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4話 魔族との出会い

かなりマイペースです。

夜が明けじめた頃。

目を覚ますと、未だにグーすかねてる怠惰天使が目の前で寝ていた。

そう言えば自分いつ寝たんだろう?


「おい人間!ようやく目を覚ましたな!」


そんな声の主を探してみるが、自分と目の前で寝ているリンさん以外に人らしい気配も感じられないし見られない。


もしかするとまた魔物なのか?それにしては姿が見えない。声音的に女の子ぽい?けど。


「どこを見ておる、お主の影を見てみろ」


そう言われて自分の影を見てみると、紫色の髪の間から二本の角が生えた少女が顔だけひょこっと出ていた。


うぉ!?なんだその奇天烈な登場のしかたは。


「んー?どうしたんですかー?迷子なんですかー?」


「だれが迷子じゃ!こっちはお前らが起きるまで待っていたんだぞ?」


「え、待ってたんだ」


リンさんが頭だけ出ている少女に話しかけてる。そしてまた寝る。

てかあの子律儀な人だな。


しかしさっきのは寝言だよな?また寝始めたんだけど……普通なら僕の視線に気づき即ビンタされているであろうこの場面。

ただえさえ普段から露出が多い服着てんのに寝巻きまで露出度が高いとは。


「ふん。生娘だと思っていたら単なる阿呆とは。それに、儂を見た途端突っ立っているだけになっているこいつも……クフフッ儂の剣呑にやられたか。強過ぎるのも罪よな。」


なぜ僕は動かないか?動かないんじゃなく、動けないのだ。

いかんせん足を動かそうにも釘を刺されたみたいに動かせない、かといってその剣呑とやらに怖気づいてるわけでない。


「おい人間!何か言ったらどうなんだ」


「んー、もううるさいわねー」


おっと、ややこしい人が起きたぞ。

目をこすりながら肩の紐が垂れているといういけない状態だ。


ほほう?これはなかなか乙なものですな……合掌!


だがこういう場合アニメとかではお決まりといっても過言ではない赤面場面があるのだけれど。この怠惰天使は羞恥心はなくただただジト目を向けてくるだけだった。


「ちょっとあんた、今変なこと考えたでしょ!」


「め、めっそうもない!いつも通り平常運転ですよ」


ちょっと期待した自分がバカでした。


いかんせん、女の子と普通に話したことない。

僕は挙動不審になりながらも必死に否定する。


そういいえば向こうで僕はどうなったんだろ?熱中症で倒れた?それとも倒れたを通り越して死んじゃったり?そうなってくるとシャレにならない……

まぁまた今度聞こうか。


「おい!そこの訳の分からぬオーラを纏ったやつ!」


っとすっかり忘れてた。

なんせ顔だけしかでてないから存在感も薄いわけで。

でもオーラってなんだ?もしかしてリンさんのことだったり?まぁ一応天使だし。


「生娘じゃないほうじゃ!よくも儂をのけものにして楽しく話をしおって!」


「だれが生娘よ、首しかでてないあんたに用はないのよ!」


「むぅ?あぁ忘れておったわ、よっいしょっと」


そう言って這い出てきたのは黒の着物に身を包んだロリっ子だった。

見るからに小学六年生くらいの子。

首しかでてなかったときも顔からして童顔だなーとは思っていたから想像通り可愛いロリッ子がでてきた。


「こう見えて儂は二百五十年近く生きている立派な大人じゃ!そして名はシャルルド!魔王様の側近にして最強の……とにかく魔王様以外には負けん!」


「に、二百五十年って……にしても外見子供じゃん……」


魔王がどうこうよりも、驚愕の数字と容姿に唖然としている。だがそれも無理はないだろう、なんせ百歳まで生きている人を大々的にテレビで取り上げる日本人感覚には衝撃が強かった。

しかも目がクリッとしてて口も小さく、見たことないくらい可愛い。


挨拶を聞きどう思ったのか、突然腰を持ち上げたリンさんがその女の子の近たで歩み寄り、そっと角を触ろうとして……叩かれる。


「なに無礼なことをしようとしている!儂はこれでも領地を治める魔族、仮にも角を触れられでもしたら……想像もつかん……。」


「ふーん、やっぱり魔族だったのね。ふつうに角が生えてる話す魔物とかなら触ってもなにも言わないもの」


「む?信じていなかったのか……それと、その魔物は単に阿呆なだけじゃ。知能が高い魔物ほど誇りも高いゆえ象徴とする部分など触ろうものなら自殺行為でしかないぞ」


なるほどねぇと納得をしていると、ふと疑問に思ったことが。


「えーっとシャルルドさん?仮にも一国を治める貴女がなぜにここに?」


「ふむ。そうじゃった!お前さん達が来る少し前、儂の領地を脅かす犯罪グループがここの付近にいたのじゃ。それから身の程を知らない奴らには直接我が裁きを下そうと儂が直々に赴いたらアジトらしきところはすでにもぬけの殻じゃった……」


そう一区切りし。



「解せぬ」



まさか前の世界で使われていた解せぬという言葉に不相応な見た目が相まって内心笑いそうになるのを堪える。


そんなことよりも、僕らが来る前に犯罪グループはこの近くにいたって言ってたし、捕まっていないとなればまだ近くにいるかもしれない。それかどこか遠くの方へと。


「それで?結局探したが、いなかったからほっつき歩いていたら私達がいたと」


「うむ、大体そうじゃ。興味があるオーラがいたからの」


案外適当な理由だし、仕事よりも興味を優先させるあたり人間とは少々ズレがあるのか。

しかし、そのオーラとやらに心当たりがないので聞いてみる。


「あの、そのオーラ?って何ですか?」


「そうそう、貴方にまだ教えてなかったわね。この魔族が言うオーラっていうのは人間でいう魔力のことよ。一般の人はこんな魔力は持ってないはずなんだけどまさかねぇ〜」


「ということは僕も魔法が使えたりするんですか!?」


「なに、お主知らずのうちにそのオーラを纏っていたのか?」


「知らずもなにも感じ取れる訳ないじゃないですか。おまけに魔力をもっていること自体今わかったんですから」


こっちの世界に来てから寝る前に瞑想とかやってみたけど魔法の魔の字もなかった。


「なんじゃお主魔法が使えんのか?」


「え?まぁそうですね、というか教えてもらったことないですし使い方なんてわかりませんよ」


当然リンさんにも魔法を教わろうとした。いや実際頼んでみたが「なんでそんな面倒くさいことしなくちゃいけないのよ」と追い返された。

ほんっと堕天使なんじゃないか?って時々思う。


「なるほどなぁ、よし!特別にお主は儂のとっておきを教えてくれよう!」


なっ!これは夢にまでみた魔法が使えるようになる瞬間なのでは!?


「あー、無駄でしょ?そもそも魔法に対する知識がないんだし覚えれないでしょ?」


「まぁ確かにそうじゃの。だが魔族の儂は、このオーラはなんのオーラなのか解明したくて体がウズウズしておるわ」


「魔法に対しての知識かぁ……。リンさん、次に向かう帝国には魔法に関する本とか置いてないの?」


僕がそう言うとシャルルドが反応した。


「お主、帝国というとパール帝国か?」


「そうです。この周りで一番大きな国といえばパール帝国らしいのでそこで冒険者とかやってみようかな?って」


魔法を目の前で見せられてこんなオタク心をくすぐられることはない。だからわざわざ帝国まで行って魔法に関する本を読み漁ってやる!

そして、俺TUEEEEE主人公に返り咲く!


これからの目的もできたことだし、早速帝国に行かなければ。


「あ、そうそう魔法の本読んで知識を身につけたとしても、素質が無ければ使えないからね」


そして、脆く崩れ去ったのだった……


「そうじゃな、儂は天才ゆえ魔法を操るなど赤子の頃からやっておったわい」


「私も天才天使様?赤子の時から使えましたよ?魔法」


「あーはいはい。天才なんですねー」


二人は自らを天才だと称して自慢をしてくるため無視だ。


「で、素質があるかどうかどう調べるんですか?」


「そりゃ、魔力操作じゃろ?」


「そうね、こうぐーってやってうーんってやると魔力は操作できるわよ」


「は?」


全っ然わからないしこの人本当に天使なのか?


「生娘の説明は鼻垂れ小僧並みじゃな、これでは天使もたかが知れるというもの、ならこの儂が教えてやってもいいぞ?」



まぁ本人がこう言っているわけだし、幸い僕自身魔力はあるみたいだから魔力操作くらいできるでしょ。


「ならまず初めに周囲の魔力を感じるところから始めるのじゃ」


「周囲の魔力っていったってどんな感じなんですか?」


「ふむ、そこら辺儂は天才だったゆえ苦労した覚えがないからの、ただ感じろとしか言いようがないわ」


あーうぜぇ……


「そうね、目を閉じて周囲に集中してみなさい。魔力の温かさってのがわかるはずよ」


木下で暇そうに干し肉を貪っていたリンさんはそう助言してくれた。

なんと魔力には温かさを感じれるらしい。なので言われた通り目を閉じ、集中する。


この世界の季節は日本でいう春頃の暖かさ風も丁度いい具合に吹き、気持ちがいい。


よし、段々感覚も研ぎ澄まされていくのがわかるぞ。

絶対魔力を感じ取って……ん?なんか冷たい?確か魔力は温かさがあるはずなんだけど……。


「な、お主まさか……!?」


誤字、脱字があるなら指摘してくれるとありがたいです。

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