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第141話 架橋 はじめの一投

(私たち? ということは対岸の男も同じように考えているということかな?)

とオレは思った。

ムイースはオレたちの反応がそんなに悪くないことを確かめてから話を続けた。

「そのためには、まず最初に1本のロープで両岸を結ぶことが必要です。ロープは向こう側が持っています。そのロープの橋をこちら側の塔に結えつけることができれば、ロープを使って様々な物資をやり取りすることができます。そうしていくうちに、どんどん吊り橋の基盤を作ることができるはずなんです」

ムイースは熱っぽく語っていたが、ここで少し表情が曇った。

「けれど最初の1本、ロープの繋ぐのが難しい。人が投げて届く距離ではありませんし、鳥を使ってみようかと考えたこともありましたが上手くいきませんでした。


オレはちょっと考えた。そういうことはオレの得意技ではなかっただろうか?

最近は大規模な戦闘ばかりで、真面目に武器としてウォーハンマーを振るっていたが、本来このアーティファクトはそんなことに使うものではなかったはずだ。

オレはムイースに言った。

「ムイース、対岸の男にそのロープを体に(ゆわ)えつけるように言ってもらえないか? そしてもう一方の(はし)を、向こう側の塔のどこかにしっかりと繋いでおいてほしいんだ」

ムイースはオレの意図が分からず怪訝(けげん)な表情を浮かべたが、あまりにも自信たっぷりなオレの顔を見て手旗を手に取った。


ムイースは、まだ塔の上に残っていた対岸の男を呼び止め、手旗を使ってオレが言ったことを伝え始めた。

「何とか伝わりました。ロープを身体に巻き付けたと言っています」

「一つ訊くのを忘れていた。ロープはある程度余裕があるんだな?」

「余裕というのは長さのことですよね? はい、それは大丈夫です。塔と塔の間の長さは目測で測っただけなのでギリギリだと不安でした。なので、それよりもずいぶん長めのロープを用意していたはずです」

「分かった。なら後は任せろ」

オレは迷うことなく海峡に向かってミョルニルを放った。

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