表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/218

第34話 トビウオ釣り

オレ達は用心棒枠で乗船していたので、ファンタスマ号の甲板上での仕事はなかった。

この船の中では上等の船室をあてがわれ、早々に眠りについた。

船の揺れはさほど気にならない。気になったのは……


翌朝、オレ達は疲れた顔をして船の中の食堂に集まった。

パマーダとマスキロが食堂を離れてから、ゲネオスがオレに尋ねてきた。

「サルダド、昨日は眠れた?」

「……まあまあ」

「そう。ちなみに何か変な音は聞こえなかった?」

「ゲネオスもか!?」

オレは人がすすり泣くような声が聞こえた。

ゲネオスは叫び声や、船の下層で人が動き回るような音が聞こえたらしい。

船乗り達も寝ている時間である。

奇妙に思ったが、その場ではそれ以上の話にならなかった。


一方、昼間の甲板は楽しかった。

海の上の太陽は明るく、良い風が吹いている。

海上を飛ぶ魚の群れにも出会った。

ミョルニルで捕らえてみると、魚なのに胴体から羽根が生えている。

トビウオという名前だそうだ。

食べられる魚なので船乗りたちの評判は良かった。

というわけでオレはミョルニルを投げまくって、漁にいそしんだ。

船乗りたちは生で食べていたが、山間(やまあい)の街で育ったオレ達はマスキロに火を通してもらってから食べた。

ファイアー・ボールで焼いたトビウオのグリルである。

こいつは旨い!


そうした日が何日か続いたある日の夕暮れ、オレは漁にも飽きて何とはなしに海上を眺めていた。

太陽は水平線に身を重ねつつある。

全てのものがぼんやりと見えづらくなる薄暮(はくぼ)の時間帯だ。

海面にキラリと光るものがあった。

オレは目をこらしてもっとよく見ようとした。

巨大な目があって、こちらを(のぞ)いていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ