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徒然なる日常に。  作者: 繰る井 莎鬼
11/20

101〜110

(お題bot【milk】(@milkmilk_odai)

恋する二人への短文10題

1.伝えたよ、確かに

2.君は幻?

3.達磨さんが転んだ

4.真夜中の千客万来

5.笑ってるよ

6.爪の先の届くとこまで

7.ベットの上はまるで戦場

8.わざと破られたあの約束

9.君の鍵を返すよ

10.愛と一切れのパンがあればいい、なんてね)



君からもらったピンクの包み

中にはキラキラ チョコレート


「伝えたよ、確かに」


駆け出す君の背中を見詰め

悪戯っぽい笑みを思い出す

齧ったチョコレート 甘くて 蕩けて


ああ 先を越されてしまった



微笑みの先に一陣の風

吹き荒らされる幾つもの花弁


君は幻?

あれは幻


いつだって僕の瞳は

君の姿を探している



達磨さんが転んだ

振り向き 目を隠し

あなたを逃がさない

他愛ないお遊戯


さぁ 早く 目を覆って

彼女の姿を見る前に

私が触れてみせるから



騒々しくも陽気な囃子

真夜中の千客万来

その中に君の姿があるはずと

僕は必死で目を凝らす


見つけた 君だ


手を伸ばしたが触れられない

君は静かに微笑んで

お祭り騒ぎと共に逝く


久方ぶりの邂逅を

帰郷を線香が歓迎した



笑ってるよ

笑ってるの

だから泣かないで

あなたのなみだ

わたしを塩辛くする

泣かないで泣かないで

また会えるから

いつでも会えるから



手の指の届くところから

足の爪の先の届くところまで

あなたでいっぱい

温もりいっぱい

心地が良くて

眠ってしまう


ああ 眠りたくなんてないのに

まだこの安らぎの

優しい波の中で溺れていたいのに



ベッドの上はまるで戦場

狩るか狩られるか

生かすか殺すか

すべては僕の指先一つ

君の命運は僕が預かった



君は泣き腫らした目で微笑んだ

待っていたことを裏付けるように

その小さな手足は冷たく悴んでいた


僕は申し訳なさから

涙が出てきてしまって

君はそんな僕をみて

けらけらとわらった


わざと破られたあの約束

僕は震える君を見ていたかったんだ



君の鍵を返すよ


なんて残酷な別れだろう

あんなにも無理矢理

抉じ開けておいて

今更鍵を返されたって

もう閉める扉すらないのよ


ねぇ



愛と一切れのパンがあればいい、

なんてね

そんな幻想みたいな言葉に

惑わされるほど子供じゃないの


でも時々は付き合ってあげる

ナイフとランプも忘れずに

あなたとなら雲を掻き分けて

何処までも行ける気がするから

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