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「着いた。ここが俺がついこの間まで通ってた学校だ」


俺は廃れた自分の母校の校門の前に魔須美と共に立っていた。グラウンドはWMS特有の植物が生い茂っていて、何らかのモンスターに壊されたのだろうか。窓ガラスは割れ、屋上の一部のコンクリートは崩れ落ちている。しかし、すべての教室のカーテンは閉じられていて外からのぞき込むことは出来ない。


「魔須美ここからは俺の我が儘で動く。だから自ら罠だとわかっている危険な場所に足を運ばなくていいんだぞ」


「これはあたしも来たいから来ただけだから……」


「そうか……。魔須美いくぞっ!!」


俺らは荒らされたアスファルトから地面やらいろいろな管が向きだしになっている玄関前に繋がる通路を踏み出す。


ザザッ!!


草むらに隠れていたらしい忍者の服装をした者たちが四人飛び出してくる。


「やばいっ!!逃げろ!!!!」


危険をいち早く察知した俺は魔須美の手を引いて下駄箱に向かって走り出す。話し合いの余地があるなら穏便に済ませようと思っていたが、奴らからは殺意しか感じられない。


シュッシュ!!


手裏剣がいくらか飛んでくる。俺は走りながら小型ナイフを生成して、後ろを振り向きながら地面に落としていく。


「ちょっと、とばすぞ!!」


俺は魔須美をお姫様抱っこをする体制に変え、持ち前の速さで一気に駆け抜ける。そのまま、学校内の廊下まで侵入する。


「ねぇ、あいつら追ってきてるよ」


後ろを見ると四人も俺らのことを追いかけてきていた。奴らは服装からわかる通りジョブは”忍者”。速さの値をぶち上げて、他のアイテムなどを使って俺の最大値まで近づけているのだろう。


「振り切るぞ。少し乱暴になるからつかまってろ!!」


俺は最大出力の速さでぶっちぎる。廊下にたまっていた埃や砂などが巻き上がるのが見える。しかし、視界の端には一人だけ俺のスピードに追い付いてきてるのが確認できる。俺は廊下に木材や机などを飛び越えながらハードルを飛び越えるように走っているが、奴は天井を逆さまになりながら追いかけてくる。


「戦斗、危ないっ!!ブリザードウォール!!」


カキーン!


氷の壁に当たり金属が落ちる音がきこえてくる。どうやら相手はくないを投げてこようとしていたようだ。


「ありがと、魔須美。ブリザードウォールで廊下を完全に塞ぐことは出来ないか?」


「ちょっと、相手も早すぎて壁が完全に道をふさぐ前に突破されると思う」


「なら、適当に攻撃して足止めしてくれ」


「わかった」


俺は、前を見据える。たしか、ここの教室棟の端は十字路になっていたはずだ。俺らのクラスは右に曲がって階段を昇ればいけるが、何か罠があるかもしれない。俺はトラップがないかすべてのトラップアイテムや魔法を検索対象に”検索”をかける。やはり、十字路の奥はどこに行ってもトラップだらけっだった。この中でましなのは、左だろう。


俺は、左を選択し左折する。


この道のトラップは地雷だ。俺は、魔法”重力操作”を使う。対象物の重力を操る魔法だ。モンスターや物質には使えるがプレイヤーには使えない使用になっている。俺は、道中の地雷の重力を逆にし、天井にすべての地雷を設置する。


「なにっ!!」


ドーンッ!!


「うわあああああああああああ!!」


俺たちを追ってきた忍者は地雷を踏み爆発に巻き込まれてしまう。


「戦斗あの人……」


「敵の安全を確保している余裕はない。無視していくぞ」


俺はそのまま廊下をつきっきる。このまままっすぐ行くと多目的ホールに着く。多目的ホールを抜けたら階段があり、そこを上に登ると俺達の元教室にいけるのだ。俺は、目の前の多目的ホール目指して走っていた。


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