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狸よ 静かに眠れ
郵便局 前に
狸の 置物 。
くりくり
と した瞳 。
見ている どこか。
倉庫の内に 鈴虫 。
かさかさ
と 出でて
アラワル。
足先を 上げれば
遠くで 驚き
跳ねる 鈴虫 。
積み上げられた
本
雑誌
イビツに ハンザツ。
がたがた と 積まれた本の
飛び出た その へり に
ぶつかる 鈴虫 。
ウロタエ
取り乱す 君は
痙攣を 知っている 。
ヨク響く 羽音を 作り出せる 。
あ
蟻だ 。
手の甲をツタイ 親指へ
左手だ 。
逃がそう 。
君は 死ぬだろう 。
一匹で
人間に 運ばれ
唐突に 別の場所へ
連れて 行かれた 。
鈴虫が 鳴いている 気がする 。
遠くで カスカニ 。
