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2話 魔法との出会いそして人と出会う

しばらくして光が明け視界が確保される。

そして転生先なんとは……墓地だった。


「あれ?ここ墓地じゃない。あなた相当運がないわね」


「昔から占いを外すのが趣味だったからそうなのかもです」


「ふーん、いい趣味してるじゃない、悪い意味でだけど」


なぜこう仲良く話せるようになっているか?

それは転生先、そう!なんとここに来るまでの間始めて会った女性のリンさんと話していると趣味が同じだった。


青白い空間の中をふわふわ移動している時暇だから付き合いなさいと言われあれこれ質問をされた。


そして、あの人も僕が住んでいる世界の書物、いわゆる漫画を好んで読んでいたらしい。


なぜ、女神界あるのか?聞くところによると一般人に紛れて買っているらしい。そこからは乙女の秘密!との事で教えてもらえなかった。


そして今に至る。

「ヴァァ……」


「なに?なんか言った?」


「いえ、なにも言ってないですよ?」


「ヴゥゥ……」


バタンッ————


「えーっとあの、もしかしたらなんですけど、今墓から這い出てこようとしてるのって」


「ん?あー、そうよあの穢らわしく醜い骨からしてボーンアンデットってとこかしら、あらあんたに似ているじゃない」


「えぇ……酷くないっすか?」


やがて墓から出てきたボーンアンデットそれは1体だけでなく2体3体と次々と這い出てきて群れと成していく。


正直アニメや漫画でしか見たことない存在だったが、美化されているためものほんのアンデットを目の当たりにしてみると気持ち悪かった。


「あ、そうそう言い忘れてたけどこの世界の魔物は強いわよ?」


え、それ今言います?ここに来てまもないのにそんな奴と会ったら即死———


「これでも女神の娘よ。私が聖魔法唱えるから少し離れてて」


そう言われリンさんから少し距離を置いた場所で見守る。


異世界転生初っ端から有名なアンデットや魔法を見られるなんて逆に幸運かもしれない。


まぁなぜか時間帯的には夜中?あたりだし出てくるだろう。


「【ばいばい、アンデット】」


リンさんがそう口にしたとたんよくある魔法陣と呼ばれる巨大な円形が地面に浮かぶ。


そしてとてつもなく速いスピードで魔法陣が回転を始める。


知性が皆無であろうボーンアンデットの群れは周りを照らすその光に導かられるかのように前進するのみ────


すると魔方陣は五つに分裂し、回転する。そしてまた分裂と繰り返えす。


もう数えきれないくらい分裂・回転をした魔法陣は人一人に収まる小ささまでになっている。


「すごいです!夢みたいだ!」


「ちょっと静かにしてもらえる?たかがアンデットといえども数が多くてこっちの制御も難しくなってるのよ」


あ、怒られちゃったか。でも興奮するでしょするなって方が難しい!なんて言ったって目の前で憧れの魔法が使われてるんだから!


先頭に立つボーンアンデットの下に一つの魔法陣がスーッと頭から被さり腰あたりで停滞し、そして発光。


シュワァー……


するとさっきまで気持ち悪い動きでこちらに近づいて来ていたボーンアンデットは発光が収まると同時に消えていた……


「あ、言い忘れてたんだけど、この魔法が終わるまでこないでねー!」


ボーンアンデットの呻き声から聞こえてくるなお聖魔法を使い終わったであろう人からのお告げがきた。


とりあえずわかったと返事をし目の前に起きていることに集中する。ずっとシュワァーって音とヴァァ……っていう音の交差が凄い。正直音だけは気持ち悪い。


よくテレビで見ていたビールのCMで聞くような音の後にゾンビみたいな鳴き声が聞こえてくる。まぁゾンビではないのだけれど。

初めて見る魔法、いや大魔法はざっと3分くらいで多くのボーンアンデット達を浄化しきった。


「これからまた違う魔法使うからこっちに————」


興奮冷めやらぬ僕は油断していた。というか魔法が終わった途端リンさんのお告げを忘れていた。


「え?」


「 だ、だからこ来ないでって言ったでしょっっ!!!!」


————

——


やっと光る人からの光が収まり、なぜか、はだ……げぶんげふん、とりあえずまたリンさんは魔法を施行し、今度は自分達の周りを照らすだけ。


なんせまた暗闇の中ワイワイ話してたら物珍しさからまたボーンアンデットが襲ってくるらしい。


それにしてもさっきのビンタは流石に痛すぎる……


「ねぇ、あの、さっき……」


「はい?なんか言いました?」


「何もないわよ!」


急に怒った!と思ったらブツブツ独り言を呟きながら歩いている。その後ろについて行く形で歩いていると前のリンさんが


「あ!あれ出口なんじゃない?松明みたいなのがたってるし!」


確かに火の明かりのようなものはみえる。


「はぁ、やっと出れるー!暗いしそこそこ時間かかったわね」


「はい、ちらほらまたアンデットが出てきてましたけどリンさんの光のお陰で寄っては来なかったですよ」


「夜に行動するモンスターだし光には弱いのよ」


知ってて当然のことをない胸を張って言うリンさん。

こうして、ようやく墓地からおさらばできる……が問題が一つ。


「ここをでたら次はどうします?街に向かうのが定石だと思うんですけど」


「私自身この世界にくるのは初めてなの。だから疎いけど街のある場所なら勘でわかるわよ?」


そうと決まれば早速出発をする。

無駄な荷物なんてないしね!



女の勘はあたる。と何処かの誰かが言った。だがこの人は別格だった。


朝日が立ち上ってから気づいたけど勘なんてあてにならない程の方向音痴過ぎて元いた墓地前に来ていのだ。


「あれ?おかしいわね、ここ墓地前よね?」


「そーですねー、昔のドラクエによくあるその場で足踏みした気分……」


「そのどらくえってのは知らないけどなんか文句あるならあなたがやりなさいよ!」


女の勘はあたる。だけど1握りだけ。

そして、後ろで不貞腐れて膨れている(可愛い)を尻目に、朝ということもあり道中で会った人々に聞き込んでいった。


聞き込みでわかったことは近くの村からすこし離れた墓地らしく、此処に来る人は少ないということ。


その村の名はマスタ村というらしく、よく商人達がその先にある帝国を目指す時の中継地点らしい。


「ねぇ、行かないの?早くしないと置いて行くわよ?」

「はぁ、とりあえず行き当たりバッタリでいいか……」


そう言って歩き始め、次なる目的地へ目指す。


あれから墓地からは遠ざかりかなり歩いたと思われるが未だ、一向に村らしきものが見えてくる気配がない。


「あーおなかすいたぁー」


「そうですね、何も飲まず食わずで歩いてますし、どこかで休憩しますか?」


「そうねちょっとあそこの……クンクン……あ、これ食べ物の匂い!」


「わぁ!ちょ、どこいくんです!?」


一目散に駆けていくリンさんの足は欲求を満たそうと単細胞になったかのように走る為ものすごい速かった。てか犬か!!


「ねぇねぇ!村があったわよ!」


「ゼェ……オェ……運動不足が走ると咄嗟に吐きそうになるやつやめて欲しい……というか本当に村じゃないですか」


目の前には、かなりボロボロに成り果てた村がそこにあった。


看板は半分しかなく柵はあっても意味を成していないくらいぐちゃぐちゃで、家はどの家も所々天井部分や壁に穴が空いている。


「えぇ、ここ大丈夫なんです?すんごいボロボロですけど」


「間違いないわ、これは私の勘が告げているもの」


「リンさんの勘あてにならなかったじゃないですか……」


「あれは暗かったから仕方のない事だったの」


一応暗くはなかった。なぜかリンさん光ってたし。


ところでちっとも村の人達の姿は見えないがなにをしているんだろ?と疑問に思った矢先リンさんが村に突入していく。


「いくらなんでも横暴だ……」


人っ子誰一人外にいないため不気味で仕方なかった。呼びかけても返事なし。ノックしても応答なし。


なんか人が倒れてて話しかけても返事がなかった。なんだただの屍か。


「って冗談言ってる場合じゃなかった!?リンさん!ここに人が倒れてます!」


「あら、ほんとね、じゃあちょっと回復魔法使うから、貴方は引き続き他の村人を探すのをやってちょうだい」


「わかりました!」


そう言われて倒れていた人を任せて村を再び人が散策する。


「うぅ……あれ、俺ここでなにしてたんだ……?」


「おはようございます。いまここであなたが倒れてたから私が起こしてあげたの。そのお礼といってはなんだけどなにか食べ物などはないかしら」


「なんと、この俺が倒れていたとは、やはりこの村はもう……いや今思いつめても仕方のない事、いやぁこんな美人に助けて頂き光栄です。すぐそこに私の家があるのでお礼として最大限のおもてなしをさせていただきたい」


「わかったわ。案内して」


「あ!起きたんですね!」


僕が戻ってきたときには倒れていた村人は起き上がっていた。


しばらくして倒れていた男の人から手厚い歓迎を受けた。ご飯やお風呂まで至れり尽くせりだった。


もちろん寝泊まりも。


「初めて異世界でお風呂に入ったけどやっぱり魔法で水を沸かしてたんだ……」


あまりにもの感動に震えている。

だってかっこいいじゃん?


「あんた人生楽しそうね」


「楽しいというより飽きないですね」


「あ、お二人共湯加減どうでしたか?私は火の魔法が得意でして、絶妙な湯加減にできるため周りには【湯の魔術師】と呼ばれていたくらいですから」


はっはー!と盛大に笑う男の人に向けるリンさんの視線はなぜか痛いものを見る目だった。

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