161〜170
#詩書きさんへのお題 『祭』
僕等の共通の敵
憎きあいつが
いつの日か死んだら
手を取り合って
ジャンクフード持ち寄って
お祭り騒ぎで死ぬまで踊ろう
もう僕等を苦しめる
恐ろしい怪物は
存在しなくなるのだから
だから今は
暑さでくたばりそうな
物置でふたり
息を殺していよう
◆
#ヘキライ
あなたとわたしを阻むもの
時の流れ
残酷な調べ
あなたの倍も老いていくわたしを
あなたは分かるのだろうか
わたしの心の中の時計を
狂わせたあなたの亡骸は
既に白い結晶に
どうせならわたしの
からだの時計も
止まってしまえたなら
どんなに幸福なのだろう
◆
#詩書きさんへのお題 『嵐』
もしかしたらもしかすると
それは嵐の前の静けさで
あなたの感情の
爆発三秒前
わたしの愛情の
消滅五秒前
嗚呼これは嵐が来る
そんな予感に震えてる
お願いだから消してよ
こんな結末
◆
#詩書きさんへのお題 『欠片』
あなたを失くした
わたしのこころの
欠片がきらきらと
揺らめいているの
欠けて煌めくのは
皮肉でしかないと
自分で自分を醜く
嘲笑ったりしても
結局のところはさ
わたしに開いた穴
もう二度と塞がる
ことはないのです
◆
#twpoem
割れたこころを
取り戻したくて
優しく掬って
巣食った灰汁を
それがいつかの
わたしを救う
助けてよ愛してるなら
抱き留めてよ大切なら
そうやって
無責任に無防備に
二階のベランダ
わたしを投げてみるの
あなたは見てるだけでいい
何もしなくて、いい
◆
#夜という文字を使わずに夜が来たを文学的に表現してみろ
#twpoem
ああ、またあの時間
恐ろしい怪物が僕を食べる
僕は空飛ぶスーパーマン
怖いものなんてないはずだ
なのにどうしていつだって
フラフラ落下
クラクラ墜落
衝突寸前に目が醒める
ああ、嫌な時間がやってくる
◆
#twpoem
逃げて 逃げて
走って逃げて
掴まえたのは
自由なんかじゃなくて
ただの息苦しさが
目眩を連れて
息が詰まって
涙が溢れて
ああ、このままじゃだめになる
そんな夜明けの終わりに
ふと、
君の寝息を耳にして
また、だめになりそうな自分を
鬼の私が押し殺していた
◆
#twpoem
心が痛いくらいなら
小指でも切った方が
幾らか幸せなんじゃないか
そんな錯覚で
どうにか生きてきた
そんな私を赦してくれたのは
貴方だけだった
◆
#詩書きさんへのお題 『救い』
何を持ってすれば
救われたことになるのだろう
あの人が死ぬ日か
私が死ぬ日か
触れたら壊れるような
日々が終わる時か
救われることなんかない
救われるつもりもない
救われたら終わってしまう
私の悲劇
あなたとの細い絆
◆
#twpoem
いつだって僕等はひとりぼっちだ。
誰に好かれても、
誰に寄り添われても、
誰を捕まえても、
こころの中までは
誰も見つめられない。
誰にも見せてはいけない。
僕自身にすら
「僕」という人間にすら。