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ゲームがリアルになった世界で最高実力者だった俺はチートを使って生き残る  作者: アニマ
第一章 聖なる密林《ハイリガー・ジュンゲル》
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野生の少女


俺と琉々奈は、対峙していた。どちらも、動こうとしない。


琉々奈は、顔に泥がついてたりして、汚れていたがそれでも、顔が整っていのが容易にしてわかる。長くてさらさらだったと思われる髪は獣のようにべたついている。


服装は、毛皮の生えたさらしとハーフパンツだけらしく、肌の露出が多い。頭には狼の耳とお尻からはモフモフの尻尾が生えている。今は、尻尾は威嚇のためか逆立っているが――


「俺は、闘いに来たんじゃない。お前と話に来たんだ」


俺は、手をゆっくり上げ、武器をなにも持っていないことを証明する。


俺が手を上げたことにより、自分が少し優位な立場になったとわかった琉々奈は少し、筋肉の緊張を緩めたように見えたが目は、つり上がり、四つん這いで行う威嚇は継続されたままだ。


「今日機嫌が悪いんだったら、明日また来る。お前と話をしに――」


俺は、そう言いゆっくりと後退り距離をとる。


「嘘……にんげんは……嘘つく。だから信じれないガルッ!」


はじめて彼女の声が発せられる。怒りという感情が含まれた声だった。瑠璃ちゃんのように途切れ途切れではあるが、瑠璃ちゃんよりも言葉の発音や滑舌が悪く、まだ発達途中の幼い子供に近いしゃべり方だった。語尾になんかついているが……。


「信じられない?何かあったのか?」


俺は、会話を試みようと話を続ける。


「ここ……聖なる密林ハイリガー・ジュンゲルの森を荒らした……ガァルルはそれが許せない」


ガァルルは牙王琉々奈のダブマス時のプレイヤー名だろう。それがそのまま名前になったのだと考えられる。


「荒らした?他にも人間がここに来たのか?」


「そうガル!だから、人間はガァルルの敵ガル!」


そう言って口を開け飛びついてこようとしていた。


「ッ!!?」


しかし、俺は、他の異変に気がつく。水面が不自然に揺れ、普通にしていれば気がつかない波が立っている。川の深い中央の部分では黒くでかい影が蠢いている。琉々奈はそれらに気がついていない。


「琉々奈!!危ない!!」


そして、それは、大きな口を開け川中央の深い部分から顔を出す。大きな鯰型のモンスターだった。 それは、琉々奈を、丸のみにしようとしていた。


「くそっ!!」


俺は、瞬時にワープして琉々奈を突き飛ばす。


「に……人間?」


突き飛ばされた等の本人は、信じられないものをみたような目で驚く。


「ちっ!思ったよりでけぇな――!!グッ!!!」



俺は、そのまま鯰に吹き飛ばされ川へと流される。

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