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第168話 ミラヤとの再会

そのラクダはまっすぐにオレたちに向かって歩いてきた。

一瞬身構えたが、特にオレたちに危害を加えようとするものではなさそうだ。

毛並みは黒く、ところどころ白い毛が混じっている。

ラクダはまずパマーダのところに行き、顔をパマーダの身体にこすりつけた。

その後ゲネオスにも同じことをし、ついにオレのところに来るとしばらくオレの顔を眺めていたが、不意にオレの顔をペロッと舐めた。

オレは「うわっ」と言ってのけぞったが、それを見たラクダは笑っているかのように歯を見せた。


「あれ、この子はミラヤじゃない?」とパマーダが言った。

体毛の色は少し違っているように感じた。

けれど長期間ミラヤと過ごした中で、ラクダにも個々人の顔があり、オレたちは少なくともミラヤの顔はほかのラクダと見分けがつくようになっていた。

「うん、確かにそうだね。けどなんだかちょっと違うような気がする。少し色が変わったような。何というか、、、年を取った?」


そのとき、ドーーーンともの凄い大きい音がして、オレたちのすぐ前の海に水柱が上がった。

「な、なんだ!?」

立て続けにドーーーン、ドーーーンと音が鳴り響いた。今度はオレたちのすぐそばでも砂煙が舞った。ぷーんと火薬のにおいがした。

海の方に目をやると、船から白い煙が上っているのが見えた。煙は先ほど見た船の船腹にあった大砲と思われる黒いものから出ていた。

「どうもボクたちは攻撃されているみたいだよ。あの辺りにいる船から!」


するとミラヤがオレたちを頭で小突き、街の方へと行かせようとした。

「なんだい、ミラヤ? こっちへ行けばいいのか?」

とにもかくにもオレたちは街の方向へ向かって走った。

街の城壁に付けられた門は開いていて、オレたちが門を通り抜けるとすぐに閉まった。

門を通り抜けた瞬間、何か変な感触があったが、そのときはすぐに忘れた。

その後も船からの攻撃は続いたが、やかましい音が聞こえるだけで、直接の攻撃を受けることはなかった。


オレたちは街の中で少し開けた広場までやってきて、そこでようやく周囲の様子を確認することができた。

周りの風景には見覚えがある。

ゲネオスが叫んだ。

「分かった! この街は見覚えがある! これはノトスの街だ!」

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