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いや 近づかないで
のこのこ
歩く 本屋の 帰り道 。
前方にデカイ黒い犬 。
こっちを 見ている 。
飼い主が 引っ張っても 見ている 。
うわ
近寄らん様に しよ 。
出来るだけ離れて 通る 。
そこへ
すいません
すいません
と
声が 。
五分刈り髭面 おっさん 知らない 。
犬の首紐を 持っている 。
はあ 何ですか 。
何か 有ったんですか 。
近付く 。
犬は 嫌いな 方ですか 。
いや 。
犬が ×× な もんですから 。
遠いな
近付く 。
いや 近づかないで 。
はあ 。
犬を 見る 。
黒く 頭の高さが おっさんの腰まで ある 。
バウン 。
尻尾を ふらり
高々上げて 一揺すり 。
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何なんだ 。
釈然としないが 。
キビスヲ返して 立ち去った 。
僕が 犬を嫌いか どうか なんて
どうでも 良くないか 。




