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第194話 レジスタンス

次の日の夜、オレとゲネオス、それにパマーダとマスキロはメルーの家を訪れた。ゲネオスの命令でオレはほとんどの装備を宿に置いてくることになった。

「とにかく絶対に音を立てないように」

そんなわけでオレは初めの城を出て以来の軽装だった。


メルーがテーブルの側にあった食器棚の前に立ち、食器と食器の間に手を伸ばすと、食器棚が横にスライドし、地下へと続く階段が姿を現した。

「こちらへ」

オレたちはメルーに導かれるままその階段を降りた。

階段に光はなく、メールが持つ燭台(しょくだい)の明かりだけが頼りだったが、階段を降りた先に天井の低い通路が続いているのが見えた。

なおもメルーの後を追って進むとしばらくして小さな扉にぶち当たった。


メルーがその扉を開けると明るい光が差し込んできた。目が慣れると、それは決して強い光ではないことが分かった。

そこはメルーの家からは想像もつかないほどの広い地下室で、壁には多くの壁龕(へきがん)があり、そこには数多くの燭台がおかれて部屋を照らしていた。

「この辺りはまだイマミアンドがモンスターの本拠地となる前に豪族の館があったそうです。地上の建物はすべて破壊され、今は別の家々が建っていますが、地下の空間はそのまま残されました」


地下室の中には何人かの人が集まっていた。街で暮らす人々もいれば、冒険者風の姿をしている者もいる。全部で十数人といったところか。

「レジスタンスのメンバーです」

メルーが短く紹介した。


「久しぶりだな。元気だったかい?」

聞き覚えのある声に振り返ると、そこにいたのは軽めの装備に腰に二本の短刀を差した、見覚えのある男だった。

「リエースさん! どうしてここに?」

ゲネオスがすぐに呼びかけた。それは時の歪みの塔で行動を共にした軽戦士(フェンサー)のリエースだった。

「どうしたもこうしたもないぜ。塔を後にした後、どこへ行っても話が合わないんだ。俺もバカじゃない。すぐに気づいたよ。塔の中に入っている間に40年以上もの時が流れ去っていたことを」


「森の街は滅びたんだってな。どうも政治的な理由みたいだが。俺が生まれ育ったクズネツの街は健在だったよ。あそこは鉄を扱う奴が多い。日がな臭い煙を吐いて武器や防具を作っていた。ただ俺が知ってるやつは皆、爺さん婆さんになっちまってたがな……」


「けど俺の婆さんは生きてたんだよ。早くに俺を生んだからな。もう90歳を超えていたんだが、一目見て俺だと分かってくれたよ。『リエースかい? アンタは変わらないねえ』ってさ。けど俺がイマミアンドに行くって言っても止めなかったよ。クズネツも俺がいない間にモンスターが闊歩(かっぽ)する街に変わっていた。イマミアンドほどではないが、あの街もやがてここみたいになるんじゃないかと心配していたんだろ」

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