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第162話 時の歪みの塔・10階

塔に入ってからもう10日くらい経っただろうか。

大体1日に1階のペースで攻略していったので10日くらい経ったと言ったが、実際には塔の内部は昼も夜も分からないので、時間の感覚は若干麻痺している。

そして攻略という点については、この塔は一つのフロアに一つのボス級のモンスターがいて、そのモンスターを倒すと次のフロアに行く階段が現れるという仕掛けになっているようである。


1階から順に戦ってきて、最も記憶に残っているのは7階のリッチだ。

リッチというのは高位の魔術師のアンデッドらしく、とにかく魔法を飛ばしてくる。

これを見たマスキロに、

「おぬしはしばらく魔法を浴びてこい」

と言われ、ボス攻略もさておいて、オレはありとあらゆる種類の魔法をくらい続けた。

体力が心細くなるとパマーダに回復魔法をかけてもらい、パマーダのマナに余裕がなくなってきたら、一旦ボスの間から待避する。

しかしそれを続けていったことで、いくら魔法攻撃の直撃を受けてもほとんど体力が減らなくなってきた。

そのことをマスキロに話すと、

「魔法耐性を得たな」と言ったっきり、もう魔法を浴びてこいとは言わなくなった。

オレたちはようやくボス攻略のプランを練りはじめた。


ゲネオスにとって一番きつかったのはモンスターハウスだったと思う。これは6階にあって、その階は階全体が一つのフロアであり、フロアはモンスターで充満していた。

もちろんいくら数が多いとは言え、オレとゲネオスが暴れ回れば倒せない敵ではない。

しかしゲネオスは、ここでひたすら魔法の訓練をさせられた。

最初は小さな電撃(ライトニング)を撃っては階段を降りてフロアを離脱するの繰り返しだった。

それを何十回・何百回と繰り返すうちに、連続して出せる電撃の数が増えてきて、遂にはサンダー・ボルトを出せるようになっていた。


こんなことができたのは、この塔の中では体力やマナの回復スピードが異常に速かったからだ。ほんの2,3分休んだだけでまるで一晩ゆっくり休んだ後のように、身体中にパワーがみなぎるのを感じた。


この塔ではモンスターはしばらくすると復活する。ボス級のモンスターさえ復活する。

上の階に上がった直後に強敵が現れ、(あわ)てて下の階に戻ったら、先だって倒したばかりのボスがいて、いきなりボス戦が再開になったこともある。

そのときは焦ったが、けどこれは倒した敵であっても、必要に応じて何度も戦えるということを意味する。

オレたちは塔の特徴を生かして、毎日鍛錬(たんれん)を続けた。


そんなこんなでオレたちは塔の10階まで上ってきていた。

このフロアのボスはヴァンパイア・ロードだ。

何度目かの挑戦を終え、オレたちは5人で作戦会議をしていた。

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