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第125話 戴冠式

決戦の翌々日の昼間には、館の中で戴冠(たいかん)式が行われた。

それまでエレミアは南エルフの王の妻として女王を名乗っていたが、オレたちが数百年を超えて王の死を伝えたため、正式に女王として冠を頂くことになったのである。

そこには防衛戦で命を落としたもの達の葬儀を、女王として祭主を務めてほしいという皆の願いもあった。

とは言え300名に満たない人々の女王である。その戴冠式も(つつ)ましいものであった。

戴冠式は館の中の玉座の間で、ごく僅かの家臣を陪席させただけで行われた。

エレミアに冠を授けたのはマスキロだった。これはエレミアのたっての願いだったと聞く。


「この戦いに勝利をもたらした方の手から王冠を頂きたかったのです」

戴冠式の後オレたちを自室に招いたエレミアは、略式冠を頭上に飾ったままにしていた。

「私たちをモンスターの攻撃から救っていただいたのは皆様です。そんな皆様にお贈りしたいものがあり、このようにお集まりいただきました」

エレミアが家臣に合図を送ると、部屋に宝箱がいくつか運ばれてきた。

大きさは大きいものから小さいものまで様々だ。

「私たちがこの城まで運び込むことのできたマジック・アイテムはごく僅かです。その中でも皆さまに相応しいものを選びました。是非お受け取りください」


まず初めに、細長い長方形の宝箱が開けられた。

「ゲネオス様、貴方にはこれを」

宝箱の中には白い布に包まれた一振りの長剣が収められていた。

「ロング・ソードです。プラス1レベルの魔法の品です」

刀身は美しく輝いていた。目を凝らすと、刀身の全体にうっすらと透かしが彫り込まれているのが分かる。(つば)つかにも細かい細工が施され、ひと目見てエルフの刀工の手によるものであることが分かった。

ゲネオスは剣を手に持ち、刀身を身体の前に立てて構えた。

「素晴らしい品です。しかしプラス1というのはどういう意味なんでしょうか?」

ゲネオスの問いにエレミアが答えた。

「プラス1のマジック・アイテムは通常のものより攻撃力が高く、にも関わらず重さは通常のものより1割程度軽く作られております」

ゲネオスは剣を上下に振り、その重さを確かめた。

「なお出し惜しみをしたわけではありませんので、その点はご承知置きください。と言いますのは、プラス2のマジック・アイテムはこの城にはございません。元々南の地に持ち出すことのできたマジック・アイテムは少なく、それらも今となっては全て散逸(さんいつ)してしまいました。そしてここには、プラス2のマジック・アイテムを鍛えることのできる刀工もいないのです」

「いえ、結構です。このロング・ソードでも私には十分すぎるくらいです」


「ところでプラス1、プラス2があるということは、プラス3もあるんですか?」

ゲネオスが自ら思った疑問をエレミアにぶつけた。

「ございますよ。もちろんこの城にはございませんが、プラス3のマジック・アイテムは存在します。そもそも貴方たちもお持ちではないですか」

エレミアはオレの方に視線を送ってきた。

「プラス3はマジック・アイテムの中でも特別です。私たちはそれをアーティファクトと呼んでいます。プラス2のアイテムより強力であることは言うまでもありません。それに加えて、それぞれのアイテムごとに特殊な効果があることが通常です。そう貴方がお持ちのミョルニルのように」

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