466/482
下等
帯との 摩擦 を除く 。
帯に たばさまない 。
さも 帯に 差して有るように ヨソオウ 。
左手を 鞘の下から通す 。
前腕に引っ掛ける 肘で 腰に 押し付け 乗る様に する 。
御婦人を 先導 する 様に 。
さりげなく 小さめに 。
すれ違い を 演出 。
出発 。
△
いよいよ すれ違う 。
すれ違う前に そっと 右手で 柄を上げる ぶつからない様に
気遣い する 。
傘を 傾ける 様に 。
すれ違う 。
お互いを 左に して 。
鍔を浮かせる 。
振り向き様に 。
いつもの 様に 。
□
刃は 潰して
石畳で がりがり 。
引き摺って 歩く 。
切っ先が尖る は 危ない 。
鉄の棒で 充分 。
手を斬る 心配も無い 。
どうしても 斬りたければ 弱らせて か
死体を 斬ればヨイ 。
それ様ので 。
動かず よほど綺麗に 斬れる 。
◇
三重に 否定された 。
帯に差し込まない 帯刀の否定 。
刃を潰し 真剣の否定 。
奇襲の簡便さ 殺気の 否定 。




