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第64話 包囲戦の記憶

オレ達はクレーネの街にある宿屋に腰を落ち着けた。

宿屋の1階が酒場、2階が客室になっているのはこの土地でも同じだ。

オレ達は1階の酒場に集まって、今後の方針を話し合った。

「エルフはやはりいなかったね」

とゲネオスが切り出した。

「ああ、けど、、、山の城と言ったか? 別のところに撤退したそうじゃないか」

「そしてその後、アクリスが街を守ったと」

なんだか妙な話だなと思った。

「アクリスはどうやってモンスターを撤退させたんだろうな?」


ゲネオスが酒場のマスターに問い掛けた。

「マスター、”山の城”って何か知っていますか?」

「ああ、パランクスの山城のことだな。昔この土地に流れ着いたエルフが築いたと言われる城だ」

「どこにあるんですか?」

「分からないな。エルフがこのオアシスに移り住んだのは俺が生まれるより遥かに前だ。エルフは長命だからな」

「そうなんですか……」


パマーダが追加のドリンクを注文しながら別の質問をした。

「モンスターがこの街を包囲したことは覚えている?」

「ああ、あれは3年ほど前のことだ」

マスターが話し始めた。

「この街は見てのとおり凄い立派な城壁に囲まれているだろ? あれはエルフが作ったものだと言われているし、エルフの魔法がかかっているとも言われてた」

マスターは話を続けた。

「あのときモンスターの軍団に包囲されたときも、城壁の中にいれば大丈夫だと思っていたんだ。だから城壁の中にモンスターが侵入してきたときはもう駄目だと思った」

「けどアクリスがモンスターを撤退させたのよね?」

「ああ、エルフが街からいなくなったので、そのことを伝えに行ったんじゃないかな。なんにせよそれ以来アクリスは屋敷に入り、この街を統治している」

「ふ~ん、モンスターの狙いはエルフだったということなのかな?」

「それは俺には分からんよ。ただモンスターが包囲を解いた後から変なことが起こるようになったな」

「変なこと?」

「時々人が消えるんだ。主に屋敷の中の人間が。最近はそうでもないが、その代わり、、、」

マスターは急に口をつぐんだ。

「その代わり何があったの?」

「いや、最近はそういった話は聞かなくなったな」

マスターは別の客の注文を取りに、オレ達の前を離れた。

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