第50話 物資調達
「わ、分かりました。1万ゴールドでお売りしますからこの物騒なものを仕舞ってください」
商人は顔を動かさず、視線だけをこちらに向けて話した。
オレはシミターを鞘に戻した。
「まあまあサルダドもそんなに怖い顔をしないで。ご主人、砂漠に行くのに必要なものはここで買わせてもらうから。ただし適正価格でね♥️」
パマーダはそう言うと、周りの商品を物色し始めた。
オレ達は全身を覆う白い服を買った。これは鎧の上から着ることができる。
砂漠では身体を白い服で包まないと、あっという間に日焼けで火傷をしてしまうらしい。
顔まで覆うので砂嵐にも耐えられる。できれば砂嵐は勘弁してほしいものだが。
マスキロは黒いローブにこだわりがあるかと思ったが、オレ達と同じように白いローブを買った。
黒いローブはどこかにいってしまった。何処へ収納したんだ!?
その他水筒やら、駱駝に荷物を載せるための便利グッズなどを買い込んだ。
「じゃ、明日の朝までに駱駝を用意しておいてね。みんな、明日出発でいいよね?」
オレ達は頷いた。
翌朝、オレ達は広場に戻った。
宿屋の主にはしっかりと心付けを渡して、オアシスへの旅には十分な食料と水を用意してもらった。
宿屋のボーイに物資を運んでもらいつつ、駱駝を買った商人のところに行くと、そこには昨日見たものとは別の駱駝が座っていた。
体毛が全体的に黒く、身体も少し大きいようだ。
しかし商人に促されて立ち上がった駱駝は、少し足を引きずっていた。
「駱駝を売ってくれと言われたんだ。うちの駱駝とは言われてないぞ」
商人はオレ達の考えを先取りして、そう言った。




