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ゲームがリアルになった世界で最高実力者だった俺はチートを使って生き残る  作者: アニマ
第一章 聖なる密林《ハイリガー・ジュンゲル》
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説得


「しゃあ、ねぇな!!」


俺は、迫り来る蟹の大群ではなく、琉々奈の方を選んだ。瑠璃ちゃんを魔方陣の向こう側へと押しやった。


俺と瑠璃ちゃんが向こう側にいった瞬間に、蟹から逃れるために出入り口の魔方陣を閉じる。


後ろの問題は解決し、俺は、前を見る。


向かってくる琉々奈に対しては、手を掴んで無力化を図る。


「は、はなせがル!!!」


俺に両手を掴まれてジタバタともがいている。


「ちょ、暴れんなよ!」


「ガ~ルッ!!!!」


「いったぁーーー!!!」


琉々奈は俺の首筋を噛んでくる。


「おりのッ……はなを……かえすガルッ!」


「俺の肩を噛みながらもごもご言うのやめろっ!!」


「かえすガル!!!」


「あ~、あんまり手荒な真似はしたくなかったんだがな。じゃあねぇ。バインド!!」


俺は、拘束系の魔法を唱えた。光の縄が琉々奈をぐるぐるに縛りあげ、身動きひとつとれなくなっていた。その隙に、琉々奈の口から逃れる。無慈悲にもそのまま横たわっている。


「あぁ~あ!肩が唾液で汚れちまったじゃねか」


俺の肩は琉々奈の唾液でびっしょりと濡れていたので、泉の水で軽く洗い流す。


「お前らもあいつらみたいに森を汚すんだガル!人間は信用できないガル!」


「どこの誰だかしらんがあいつらって誰のことだよ。ていうか、お前も人間だろ、琉々奈」


「ガァルルも人間のことなんて知らないガル!ガァルルはガァルルガル!人間じゃないガル!」


「いや、お前は獣人じゃなくて人間だからな。ていうか、ぜってぇ、なんかの濡れ衣着せられてる気がする。だいたい、こ……、瑠璃ちゃん?」


瑠璃ちゃんは倒れている琉々奈に近づき、しゃがみこむ。そして、そのまま琉々奈を、じっと見つめる。


「なんだガル!」


「仲間を……助けるために……三本だけ……必要……。だから……あと、……二本だけ……ゆるして」


瑠璃ちゃんはそう言って頭を下げた。


それを見た、琉々奈は気まずそうに少し目線をそらす。


「さ、三本だけなら、ゆ、許してもいいガル……」


「ありがと……」


どうやら、琉々奈の理解は得られたようだ。


「承諾してくれてサンキューな」


「お、お前は許してないガル!あっち行けガル!」


俺に対してはまだ、辛辣だった。


「その花があるところを案内するガル!いいから、早くこれをほどけガル!」


縄から逃れようとしてるのか、地面で陸にあげられた魚のように暴れている。


「わかったから落ち着けよ!」


「おちつこ……」


「わ、わかったガル……」


そう言うと、きっぱりと暴れまわることをやめた。


琉々奈は瑠璃ちゃんに対しては従順なペットのようになっていた。


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