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(お題bot【milk】(@milkmilk_odai)
恋する二人への短文10題
1.伝えたよ、確かに
2.君は幻?
3.達磨さんが転んだ
4.真夜中の千客万来
5.笑ってるよ
6.爪の先の届くとこまで
7.ベットの上はまるで戦場
8.わざと破られたあの約束
9.君の鍵を返すよ
10.愛と一切れのパンがあればいい、なんてね)
①
君からもらったピンクの包み
中にはキラキラ チョコレート
「伝えたよ、確かに」
駆け出す君の背中を見詰め
悪戯っぽい笑みを思い出す
齧ったチョコレート 甘くて 蕩けて
ああ 先を越されてしまった
②
微笑みの先に一陣の風
吹き荒らされる幾つもの花弁
君は幻?
あれは幻
いつだって僕の瞳は
君の姿を探している
③
達磨さんが転んだ
振り向き 目を隠し
あなたを逃がさない
他愛ないお遊戯
さぁ 早く 目を覆って
彼女の姿を見る前に
私が触れてみせるから
④
騒々しくも陽気な囃子
真夜中の千客万来
その中に君の姿があるはずと
僕は必死で目を凝らす
見つけた 君だ
手を伸ばしたが触れられない
君は静かに微笑んで
お祭り騒ぎと共に逝く
久方ぶりの邂逅を
帰郷を線香が歓迎した
⑤
笑ってるよ
笑ってるの
だから泣かないで
あなたのなみだ
わたしを塩辛くする
泣かないで泣かないで
また会えるから
いつでも会えるから
⑥
手の指の届くところから
足の爪の先の届くところまで
あなたでいっぱい
温もりいっぱい
心地が良くて
眠ってしまう
ああ 眠りたくなんてないのに
まだこの安らぎの
優しい波の中で溺れていたいのに
⑦
ベッドの上はまるで戦場
狩るか狩られるか
生かすか殺すか
すべては僕の指先一つ
君の命運は僕が預かった
⑧
君は泣き腫らした目で微笑んだ
待っていたことを裏付けるように
その小さな手足は冷たく悴んでいた
僕は申し訳なさから
涙が出てきてしまって
君はそんな僕をみて
けらけらとわらった
わざと破られたあの約束
僕は震える君を見ていたかったんだ
⑨
君の鍵を返すよ
なんて残酷な別れだろう
あんなにも無理矢理
抉じ開けておいて
今更鍵を返されたって
もう閉める扉すらないのよ
ねぇ
⑩
愛と一切れのパンがあればいい、
なんてね
そんな幻想みたいな言葉に
惑わされるほど子供じゃないの
でも時々は付き合ってあげる
ナイフとランプも忘れずに
あなたとなら雲を掻き分けて
何処までも行ける気がするから