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ゲームがリアルになった世界で最高実力者だった俺はチートを使って生き残る  作者: アニマ
第一章 聖なる密林《ハイリガー・ジュンゲル》
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別れ


三下のジョブ"盗賊"の五人に近づいていく。


「琉々奈、瑠璃ちゃんの目をふさいどけ。これから起こることは、瑠璃ちゃんにとって、ちょっと刺激が強すぎるから」


「琉々奈じゃないガル!!」


「いいから早くしろ」


「わ、わかったガル……」


俺がわざと怒声に近い声を張り上げたことにびびったのか素直に従い、瑠璃ちゃんの目を両手で見えなくする。


「おいおい、学生っぽいひよっこが一人で近づいてきたぜ」


「仲間にいいとこみせたいんじゃねーか?あの獣人の子よく見るとかわいいしな」


「俺らもあとでまわすかー?」


「けど、残念だったな――――。その女とイチャイチャできなくて。だってお前は、ここで、死ぬんだからよぉ!!」


黒髭を生やし、バンダナを巻いた男が剣を降り下ろしてくる。


「ぬるいな」


だが、それは俺にとってはあまりにも遅く見えた。


俺は、エクスカリバーを抜刀する。それと同時に、剣を持っていた方の腕を切り落とす。



「――――――――ッ!!お、おれの、俺の腕がっ――――」



黒髭の男は自分の右腕がなくなったショックで膝まずいてしまう。


「てんめぇーーー!!!」


他の三人が襲いかかってくる。


俺は、そのまま、そいつらの首をはねる。


牽制の意をこめて一人の腕を切ったので、他の奴等がおとなしく帰るならなにも殺すことはなかった。敵意を向けられたから、それを返しただけの話だ。


「あ、あぁあぁぁぁ」


仲間が、腕を切られ、首を跳ねられたのを見た一人の"盗賊"が尻餅をつきながら、どうやら失禁したらしい。周りが濡れている。


俺がそいつの方を向くと完璧に震え上がって後ずさっている。数の暴力で乗りきってきたからか、命の危機に直面したことがまだなかったのだろう。ひどい怯えようだ。


「なんこか質問していいか?」


「あ、あぁああ」


上手く言葉にならないようだが、首を縦にふっている。肯定しているのだろう。


「"祈りの花"をたくさん収穫してなにをしていた」


「た、高く売れるので……それで……」


多分、違法で絶滅危惧種を乱獲している人間と同じ感覚なのだろう。


「わかった、お前らはでっかい組織の人間か?」


「や、ち、ちがう。俺らだけだ」


目は泳いでいるので何かの組織にはいるのだろう。また、変な宗教団体みたく関わってこなければいいが、マフィアかなんかだろう。


「お前らの組織には天使あいりとかっていうプレイヤーはいるか?」


「し、しらない。ほんとだ」


「いや、それならいいんだ」


「こ、殺さないでくれ」


「まぁ、用済んだしそこの黒髭連れて帰っていいよ」


俺は、ヒールをかけて腕を生やしてやる。


「ほら、さっさと帰れ」


俺がしっしっと手で追っ払うと二人は逃げていく。


「もう……いいガルか?」


「あぁ、もういいぞ」


俺がそういうと琉々奈は瑠璃ちゃんの目を開く。


「おわった……?」


「あぁ、大丈夫だ」


「ガ、ガル……」


なんか、もじもじしてるのが一匹いる。


「なんだ」


「う、疑って悪かったガル……」


肩を落とし、しょんぼりしながら呟いている。


「いや、いいよ気にしてないし」


「うん……気にしてない……」


すると、顔を赤くしてもじもじしてる。


「ま、また来てくれるガル?」


俺は、瑠璃ちゃんを一瞥する。


「なにいってんだ?当たり前だろ。なぁ瑠璃ちゃん?」


「うん……また……くる……よ?」


ガァルルの顔がパァァァッと明るくなる。


「約束ガルよ」


「うん……やくそく……これ……」


瑠璃ちゃんが小指を出す。


ガァルルも小指を絡ませる。二人は指切りをしている。



俺は、もしかしたら断片的に琉々奈の記憶が少し残っているのかもしれないと思っていた。



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