色々な可能性
忙しくて少し更新が滞っていてすみませんでした。
これからも更新していくので大丈夫です。
俺らは、俺を合わせた六人で、泉から流れている川を下っていた。
「やけに川沿いが綺麗だね。まるで誰かが整備したみたいだね、戦斗君」
結城は、金髪の長髪とでかい双球を揺らしながら、俺に同意を求めているかのように顔を覗き込んでくる。未だに美少女化した顔になれずに、一瞬ドキッとしてしまうがすぐにその思考をやめる。
確かに、言われてみればここまでくるのに、何一つ不便さは感じられなかった。草も砂利がたくさんあるから生えているのかと思っていたが、障害物になりそうなでかい石や岩などは脇へ除けられていた。
「ガァルル、この川沿いでなんかしてた人間とか見たことあるか?」
「ん~、人間、見つけた時早く追い出そうとしか思ってなかったガル。どこで見つけたとかあんまり覚えてないガル……」
「まぁ、それもそうか」
追い出すことだけを目的としているのなら、どこに人間がいたかなんて覚えていない理由もわかる。その時のガァルルを考えると今俺達と接しているガァルルは相当丸くなったのだと実感する。後ろでは、瑠璃ちゃんに頭を「よしよし」されて嬉しそうにしている。今じゃ、野良犬から飼い犬になっているみたいだ。
「というか、戦斗はなんでガァルルを連れて帰らないの?それで、校長が言ってた娘を守ってくれっていう目的は果たせているんじゃないの?」
魔須美がガァルルに聞こえないように耳打ちをしてくる。
「ただ、ガァルルを確保ってだけじゃ根本的な問題は解決していない気がする。根拠はなくするだけなんだが――――」
いきなり襲ってきた天使野郎の正体も掴めてない。それに、政府が何をしたかったのか知りたい気持ちもある。俺は、あいりがなんらかの形で政府に関わっているのではないかと考えるようになってきた。過去にどこかで、ランキング上位者は政府に集められて雇われているということをきいたことがあるからだ。
「天使野郎が属しているパーティかコミュニティか知らんけど、そこの他の人間も俺を狙ってくる可能性が高いってことだよな」
天使野郎とはいえ、あいりの実力派相当あった。あいりくらいの奴らが一気に襲ってくることを考えたら少しだけ億劫に感じる。
「けど、戦斗はランキング一位だったから余裕でしょ?」
「いや、ランキング三位から十位までが一気に攻めてきたら流石にきついわ」
残念ながら魔須美の期待には簡単には応えれそうにはない。ダブマスのランキングはキル数やアイテム収集などの様々なポイントを集計して載せているものだ。単に、強さランキングを表しているわけではない。
大会優勝がポイントが高く、ギルドの簡単なミッションなどはポイントが低いという格差はある。しかも、大会の方がポイントが大きいので、実力が高く強いものが上位に食い込みやすい傾向にはある。しかし、実力差がそのままランキングに反映されているかと言われれば「No」だろう。長年やっている人が自道にポイントを稼いでいたりすることもある。
「まぁ、政府が集めたランカーでない限りは大丈夫だろ」
「まぁ、戦斗なら大丈夫だと思ってるわよ」
魔須美もそう言って笑う。
だが、俺はその時楽観的に考えていたようだった。あいりがどこに属していたのか、ダブマスのランキングを見るなどの注意をあの時、怠っていなければ未来は変えられたのかもしれない。





