プロローグ
むかしむかし、一つの大きな国がありました。
その国はたくさんの資源もなければ、すごい技術もありあせん。
それでもその国は豊かでした。
なぜならたくさんの人を売買していたからです。
一人当たりの利益も高く、なにより枯れることも衰退することもないその産業はたくさんのお金を生み出しました。
しかし、それだけでなく民の怒りをも生み出してしまったのです。
売買される人たちの多くは、民の半分以上である貧しい人たちでした。生活をしていくためには自分の子を売りに出すしかなかったのです。
また、人さらいもたくさんいました。ただ働くよりも稼ぎが良かったからです。
こんな国は間違っている、と民は立ち上がったのでした。
戦争は始まり、すぐに終わりました。国に従っていた兵士たちもこの国は間違っていると思い、民に味方したからです。
王妃は城で剣に刺され死にました。
王子は崖に落とされて死にました。
王は民の前で首を落とされて死にました。
人の売買に関わった人たちは厳しい罰を受けました。
そして国は、富める人から貧しい人までみんなが仲良く暮らせる理想郷へと変わっていきました。
今日も国は笑顔で溢れています。
めでたし、めでたし。