風とともに、かの神仙が現れる。幼い顔に、悠久の時を湛えたその表情はいたずらっ子のようでいて、神秘的でもある。



「…….そういうあなた方も随分と、人らしくなられておいでで。初めてお会いした時の鉄面皮とはこれまた随分」



 お父さんが、キセルを取り出し口に咥えながらつぶやく。ため息まじりのその姿は、どこかあの人と似ていた。



「まあ、聞いたかしら、夕顔。この子、私たちに気をつかうのをやめたみたいよ」



「王の小僧のくせに生意気なのだわ。ほっぺたつねっちゃお、ね、朝顔」




「あだだだだ!! やめんか! このクソガキども!! ユートン! 言って聞かせてくれ! こやつら、とんとお前の言うことしか聞かん!」




 神仙がお父さんとじゃれ合う。



 私が見たかった光景、私がたどり着きたかった光景がここにある。




 わたしは、大きく息を吸う。



 あめりやの中庭、池の水が流れている。



 息を、吐く。



 私は生きている、生きて、こうして呼吸をしている。



「ええい!! 坚持不懈! 鬼作楽! クソガキどもを捕らえろ! 大人しくなるまで閉じ込めておけ!」




「きゃあ、小僧が怒ったわ、ね、夕顔」



「きゃあ、古き者を私欲でこき使ってるわ、ね、朝顔」



『主人よ、このお方達、夙きこと風のごとくで、捕まらぬ』



 お父さんと、2人の神仙様が戯れている。私は私が望んで願って、その中に居たいと思っていた夢の中今を生きている。




「……ありがとうございます」



 目を瞑る。あの個性的な姿、その内側にある凡庸で、それでいて不可思議なあの人の姿が焼けついている。



 きっと、無事だろう。きっと、無事なのだろう。ただ、願う、ただ、祈る。



 自分を人にしてくれた、あの凡人探索者の生存をただ。




「あなた様と、もう一度話がしたいです。どうか、どうか」



 無事を願う。あのおでん屋さんでまた。この夢が叶ったのなら、きっと。




「雨桐」



 2人の神仙様がいつのまにか、隣に。わたしを挟むやうに、右に左に。



「大丈夫よ、あの人なら生きているわ。全ての障害を打ちのめし、捻り潰し、また帰ってくる」



「どれだけ傷付いても、悩んでも、生きてる。何を犠牲にしてでも生きてるわ、ねえ、雨桐、これからあなたは1つ決断しないといけないの」




「決断……?」



「もうじきわかるわ。これから、世界は大きく変わる。そのうねりの中心にあの人はもう巻き込まれてるの」



「動き出したうねりはもう止められない、どこに行き着くかはまだわからないけど、それはもう必ず来る。ねえ、雨桐」




「「あなたはこれから何処に行きたい?」」




 2人の神仙の言葉が風に乗る。



 答えなんて決まっている。あの人が私を人にしてくれたから、こう答えられる。



 背後の、お父さんの視線を感じながら呟いた。




「私は、私の行きたい所に行きます。だって、生きてるんです。だから、何処へだって行きます。もちろん、行きたい人と一緒に」




 答えを得た。



 家族を得た。家族を失わず、たどり着いた。



 だから、きっと、大丈夫。



「「ふふ、ねえ、雨桐、あなた少し、背が伸びた?」」




 神仙の言葉に、背後のお父さんが噴き出した。




「ちびすけどもが、我が愛娘の腰ほどにしかないくせに…… ぬかしおる」




「「野孩子………」」



 神仙の2人がゆっくりと振り返り、お父さんに襲いかかった。



 また、あめりやの庭園にお父さんの叫び声と、笑い声が響いた。








 人知竜戦EDナンバー14 "桃娘の人生"





 条件達成!

 『"王龍"を防衛する』

 『"人類軌跡 慈愛"を早期に始末する』

 『"人類軌跡 慈愛"と"朝顔と夕顔"を接触させない』

 『"雨桐"を人に戻す』



 "雨桐"、"王"、"朝顔"、"夕顔"、あめりやの人々、全員生存!




 ………

 ……

 …


 〜同時刻、探索者組合ニホン支部、サポートセンター、籠城していた中央司令室にて〜







 ここでも、1つの戦いに終止符が打たれた。



 稲妻に打たれたように、一斉に人間の形をした化け物達の動きが止まり、次々倒れていく。



 こじ開けられかけていたバリケード、防火扉は間一髪の所で破られなかった。



 田村達、独自に動いていた自衛軍小隊は、この戦いを生きて、切り抜けた。



「田村軍曹!! 残敵確認完了! オールクリア!! オールクリアです! 探索者組合ニホン支部においての脅威対象目的はゼロ!」




「取り戻しました!! 我々の勝利です! 通信衛星との相互通信も全てグリーン! 付近の部隊からも敵性存在の沈黙の報告が次々と寄せられています!」




「了解、各員、最後まで気を抜くな。職員の方々の護送をはじめる」





「「「「了解!!」」」




 この半日たらずで急成長した隊員達がテキパキと動き出す。その姿に頼もしさを感じつつ、田村もようやく息を大きく吐いた。




「……お、終わったのですか? 田村さん」



「ええ、菊池さん。どうやら、そのようです」



 拳銃を構えて出入り口を見張っていた男、菊池という職員に田村が手を差し伸べる。



 強く互いにその手を握り合う。




「……ここの、いえ、探索者組合ニホン支部を代表して、あなた達に感謝を。あなた方の部隊が地下通路を通って加勢に来てくれなければ、我々は多分生きていませんでした。ニホン国民としても誇りに思います」




「いえ、これが職務なので。……我々もあなた方の義務遂行の姿勢に最大限の敬意を」



 田村が敬礼を菊池へと向けて、向かい合う。



「………ふ」



「……ふふ」



 どちらからともなく笑い合い、肩を組みあった。




「「あああー!! 死ぬかと思ったああああ!!」」




 中年のおっさん2人が大声で笑い始める。




「いや、ほんと、最終防火扉まで来た時はどうしようかと思いましたよ!」



「おっしゃる通りで!! いやー、銃弾の備蓄があったからよかったものの、ねえ!! ほんとよく生き残ったものだ! イギリス街が消滅したと聞いた時はもう、ねえ!」




 大の大人が笑いながら苦労を語り合う、意識しての事だった。



 自衛軍小隊とニホン支部サポートセンター、それぞれの上長が笑い始めたことで、周りの部下達にもそれが伝染し始める。



 口々に互いの生を讃えあい、喜び合う。



 そこには確かに生き残ったものたちがいた。





「イギリス街に現れた巨大怪物種も、アレフチームが対処したみたいです。これで、バベル島は今日を生き抜いた」




「アレフチーム、そうか、味山さん、やったんだな」




 菊池の言葉に田村が頷きながら、あの探索者の名前をつぶやく。




「……おや、田村さんも彼のことをご存知だったので?」



「というと、菊池副室長も?」



 奇妙な縁だった。


 1人の凡人探索者が、軍人と職員の縁を繋ぐ。




「……まさか、先程まで通信で騒がれていた"耳男"って」



「……ああ、うん。おそらく、というかあの男だ。実際に、その、ここに救援に来るまでに一度会ったのだが、そんな感じだった」




「………耳男」



「耳男」




 田村と菊池が、繰り返す。



 耳男、間抜けなワードを繰り返し、また笑う。



 そこにはただ、たたかい、生き抜いた凡人達の、中年のおっさん達がガキみたいに笑い合う光景があった。







 人知竜戦EDナンバー55 "おっさんズ・アライブ"





 条件達成!


『バベル島防衛戦においてアレフチームとの合流前に"人知竜端末の数を50%"以下まで減らす』

『バベル島防衛戦において、田村英夫の所属する自衛軍小隊を救援する』

『"人類軌跡 慈愛"を早期に始末すること』

『ニホン"霊的防御システム"ダンノウラ"を作動させない』

『各地の軍勢力と敵対しない、"耳男"への評価が"友軍"

 以上を維持する』




 田村英夫含む自衛軍小隊生存! 菊池清吾含む探索者組合ニホン支部サポートセンター職員生存!





 ……

 …




 〜2028年11月26日以降の世界状況〜




 爆発的に始まったバベル島防衛戦は、2028年11月26日の夕方に終戦。全敵対怪物種の停止により幕を下ろした。



 同日、"ストーム・ルーラー"の完全稼働を全世界が確認、アメリカ合衆国に多数の国が批難声明を送る。



 "ストーム・ルーラー"稼働の影響は全世界的なものとなり、北半球、南半球においての天候の大幅な乱れを確認。各地で数年ぶり、季節外れ、発生経緯不明の爆弾低気圧の発生を確認。



 また同時に因果関係は不明だが、北極点の位置がアメリカ大陸側に1日で大きくずれ始めていることを多数の国の研究機関が報告。地軸の乱れと號級遺物の稼働の関係について調査が待たれる。



 またストーム・ルーラー稼働時の衛星写真がネットにて流出。空に向けて逆さまに落ちる雷や、塔のように重なる雲の写真は世界に衝撃を与えた。






 国際世論に、1つの影が落ちる。




 アレタ・アシュフィールドという個人に、このような巨大な力を持たせるのは危険ではないか。



 あまりにも、今更で、あまりにも、考えなしのその言葉は次第に、毒が身体を少しずつ蝕むように広がっていく。









 ……

 …


 〜バベル島防衛戦後、バベル島近況〜




 バベル島はその機能の4割を喪失。数ヶ月の間は通常の運営は困難として、探索活動は最低限に抑えられる。



 探索者の数も、死亡者、そして引退者を含めて5割近く、たった1日の防衛戦にてバベル島、ひいては探索者というシステムは大きな痛手を被った。




 バベル島に駐留していた国連常駐軍や警邏部隊にも大きな損失が発生。ダンジョン内での間引き活動や、島の治安維持に大きな齟齬が発生する。



 これを受けて国連と探索者組合は数年後の予算案に算定されようとしていた計画、"オートメーション・バベル"プログラムを緊急発令、及び施行。




 秘密裏に実験が進んでいた最新鋭軍事兵器のバベル島運営への大量投入を決定。




 段階的に配備されていたドローン兵器に加え、思考自立二足歩行兵器、思考自立多足兵器、いわゆるロボット兵器の投入が進められる。



 また常駐軍の装備に関しても、一部の先進国で配備されている強化外骨格、パワードスーツなどの実験的配備が決定。探索者への供与は"酔い"の影響を加味して今のところ計画されてはいない。



 ロボット兵器群については、バベル島防衛戦において正体不明の電波干渉によりドローン兵器使用不可との報告が現場より多数あがっていたものの、上層部はこれを黙殺。ある種の強行配備感は否めない。





 バベル島は大きく、変わっていく。




 〜未確認怪物種について〜



 今回の一連の怪物種の大発生、"ホード"については組合が強行偵察を行っていた"未確認怪物種"による攻勢と組合は結論づけた。



 人形怪物種が、人間を素体として生み出されたモノであること、過去の未確認怪物種との関連が推定されていた行方不明者が、人形怪物種として地表に現れていたことなど状況からその結論が可決された。




 本体、人知竜、人型怪物種が口々に叫んでいたワードから未確認怪物種の仮名を"指定怪物種44号 人知竜"として仮定。



 また、島に突如出現し、沿岸警備艦隊との戦闘を繰り広げた超巨大怪物種についても関連が予想されている。



 なお、指定怪物種44号"人知竜"は既に、ニホン上級探索者"貴崎凛"とニホン探索者、味山只人両名の手により討伐がなされており、接触禁止の振り分けはされていない。



 上記2名は、指定探索者アレタ・アシュフィールドにより救出され、現在医療機関での治療中。



 貴崎凛以外の強行偵察班は全滅、貴崎凛の意識が回復し、調査が可能になれば追って詳しい話を聞く方向とのこと。




 この11月26日はのちに、バベル島誕生以来の大災害として認定され、一連の事態発生から収束までの12時間を"バベル島防衛戦"と呼称。




 このバベル島防衛戦には謎が多い。




 追記 バベル島防衛戦時、各国の通信記録や探索者の目撃情報に記録されている"耳男"という存在と味山只人との関連性は探索者組合が公式に否定している。酔いによる興奮と集団催眠が見せた幻であるというのが公式の発表となっている。




 ※2 "納豆男"という存在も、"耳男"の存在の影に目撃情報が散見される。組合はこの存在を完全否定。しかし、ネット上で"耳男"や"納豆男"の画像、通信音声記録がどこからか流出。"耳男"、"納豆男"はバベル島防衛戦においてのフー・ファイター(戦場伝説)として記憶されている




 また、その他の不明な点について、公文書館の大虐殺もバベル島防衛戦の大きな謎として残っている。



 多数の人型怪物種の大きく欠損した死骸とともに、殺害された公文書館職員の死骸がなんらかの規則性を持つかのように公文書館内に並べられていた。



 本棚の上に配置されていたり、まるで生きているように本を持たされて死亡していたり。



 それだけでも不可解だが、さらに不可解な点も存在する。唯一、遺体を発見できない職員が存在するのだ。




 死骸が見つからなかった職員の名はレア・アルトマン。混乱の中で命を落としたとされる彼女の仕事部屋から殴り書きされたノートが見つかっている。




 組合はしばらくの間、彼女の行方を捜索していたが12月も中旬に入った頃、ようやく彼女の名前もバベル島防衛戦の死亡者リストに数えられた。




 ※部屋から見つかったノートには短く、殴り書きされていた





『I remember everything. The world of fucking, die!』





読んで頂きありがとうございます!ブクマして是非続きをご覧ください!



<苦しいです、評価してください、感想ありがとうございます! 励みです!> デモンズ感

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 最後の英文がおかしいかも 耳がわけわかんないこと言うのは良いんですけど、ネイティブが書いたものがこれだと問題ありかも
[良い点] 最高。救われた。僕も救われた。ありがとう先生。 [気になる点] タテガミさんの名前は、悠太郎?それとも英明?どっちが正解ですか? カスミトラの1件で準遺物の鉄の鍋の所有者は、立神英明と記…
[一言] ED名が秀逸すぎる
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