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ゲームがリアルになった世界で最高実力者だった俺はチートを使って生き残る  作者: アニマ
第一章 聖なる密林《ハイリガー・ジュンゲル》
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十年越しの剣


「――――はああああっ!!!!!」


俺はすぐに剣の構えを直し、殺陣筋を変えて斬り刻もうとする。


「遅いっ!!!」


「チッ!」


相手の剣によって跳ね返されてしまう。


「今は任務など関係ない……母の仇」


目の前の彼女は俺の跳ね返された剣を目視する前に彼女自身の剣を叩き込んでくる。俺よりも早く一撃を与えたかったらしい。


「遅せぇよ!!」


俺は、弾かれた自分の剣を構え直すのではなく、ただ横にスライドさせることで彼女の剣を受け流す。


「母の仇だか、何だか知らねえが、正々堂々と勝負して負けたお前が弱いだけだろ」


「うるさいっ!!私も心のどこかではそれは整理できていた。しかし、神谷戦斗!!お前の名前をきいてから私の中の何かが騒ぎ出している。お前が、この件に無関係でも黒幕でも関係ないお前を倒すだけだ!!加速(ブースト)!!!」


体を俊敏にさっせ、間合いをつめてくる。さっきよりも剣裁きの速度も格段に上がっている。


「お前支離滅裂なってんぞ。お前の母親が死んだことも、なんだか知らねえここの森に起きていることも俺は無関係だ」


「お前ではない!銀河昴だ!!!」


多分俺も昴もこの理論がかみ合っていない、感情論だけのこの状況をおかしいと感じているのだろう。しかし、俺らは、それを受け入れて戦うことに集中することを選んでいた。それだけ、頭の中には闘争本能しか思い浮かばなかった。


俺の刀身が残り数センチになった時に昴の唇が動く。


――――破壊ノ極意(ハカイノゴクイ)不可視(インビジブル)


「はぁ?」


俺が気づいたときは、遅かった。この場に銀河昴の姿、いや気配はない。


「あいつ、どこいきや――!!くっ!!!!」


俺の左わき腹が斬られた。赤い鮮血が飛び散る。スキル”五感強化”を使っても反応しない。そもそも、破壊ノ極意(ハカイノゴクイ)不可視(インビジブル)とは、定められた人物から自分の気配全てを消して五感などで可視化できなくしてしまうことだ。


「くそっ!!」


俺は、ジャンプしてその場を離れるなり、この時点で逃げるべきだった。しかし、闘争心が支配している今の現状ではそれが出来なかった。


「出てきやがれ!!ファイアーインパクト!ファイアーインパクト!!」



炎の魔法であるファイアーインパクトを辺り一面に発動させる。しかし、当たっている気配はない。当たっていたとしても確認するすべはないのだが、向こうからこちらがすべて丸見えのこの状況でやすやすと当たることはあり得ない。


「どこだどこへいき――ぐふっっっっ!!!!!」




俺は腹部に強い衝撃を感じながら、吹き飛ばされてしまった。



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