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第130話 南エルフの秘宝

イマミアンドか。

初めてその名を聞いたのはオーク・エクスプレスのリーダーからだ。その後モンスター・キャンプで会った(そしておそらく雷に撃たれて死んだ)ダーク・メイジもイマミアンドの名前を挙げていた。

そして、マスキロの言葉を信じれば、そこにグレーター・デーモンがいる。しかし、、、


「オレたちはいつから魔王を討伐(とうばつ)することになったんだ?」

オレはパーティの仲間を見回して問いかけた。

「確かにサルダドのいうことは分かる」

やがてゲネオスが口を開いた。

「けどこの先、ボクたちのレベルに見合った報酬を払えるようなクエストは出てこないよ。そうなれば冒険者として自らクエストを課していかねばならない。魔王はこの世のモンスターの元締めみたいなものなんだろう? 今すぐには無理かもしれないけど、ボクは倒したい。ボクたちは初めの城を出てから相当強くなったと思う。このまま頑張っていけば魔王討伐も、やがては……」

ゲネオスの言葉は結構響いた。確かに魔王を討伐しない道を選ぶこともできるが、討伐を目指す道を選ぶこともできる。

ゲネオスが言うようにオレたちは最初の頃より相当強くなった。能力的にも装備的にも。だからこそ討伐するかしないか、選択肢として選べるレベルにまで達したのだ。

「じゃあ、行こう。魔王を求めて。まずはイマミアンドだ。今更家に戻ってもしょうがないよな。行こう!」

オレはまだ少し悩んでいたが、話している間に気持ちがスッキリしてきた。


「東に進まれるのでしたら、もう一つ皆さまにお渡ししたいものがございます」

オレとゲネオスのやり取りを聞いた後、エレミアが言った。

エレミアは再び付き人に何事か伝えた。付き人は部屋を出て行った。

しばらくするとガラガラガラという音が聞こえてきた。部屋の扉が開くと、車輪が付いた台車を10名近いエルフが押してきた。しかしその台車の上には片手でも持ち上げられるような小さな宝箱しか載っていない。

台車を運んできたエルフたちは、今度は肩を寄せ合い力を合わせて宝箱から何かを取り出した。床に置かれたそれは、靴ぐらいの大きさの模型の舟だった。木でできているようにみえるが、古ぼけていてハッキリとは分からない。

それを置いたエルフたちはハァハァと肩で息をしていた。エレミアが近付いて、その小さな舟に小さな声で語りかけた。するとその舟が膨らみ出し、部屋いっぱいに広がった。


現れたのは7〜8人は乗れそうな小舟だった。二組のオールが付いている。木製だが相当年季が入っている。

ごくシンプルな造りのボートだが、舳先はぐっと立ち上がり、その先には水鳥と思われる彫刻が施されていた。エルフの作品のため当然に細工は細やか。それでいて水鳥が力強く羽ばたく様子が見事に表現されている。


「南エルフの秘宝、満ち欠けのボートです」

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