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第2話 街の酒場

街の酒場に着くと、オレはカウンターに向かった。

「あらサルダドちゃん、いらっしゃい。」

バーのマスターは恰幅(かっぷく)の良い中年女である。

貴方(あなた)にはミルクしか出せないわよ。」

「今日は冒険者を探しに来たんだ。パーティを組むために」

「あら、もうそんなに大きくなったのね。じゃあこのエントリーシートに必要事項を記入して。」


エントリーシート!? オレは身構えた。

しかしエントリーシートには名前と性別と職業しか書く欄がなかった……。

「書けました」

「ふ~ん、で、どんな冒険者を探しているの?」

「勇者と、あとできれば魔法使いと僧侶が良い」

「定番ね。丁度良いのがいるわ」


マスターが手を挙げると、テーブル席にいた男が一人立ち上がって近付いてきた。

「彼が勇者よ」

年の頃はオレと同じくらい。しかし勇者は鎧は着けず、手にしているものも棍棒だった。

「剣じゃないのか」

「木の棒よりマシだろ。剣は最初の冒険で稼いだ金で買うんだ」

勇者はオレの装備を見ると、目を丸くした。

「凄いね。ウォーハンマーを持っているなんて。是非うちのパーティに入ってよ」

勇者はオレをテーブルに案内した。


僧衣をまとった若い女性と、ローブに身を包んだ、これはかなりの年配の男性、いや老人と言ってもいいほどのお爺ちゃんが座っている。

「この人が戦士さん?」

まず女性が口を開いた。

「ワタシはパマーダ。よろしく」

差し出された手を握り返すと、香水の匂いがした。これが僧侶?

「お姉さん、宗派は?」

「聞かない方がいいわ。大丈夫、ケガは治してあげるから」

そこに老人が割って入った。

「ワシはマスキロ。魔法使いじゃ」

「そしてボクはゲネオス。世界を救うために冒険に出ることにしたんだ」

最後に勇者が自己紹介をした。


ゲネオスに言われて気づいたが、オレは何のために冒険に出るのか決めていなかった。

それで訊かれる前に別の質問することにした。

「それで、これからどうしたらいいんだ?」

「大丈夫。ボクは勇者だから、案件(クエスト)は勝手に転がりこんでくる」

そのときバーの入口がサッと開き、農民風の男性が転がり込んできた。

「勇者様、お助けください!」

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