ヨタ12
霊媒の話を 思い出すと こう 思う。
僕は タマシイを運んでいるのではない。
タマシイが 僕を運ぶ。
一回転の間だけ。
転がるタマシイに こびりついたモノ。
出来たキズ。
イビツなワダチ。
それらの作る模様を、
僕 としている。
僕は タマシイが置いていったモノ。
僕は タマシイを見送っている。
タマシイは転がる。
僕とは関係なく。
転がり跡が 続く。
それの ある区間 僕と 認識している。
印章と印影。
痕跡。
ワダチは 途切れる。
移した模様は カスレル。
洗われる。
風化したか。
タマシイは変わらずに転がる。
洗っても。
汚れても。
跡が有っても。
跡が無くても。
僕は置いて行かれる。
常に。
置いて行かれたモノが僕だ。
転がるタマシイは 場所によって表面を汚す。
汚れを擦り付け。
模様を残す。
複雑な印痕。
彼等はタマシイを見て 話をしている。
僕は足跡 擦り付けられた模様にすぎない。
繋がっているようで 繋がりは 無い。
かつて合った事があるモノ。
再現出来る。
タマシイを転がせば。
タマシイの話は タマシイにしてください。
ずいぶん 前に 行ってしまった。
追いかければ いつか 追いつく。
賢いやり方ではないけど。




