第167話 陽光
オレたちが目覚めたとき、外は眩しかった。
前回のように死にかけの状態で飛ばされたわけではなかったから、それほど長い時間気を失っていたわけではないと思う。けれどこの感覚はそう簡単には慣れそうになかった。
「眩しい、、、ん?」
どこか違和感を感じた。すぐに分かったのは周囲に木々がないことだった。代わりにあるのは黄色と白が混ざった砂と岩の世界。そこに燦燦と太陽が降り注いでいる。
明らかに森の街の周囲とは違う。
森の街の太陽はもっと柔らかい光だったが、ここの太陽はじりじりと照りつける光だ。
「ゲネオス、ここはどこなの?」
パマーダも立ち上がり、呆然としているゲネオスに問いかけた。
ゲネオスは既に回復していたが、周囲の様子を見て誰よりもショックを受けているようだった。
「ボクはまた、失敗したの?」
ゲネオスの言葉はほとんど独り言のように周囲の物音に吸い込まれていった。
しばらくは自分たちの置かれた状況が分からなかったが、時間が経つにつれ(変なにおいがするな)と思った。
オレは頭の中が少しずつ正常に戻るのに合わせて記憶を探ってみた。
「これは、、、潮の香りだ」
ハッとして振り返ると、真っ青な海が目の前を広がっていた。
太陽はちょうど目の前にあり、海の上の空高くに浮かんでいる。
水平線の向こうには何本も帆柱が立っていた。
一つの船に複数の帆柱がある大型船で、船腹からは黒いものが見える。
大砲? ならばあれは軍船ではないだろうか?
掲げられている旗はどれも真っ黒で、なんだか嫌な感じがした。
一方で海岸の側にはほとんど船はなく、もう長いこと使われていないようなボロボロの船が、係留されているともうち捨てられているとも分からぬままに岸辺で揺らいでいた。
視線を反対側に戻すと、そこには街があった。
街の手前は平らだが、やがて緩い傾斜になり、白亜の建物が坂にそって連なっている様子は青空とのコントラストでとても綺麗に見えた。街の奥の高台には城がそびえ立っている。
しかしこれは初めて見た光景ではない。これは、、、まさか、、、
そのとき一頭のラクダがオレたちの方に近づいてくるのが見えた。




