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第84話 砂漠でトレーニング

オレ達は街で山行きの買い出しをしていた。

ノトスからクレーネへの旅と異なり、今回は山岳地帯を踏破しなければならない。

旅の物資を売る店の主人に質問しながら、オレ達は慎重に買い物を進めた。

なお大蠍(おおさそり)討伐の報酬は換金しなかったので、貯金を取り崩して買い物をしている。

「山の城には駱駝(らくだ)は連れていけるのか?」

オレは店の主人に尋ねた。

「大丈夫ですよ。元はパランクス城の建築資材も運んだ道です。ただし道に迷わなければ」

食料や水は翌朝ミラヤに積み込むことにし、オレ達は半金を支払って宿屋に戻った。

マスキロは買い物の途中から姿が見えなかったが、おそらくマジック・アイテムを物色しにいったのだろう。


日差しの強い昼間はシエスタで時間を潰し、日が傾いてからオレは一人城壁の外へ出た。

まず初めに日課の200kgスクワットをこなした。

最近は全く重さを感じないまでになっている。

「マスキロに重さを上げてもらわないとな」

次に大蠍の戦いでやったミョルニルの取寄せを再現しようとした。

これもうまくいった。

ミョルニルはターゲットをくっつけて取り寄せるだけだと思っていたが、離れたところからミョルニルだけを飛ばすこともできるらしい。

ここでオレはふと思い付いたことを実験してみた。

初めはなかなかうまくいかず、オレ自身が地面に叩きつけられることもあったが、そのうちコツを掴んできた。


「どうしたの、サルダド! 擦り傷だらけじゃない!」

宿屋に戻ると、パマーダが驚いた声をあげた。

「ちょっとトレーニング中に転んでしまって」

治癒(ヒール)をかけるわ」

「大丈夫だって。さすがにこの程度なら」


丁度同じタイミングでマスキロが宿屋に帰ってきた。

「マスキロ、随分遅かったな」

「これでも急がせたんだぞ。明日が出発というのでな」

「急がせる? 何をしていたんだ?」

「ふふふ、蠍の土産をな」

これは、マスキロのレアアイテム・コレクションに何か追加されたようだ。

「なんだ、見せてくれよ」

「まあ楽しみに取っておけ」


ゲネオスは街で情報収集をしていたのだが、一足先に宿屋に戻っていた。

「ゲネオス、収穫は?」

「ああ、山の城までの道は大体分かった。地図も見つけたよ」

そう言うとゲネオスは小さな羊皮紙を広げた。

そこには北の海、ノトス、砂漠、パランクスと、その周辺の地形の特徴が描かれていた。

クレーネの街の位置には小さな印が付されている。

「おそらくオアシス発見前に作られたものだろう」

「こんなものどこで見つけたんだ?」

ゲネオスはちょっとためらいながら話し始めた。

「う~ん、それは、その、アクリスの元の家に……」

「取ってきたのか!?」

「まあ持ち主は死んでしまったことだし」

「大蠍にやられてから吹っ切れてるなぁ」

しかし便利なことは間違いないので、オレ達は羊皮紙の地図をくるくると巻いて、旅の荷物に混ぜ込んだ。

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